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tinderbox1

tinderbox1

2001年02月08日 23時36分更新

文● 伊藤裕也

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tinderbox1

フラッシュバック

オープンプライス
7万8000円(直販予定価格)

英the foundry社の「tinderbox1」は、アドビシステムズが販売するモーショングラフィックス/ビジュアルエフェクトツール「Adobe AfterEffects」(以降AfterEffects)用のプラグインソフト。製作プロダクションなどのプロユースやハイアマチュアをメインターゲットにした映像効果プラグインで、AfterEffectsの表現力を強化するものだ。フラッシュバックでは、このtinderbox1(英語版)に日本語マニュアルを付属したパッケージを、2月中旬から出荷を開始する予定だという。そこで本稿では、tinderbox1の詳細をご紹介しよう。

CPUパワーのみで高速な処理を実現!

tinderboxメイン画面
tinderbox1を組み込んだAdobe AfterEffectsの画面。メニューなどはすべて英語表記だが、日本語マニュアルが付属する。
ワイプ効果「T_Pattern」
tinderbox1は、さまざまなタイプのビジュアルエフェクトプラグインを収録している。これは、幾何学模様などの軌跡を残すワイプ効果「T_Pattern」。

 tinderbox1では、映像に“ブレ”や“ぼかし”といった効果を与えるブラー「T_Blur」「T_DirBlur」をはじめ、さまざまなパターンでビデオクリップをワイプできる「T_Pattern」、映像を木炭画風に加工する「T_Etch」、水面に滴を落としたような波紋を映像に重ねる「T_Droplet」など、合計20種の映像効果プラグインを収録している(下の表1参照)。プラグインの多くはポピュラーなビジュアルエフェクトであるため、さまざまなシチュエーションで活用できるだろう。



空の風景を生成する「T_Sky」
tinderbox1のビジュアルエフェクトの例、その2。空の風景を生成する「T_Sky」。

 だが、tinderbox1の特徴はエフェクトの種類だけではない。各プラグインを実行した時の画像処理速度が実に高速なのだ。tinderbox1では、画像エフェクトのアルゴリズムを最適化しており、特別なハードウェアを必要とせずにエフェクト処理が速やかに行えるという。
 試しに、CPUにPentiumIII-1GHz、メモリ256MBというPCで、720×480ドットの映像をロード、レイヤーの画質設定を「フル画質」に設定して、その映像にtinderbox1の各種プラグインを試してみたところ、ブラーやピクセルの拡散効果などではエフェクトを適用した直後にコンポジションウィンドウに結果を反映できた。もちろん、収録されているエフェクトの中には空の模様や水面における光の反射を生成するといった複雑な工程のジェネレータなどもあるため、すべてのプラグインで即座にレスポンスが返ってくるわけではない。だが、大半のエフェクトでは遅くとも2~3秒で処理できていた。なお、フレームの処理にかかった具体的な時間は、T_Deflickerで約0.4秒、T_Etchは約1.2秒、T_Patternは0.5~1秒、処理に時間のかかるT_Beamでは約3.2秒、T_Rayでは6秒ほどだった。



光が漏れ出すような効果を見せる「T_Rays」
tinderbox1のビジュアルエフェクトの例、その3。画面では、白抜きの文字部分からあたかも光が漏れ出すような効果を見せる「T_Rays」。

 とはいえ、これだけでは説得力がないので、実際にAfterEffectsが標準で搭載しているプラグインと、速度を比較してみよう。テストは、AfterEffects標準のブラー(ガウシアンブラー)とtinderbox1のブラー(T_Blur)を、フレームサイズが720×480ドット・1920×1080ドットの映像にそれぞれ適用し、コンポジションウィンドウにプレビューが反映されるまでの時間――つまり1フレームのレンダリング時間――を計測するというもの。その結果はグラフ1&2のとおり。いずれの解像度においても、ブラーの強度を強めるほどに差が開いた。特にブラーの強度を強めた場合(強度25・50)における両者の違いは、明らかに体感できるレベルのものだ。本プラグインを使用すれば、作業能率が向上することは明らかだ。



tinderbox ブラー適用テスト フレームサイズ720×480(DV)
tinderbox ブラー適用テスト フレームサイズ1920×1080(HDTV)

 価格はオープンプライス。フラッシュバックでは直販価格として7万8000円を予定しているため、店頭での実売はこれに近くなる(7万円後半)と思われる。個人ユーザー(ハイアマチュア)にはそう手軽に入手できる価格ではないものの、このプラグインを導入すれば、さまざまなビジュアルエフェクトを速やかに適用できるようになる。エフェクトを日常的に扱うユーザーにとっては、大きな恩恵をもたらすプラグインであることは確かだ。

プラグイン「T_Blur」のインターフェイスプラグイン「T_Blur」のインターフェイス。ブラーの強度はもちろん、効果を適用するカラーチャンネルからオリジナルソースとエフェクトを合成する方法まで、こと細かに設定できる。なお、プラグインによっては、これらの設定のうちいくつかを画面下の「Viewer」にあるモニタ類からマウスで直接操作することも可能だ。
表1 Tinderbox1に含まれるプラグイン一覧
Blurs T_Blur ガウシアンブラー。シャープネスフィルタとしても機能する。
T_DirBlur ブラーを特定の方向に対して適用。
Effect T_Diluse 映像を構成するピクセルをランダムに拡散。
T_Etch 木炭によるフリーハンド画風の効果。
T_HeatHaze 空気のゆらめきをシミュレート。
T_Rays 背後からイメージを照らす光を作成。
T_Starburst 光彩のある部分に閃光を追加。
T_Stutter 映像のフレームをランダムにシャッフルする。
Generator T_Beam 3次元空間に光線を照射。
T_Caustic 水面のきらめきなどを生成。
T_Grad グラデーションを生成。
T_Sky 空の風景を生成。
Tools T_Deflicker クリップのちらつきを低減。蛍光灯のちらつき低減などに有効。
T_Degrain グレイン除去。
T_Dilate マットイメージのアウトラインを変化させる。
T_Pattern 11種類の基本パターンを持つワイプ効果。
T_Tile 映像を縮小し、タイル表示にする。
Warpers T_Distorto サブクリップの輝度などを利用して映像を歪ませる。
T_Droplet 波紋効果。
T_Lens 凸レンズ/凹レンズ効果。
製品名 tinderbox1(英語版日本語マニュアル付き)
価格 オープンプライス(直販価格7万8000円)
発売元 (株)フラッシュバック
連絡先 03-5474-0268
URL http://www.flashbackj.com/
対応OS Windows 98/NT 4.0+SP3以降/2000(Windows Meは確認中)、Mac OS 8.1以降、Adobe After Effects 4.0または4.1がインストールされている環境が必要

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