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1台のPCの中で複数のPCを動作―VMwareのサーバ版が登場

2000年12月12日 00時07分更新

文● 編集部

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米VMwareと(株)ネットワールドは、PC上に仮想マシン環境を提供する「VMware」のサーバ版を発表した。

VMwareの動作画面
これはクライアントバージョンの「VMware for Windows NT & Windows 2000 2.0」。Windows 2000上に2台のVMを起動し、Windows 98とRed Hat Linux 6.2を動作させている。
Diane Greene氏写真米VMware 社長兼CEO Diane Greene氏。VMware GSX Serverによって、PCサーバはメインフレーム並みの機能を得たという。

VMwareは、1台のPC上で複数の仮想的なPC=Virtual Machine(VM)を運用することのできるソフトウェア。たとえば1台のWindows 2000マシン上で複数のVMを起動し、それぞれのVM上でWindows Me、Linux、Windows 98を同時に動作させることができる。

VMwareの構造は、

  • 実際のハードウェア上にWindowsなりLinuxなりがインストールされる
  • その上にアプリケーションとしてVMwareがインストールされる
  • VMwareが作り出す仮想のPC=VM上に、さまざまなOSがインストールされる

といった構造だ。VMwareが動作するベースとなるOSのことを「ホストOS」、VM上で動作するOSを「ゲストOS」と呼ぶ。上記の場合では、Windows 2000がホストOSで、Windows MeやLinux、Windows 98がホストOSとなるわけだ。

VMは、ホストOSから見ればただのアプリケーションだし、ゲストOS側から見れば本物のハードウェアとして映る。VMそのものは、機能的には1個のPCなので、ネットワークカードも装備していれば、ビデオカードも持っている。当然のことながらBIOSもある。これらはすべてホストOS上で“Virtual”に実現されている。そして、当然ではあるが、複数のVMは互いに通信することもできる。パフォーマンス的な限界が許せばの話だが、1台のハードウェア上に100台のVMを起動して、お互いにやり取りさせることも可能である(当然現実ではハードウェアリソースの問題などがあるが)。

ゲストOSが使用するディスク領域は、ホストOSが管理するディスクの中の巨大な1ファイルとして存在する。だから、通常のファイルと同じく、ゲストOSの環境そのものを保存/コピーしたり、移動することも可能だ。そして、ゲストOSはただの1つのファイルに過ぎないので、ホストOS上にコピーしてしまえば、まったく同じ環境として使用できる。環境を丸ごとバックアップしたり、移動することがまったく簡単に行なえるわけだ。

これらの特徴は、現在販売されているクライアント向けの製品「VMware Workstation 2.0」も含め、VMware全体に当てはまる。では、サーバ版のVMwareはクライアント向けの製品とどう違うのだろうか? 次項では製品ラインナップと共に、WorkstationとServerの違いを解説する。

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