米アクセンチュア(旧社名アンダーセン コンサルティング)(※1)社の東京事務所は12日、都内のホテルで同社CEOであるジョー・フォーハンド氏の来日記者会見を開催した。席上フォーハンド氏は日本市場を重視する姿勢を見せ、3年後に日本市場の売り上げ10億ドル(約1180億円)を目指すという積極的な目標を示した。
※1 同社は2001年1月1日をもって“アンダーセン コンサルティング”から“アクセンチュア”に社名変更を行なった。アクセンチュア統括パートナー兼最高経営責任者のジョー・W・フォーハンド(Joe W. Forehand)氏 |
フォーハンド氏は会見で、1月1日に行なわれた社名変更に触れたあと、“社会や人々の生活に革新をもたらす世界のリーディングカンパニーを目指す”というアクセンチュアの今後のビジョンについて説明した。このビジョン実現のための行動として、日本の大手製薬会社と提携して糖尿病新薬を1年以内に市場導入すること、英Telewest Communications社と共同で家庭向けの双方向ブロードバンドサービスを提供すること、世界各地で行なわれているデジタル・デバイド解消を目指す活動への参加をあげた。
今後の戦略としては、コンサルティング、アウトソーシングなどの“クライアント・サービス・ビジネス”、他社との事業提携を通した革新的なサービスや専門的サービスを提供する“オペレーティング・カンパニー”、“ベンチャー・キャピタル”の3つを柱とし、事業を相互に連携させ相乗効果を生かすという。クライアント・サービス・ビジネスについては各地域での活動をより充実したものとするため、東京など世界の25ヵ所に“ビジネス・ローンチ・センター”を設立、事業提携については昨年(2000年)に、米マイクロソフト社、米サン・マイクロシステムズ社、ブリティッシュ・テレコム社、Telewest Communicationsのそれぞれと合弁会社を設立したとしている。また同社のベンチャーキャピタル担当部門、アクセンチュア・テクノロジー・ベンチャーズはソフトバンク・イーコマース(株)と共同で、海外IT関連企業の日本進出をサポートするソフトバンク・イーエントリー(株)を2000年4月に設立している。
アクセンチュアは今後、先に挙げた戦略の早期実現を目指すほか、株式の一部を公開(部分IPO)することも検討しているという。日本市場では、同社日本代表の森正勝氏のもとで、3年後に売り上げ10億ドル(約1180億円)に拡大することを目指す。これを実現するため、基幹産業におけるリーダーシップの確立、IT/デジタル時代におけるニューエコノミーを育成・創造していきたいという。日本における事業拡大のため、積極的に優秀な人材の採用を行なっていくことも明らかにした。
フォーハンド氏は景気の先行きが不安視されているにもかかわらず、日本についてまだまだしばらくは米国に次ぐ第2の市場であるとし、重要視していくという。
アクセンチュア日本代表の森正勝氏 |
なお、日本での売り上げ目標について、日本代表の森正勝氏は「アクセンチュア全体における、現在の日本の売り上げは現在4%弱だが、これを世界のIT市場(金額ベース)に占める日本市場の割合である約14%にまで高めたい。現在アクセンチュアは日本において毎年15~20%の伸びを示しているがこれをもう少し上積みすることで、3年後に10億ドルという目標もアグレッシブではあるが不可能ではない」と自身のほどを見せた。