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ソニー、ワイヤレスでビデオやインターネットを楽しめるテレビ“エアボード”を発売

2000年09月28日 21時54分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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ソニー(株)は28日、パーソナルITテレビ“エアボード”『IDT-LF1』を12月1日に発売すると発表した。

エアボードは、タッチパネル方式の10.4型液晶パネル(透過型TFT、800×600ピクセル)を搭載したモニターと、テレビやインターネット機能、電子メール機能などを備えた“ベースステーション”で構成されるパーソナルITテレビ。

家中どこでもテレビやビデオ、インターネットがワイヤレスで楽しめるパーソナルITテレビ“エアボード”『IDT-LF1』。モニター(写真上)とベースステーション(写真下)で構成されている

ワイヤレスでテレビ、ビデオ、インターネットを楽しめる

モニターとベースステーション間の通信はワイヤレス方式(無線通信変調方式:IEEE802.11b準拠)で、テレビやビデオなどの映像はMPEG-2で圧縮してベースステーションからモニターへ伝送する。これにより、モニターを持っていれば家中のどこからでもテレビやインターネットを楽しめるという。無線通信距離は屋内で30m。

また、ビデオなどAV機器の操作が行なえる機能を搭載。ベースステーションの外部入力端子に市販のビデオデッキやデジタルCSチューナー、DVDプレーヤーなどを接続すると、モニター上のリモコン画面でこれらのAV機器を操作できる。例えば、1階リビングにあるビデオデッキとベースステーションを接続し、2階のモニターでビデオを再生して楽しむといったことが可能。

56kbpsモデム(V.90準拠)を内蔵しており、家庭の電話回線をベースステーションに接続すれば、専用のウェブブラウザーを利用してホームページの閲覧や電子メールの送受信が行なえる。インターネット接続設定はユーザー側で行なえるが、初心者ユーザー向けにワンタッチで自動的に設定を行ない、インターネットに接続できる機能も用意するという。その際利用するプロバイダーについては後日発表するという。

テレビ画面やメール画面などの画面の切り替えはモニター上のインデックス画面でワンタッチで行なえる。また、2つのメディアを同時に表示でき、ホームページを閲覧中に、画面右下の子画面でテレビやビデオを観ることが可能。

モニター部にメモリースティックスロットを搭載

モニターにはメモリースティックスロット×1が装備されており、デジタルカメラなどで撮影した画像をメモリースティックを利用してモニター画面上に取り込める“電子アルバム”機能を搭載する。画像は全画面表示とサムネイル表示が可能。

モニター右部分に画面操作用のボタンがあり、その側面にメモリースティックスロットが装備されている

また、メモリースティックに個人のメールデータやインターネットデータを保存できるため、自分専用のメール環境/インターネット環境で楽しめる。メモリースティック内の画像をメールに貼り付けて送信することも可能。

文字入力は、画面上のソフトキーボードを利用するか、外部のキーボードを接続して行なう。ソフトキーボードは同社独自の予測機能を搭載しており、入力した文字から次に続く単語/フレーズをソフトが予測し、リスト化して表示するため、入力操作の手間が減るという。例えば、“わ”と入力するとリストに“私”、“あ”と入力すると“ありがとう”といった語句がリストに表示される。また学習機能も備えているため、よく利用する単語を優先してリストに表示するようになるという。

TV受信方式はNTSC方式で、TV受信チャンネルはVHFが1~12ch、UHFが13~62ch。ベースステーションの入出力端子はアンテナ端子、ビデオ入力、モデム用モジュラージャック、AVマウス出力。モニターの入出力端子はメモリースティックスロット、ヘッドホン端子、キーボード端子。

メモリーは、ベースステーションが8MBのRAMと16MBのROM、モニターは16MBのRAMと32MBのROMを搭載する。モニター画面上のウェブブラウザーや電子メールなどのアプリケーションはすべてモニター側のメモリーに内蔵されている。ベースステーション側のメモリーは今後の機能拡張を見据えて搭載したものだという。

電源はACアダプターまたはモニター用リチウムイオンバッテリー。リチウムイオンバッテリー利用時のモニターの連続駆動時間は1時間。別売の3時間用バッテリー(1万5000円)も用意されている。

ベースステーションのサイズは幅23.9×奥行き14.8×高さ12cm、重量は1kg。モニターのサイズは幅32×奥行き3.9×高さ20.4cm、重量は1.5kg。価格はオープンプライスで、推定小売価格は13万円前後。

モニターは片手で持つには少々重い。ベースステーションに立てかけてテレビを観たり、モニター単体を寝室に運んで寝転んでメールを楽しんだりといった使い道が妥当か
モニター背面にはスタンドも装備されている
ベースステーション背面

サッカー中継を観ながらトイレに行けます

本日都内で行なわれた発表会で、ソニーマーケティング(株)デジタルイメージングマーケティング本部の本部長である永井源一郎氏は、「エアボードは、AVとITを家電感覚で使いこなす新しいコンセプトの製品。インターネットが急速に普及する反面、デジタルデバイド(情報格差)が問題となっている。エアボードはPCを使ったことのないユーザーでも手軽にインターネットを楽しめる製品。1台でテレビ、ビデオ、インターネットが楽しめるし、家中のどこからでも情報にアクセスできる。家電感覚の操作性を実現するためタッチパネル方式の液晶を採用した。この製品をブロードバンド時代に向けたゲートウェイの1つとして位置づけ、ハードウェアやシステムの拡張を図っていく。エアボードを利用した新しいネットワークサービスも検討していく」と説明。

将来的には、ADSL、CATV、BS/CS放送にベースステーションを対応させ、デジタルカメラやプリンター、オーディオ機器、STBなどとも接続できるようにし、ブロードバンド時代のホームモバイルワールドを広げていくとしている。

ソニーマーケティングの永井氏
発表会場では、エアボード紹介ビデオが流され、エアボードを利用した新たなライフスタイルの提案がなされた。中には“トイレでサッカー中継を観る”、“屋根の上でDVDタイトルを観る”といったユニークな利用方法も示された。ただし防水加工は施されていないので、お風呂には持ち込まないように

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