チェコのBlokman Traidingは『プレイステーション』で動作するLinuxのアルファ版を公開した。
Blokman TraidingのWebサイトによると、これまでMIPSプラットフォームで動作するハード/ソフトウェアの開発を行なっており、その際に『プレイステーション』および『プレイステーション 2』も開発に使用していたという。しかし『プレイステーション』の開発情報は入手が困難であったため、自社で開発環境を構築。その結果生まれた、カーネル2.4ベースの開発環境である『RU.nix』をGPLライセンスで公開する。「このプロジェクトは、Linuxキットを開発することでプレイステーションおよびプレイステーション 2を低価格のデスクトップコンピュータにすることを目指し」ているという。
ダウンロードはftp://ftp.ware.ru/pub/unix/linux/kernel/kernel-psx-2.4.0.tar.gz から可能になっている。サイズは26MB。展開後に生成される「PSXLinux」ディレクトリにある「README.PSX」によると、必要なソフトウェアは以下のとおり。
- egcs-1.1.2-1 MIPSクロスコンパイラ
- binutils-2.9.5-1 MIPS
- Serial Boot for PSX
インストールの方法については、「Linux/MIPS HOWTO」を参照することになる。ここではMIPSプラットフォーム上にLinuxをインストールする際の一般的な方法を知ることができる。また、ハードウェアとしては、『プレイステーション』用のブートディスクまたはデータ転送用のシリアルケーブルが必要になるという。
『RU.nix』についてはすでにいくつかのニュースサイトで報じられており、米Slashdotなどでも話題になっているが、インターフェイスがシリアル以外は独自規格であり、拡張性がないことや、対応したキーボードやストレージがない、『プレイステーション』をデスクトップコンピュータとして使用するメリットが感じられない、といった意見も多く、実際にインストールしたという情報は確認できなかった。
一方、(株)ソニー・コンピュータエンタテインメントが『PS2 Linux Kit』をリリースするきっかけとなり、現在も署名を募集している「PlauStation2で動作するLinuxの増量を求める署名運動」サイトでも、最新情報で紹介されており、「将来は協力してくれるとうれしい」とコメントされている。
ロードマップでは、7月にベータ版を公開、10月には安定版を発表すると同時に、ハードウェアへの拡張メモリや各種ポートといったアドオンキットの供給開始が行なわれる。年末にはゲーム開発キットおよびオフィスツールを供給し、将来的には『プレイステーション 2』用の製品も発表するとしている。