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アクセンチュア、“ビジネス・トランスフォーメーション・アウトソーシング”を日本市場に展開すると発表

2002年01月18日 18時43分更新

文● 編集部 田口敏之

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アクセンチュア(株)は17日、2001年の業務実績と2002年の事業戦略についての説明会を開催し、米アクセンチュア社が欧米で提供しているアウトソーシングサービス“ビジネス・トランスフォーメーション・アウトソーシング(BTO)”を、日本市場に展開していくと発表した。

同社代表取締役の森正勝氏
同社代表取締役の森正勝氏

説明会では、まず2001年の同社の業務実績について、代表取締役の森正勝氏が発表を行なった。米アクセンチュアは2001年7月、ニューヨーク株式市場に上場した。当初14.5ドル(約1800円)だった株価は、発表会の時点で26ドル(約3200円)に成長している。また、これまでコンサルティングビジネスで培ってきたノウハウや人材を外に向け、他社との協業によってビジネスを興し始めているという。アクセンチュアが日本市場で行なっている具体例としては、(株)東芝と日本オラクル(株)との合弁による企業の設立や、(株)メンバーズへの出資と戦略的提携、電子政府向け事業に向けたマイクロソフトとの協業などがある。森氏は「必ずしもうまくはいかないが、この1年の間ネットワークカンパニーを目指して、資金や人材を出してきた。積極的にこういうことをやっていきたい」としている。

同氏は2002年の施策についても説明を行ない、アウトソーシングサービス“ビジネス・トランスフォーメーション・アウトソーシング(BTO)”を日本市場で展開すると発表した。また、力を入れていく産業としては、通信、ハイテク、医薬、自動車、電力・ガス、金融、官公庁を挙げた。特に通信分野はモバイル産業に重点を置き、モバイルコマースなども行なっていくという。

企業価値の向上を図る包括的なアウトソーシングサービス“BTO”

BTOは、同社が日本を含むグローバル市場において、経営コンサルティング事業やSI事業などにより、これまで培ってきた業務ノウハウを利用して、企業の戦略や業務コンサルティングからSI、運用までを包括するアウトソーシングを行なうもの。顧客企業の、全体業績および価値を短期間で向上させるのが目的だという。欧米では1991年からサービスを行なっている。

同社コーポレート・デベロップメント担当パートナーの大上二三雄氏
同社コーポレート・デベロップメント担当パートナーの大上二三雄氏

説明を行なった同社コーポレート・デベロップメント担当パートナーの大上二三雄氏は、「アウトソーシングというと、コールセンターなど単機能にコミットメントして、コスト削減を図るものが多かったと思う。クレームがたくさんあるならば、コールセンターのビジネスとしてはもうかるだろう。しかしビジネスの課題は、いかに少ない労力で顧客満足度を高めるかにある。我々がBTOによって行なうのは、そもそもクレームが出なくなるような仕組みを作ることだ」と述べている。

BTOの実例としては、英国第2位の小売業者である英Sainsbury社を挙げている。Sainsburyは、収益が過去3年間で40%減少していた2000年に、米アクセンチュアにBTOサービスを依頼した。7年間で約700億の負担削減を達成するため、Sainsburyは800人のIT要員を、米アクセンチュアと共同で設立した改革実行会社に転籍させた。ここで、経営戦略の見直し、業務プロセスの再構築、情報処理運用の効率化について検討し、さらに必要となる資金を、プロジェクトファイナンス手法を用い手銀行を通じて市場から調達した。これによって、改革のための資金負担を平準化するとともに、リスクを分散でき、改革を実行しながら今に至るという。

同社が提供するアウトソーシングサービスの概略図。4つのレイヤーに分かれ、ピラミッド型を描く
同社が提供するアウトソーシングサービスの概略図。4つのレイヤーに分かれ、ピラミッド型を描く

大上氏は、「なぜコンサルティング会社がアウトソーシングをやるのかとよく言われるが、アウトソーシングは10年来ずっと行なっており、21の業界に225の顧客がある。日本でも1996年からサービスを開始し、現在もアサヒビール(株)をはじめとして、5社にサービスを提供している」と語った。同社では、提供する総合的なアウトソーシングサービスを、4つのレイヤーに分けて考えている。前述の“BTO”、“ビジネス・プロセス”、“アプリケーション・メンテナンス”、“システム運用”の4つで、戦略的な“BTO”から戦術的な“システム運用”まで、順に上層から下層に配置される。“システム運用”は単機能的でサポートする裾野が広いため、図にするとピラミッド型になる。大上氏によれば「当初“システム運用”などで契約を交わした企業も、やがてサポートの範囲を拡大して上層のサービスに移り、再契約を交わすことが多い」という。

日本でBTOサービスを展開してゆくために、同社のジョイントベンチャービジネスを行なう部門や、ソリューションオペレーションを行なう部門などから、人材を投入していくという。また自社の人材だけでなく、システム開発会社やパートナー企業と連携して積極的に人材交流を行ない、長期的かつ大規模なアウトソーシングへの取り組みを可能にしていくという。

森氏はこの取り組みについて、「今まで行なってきたコンサルティングは、成功してもしなくても報酬はもらうというビジネスモデルだった。BTOでは最初に期間と達成額を定めて、経営者と悩みを分かち合いながら戦略課題の解決に取り組み、期間中に目標以上の成果が上がったらボーナスになるというような、サクセスシェアリングするビジネスをやっていきたい」と述べた。

同社ではBTOによる売り上げを、今後3年間で1000億円と見込んでいる。

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