ユーリードシステムズの「Ulead VideoStudio」(以下VideoStudio)は、ユニークなユーザーインターフェイスを持つ初心者向けのビデオ編集ソフト。そのVideoStudioがバージョンアップ、「Ulead VideoStudio 5 日本語版」(以下VideoStudio 5)となった。ここでは、今回のバージョンアップにより新しく搭載された新機能を中心に紹介する。
今回のバージョンアップで特に注目すべきポイントは、ズバリ「DVサポートの強化」「ビデオフィルタの搭載」「タイトルの拡張」の3点だ。本稿では、これらのポイントを中心にご紹介しよう。
バッチキャプチャに対応し、強化されたDVサポート
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バッチキャプチャのリスト作成は、オプションパネルから行う。ここで注目したいのは、オプションパネル上部にある「2」と書かれた数字の部分。今回のバージョンから、オプションパネル上部のスイッチにより機能を切り替えられるようになった。 |
VideoStudioは、IEEE1394インターフェイス経由によるDVデータの入出力に早くから対応していた数少ないビデオ編集ソフトのひとつ。機能限定版の「Ulead VideoStudio SE」がIEEE1394ポートを搭載したマザーボードや数多くのIEEE1394インターフェイスカードに付属していたことから、今日ではDVデータのキャプチャツールとしても広く知られている。しかしながらその対応は、簡単なDVデータの入出力と基本的なデッキコントロールのサポートのみ。機能面については少なからず不満もあった。
そこでVideoStudio 5では、従来のイメージを払拭すべく
- 作成したリストを元に複数のシーンをまとめてキャプチャする「バッチキャプチャ」
- DVデータの不連続な部分を検出することで、キャプチャした映像を複数のビデオクリップに分割できる「シーン検出」
- VideoStudioが既に起動している状態でもDV機器を認識できる「DVプラグアンドプレイ」
- 18分以上連続するシーンの取り込みに対応(=FATファイルシステムの最大ファイルサイズである4GBの壁を打破する)する「シームレスキャプチャ」
――などの新機能を搭載した。この中で特に嬉しいのは、なんといってもバッチキャプチャのサポートだ。
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シーン検出に関するダイアログ。シーン検出を行う状態でビデオをキャプチャした場合、キャプチャを行ったあとにこのダイアログが表示される。 |
このサポートにより、キャプチャしたいシーンをタイムコードを参照しつつ正確に取り込めるようになったからだ。従来のキャプチャ作業では収録したいシーンの近辺でボタンを押すというシンプルな方法しか用意されていなかったため、ビデオ編集を行う前には作成したビデオクリップのトリミングが必要だった。だが、バッチキャプチャを用いればトリミングの手間は完全に省ける。多くのユーザーが待ち望んでいた機能が、遂に搭載されたわけだ。
