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【Lotusphere99 Vol.1】注目は『Notes R5』 AOLとも世界レベルで提携

1999年01月19日 00時00分更新

文● アスキーNT編集部 吉川大郎

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ロータスを含めた、参加企業の製品展示会場入り口。地味に見えるかもしれないが、実はディズニーワールド全体が“Lotusphere99”会場のようなもので、ここはその一角に過ぎない
ロータスを含めた、参加企業の製品展示会場入り口。地味に見えるかもしれないが、実はディズニーワールド全体が“Lotusphere99”会場のようなもので、ここはその一角に過ぎない



 17日~21日(現地時間)、米国フロリダ州Orlandにて、ソフトウェアデベロッパー大手である米ロータス・ディベロップメント社のプライベートショー“Lotusphere99”が開催されている。主催はロータスで、主なスポンサーは米コンパック・コンピュータ社、米EDS社、米Lawson Software社、米サン・マイクロシステムズ社となっている。来場者数は約1万人、ビジネスパートナーの参加数は200社となった。本日18日は、ロータスやパートナー企業による製品展示はもちろん、キーマンによるゼネラルセッションやプレスブリーフィング、一般向けのカンファレンスが行なわれた。

目玉は『Notes R5』

製品展示会場全景。コラボレーションを意識してか“和”の文字が。スポンサー企業はもちろんのこと、パートナー企業がワイアレス製品や『Domino』をカスタマイズしたウェブグループウェアなどを展示していた
製品展示会場全景。コラボレーションを意識してか“和”の文字が。スポンサー企業はもちろんのこと、パートナー企業がワイアレス製品や『Domino』をカスタマイズしたウェブグループウェアなどを展示していた



 今年の目玉はなんといっても『ロータス ドミノ サーバー』(インターネットアプリケーションサーバー)と『ロータス ノーツ』の(インターネット総合クライアント)の次期バージョンである『Notes R5』。今までの『ノーツ』は、サーバーとクライアントとの組み合わせで、1つのシステムとして動作する性格が強かった。しかし、『Notes R5』からは、サーバー=『ドミノ』はインターネットアプリケーションサーバーとして、クライアント=『ノーツ』となり、インターネット統合クライアントとして、完全に独立した形で進化している。とはいえ、検索などの面で両方連携して運用した場合はさらなるアドバンテージも用意されているものだ。

米IBM社の展示も当然多かった。『Domino/Notes R5』は、IBMの推進するeBusinessの中でも中心的な位置を占める。写真は『AS/400』のコマンドを『Domino』からJavaエージェントを経由して操作するもの。『AS/400』ベースの『Domino』は、ヨーロッパ市場でもっとも高い伸び率を示しているという米IBM社の展示も当然多かった。『Domino/Notes R5』は、IBMの推進するeBusinessの中でも中心的な位置を占める。写真は『AS/400』のコマンドを『Domino』からJavaエージェントを経由して操作するもの。『AS/400』ベースの『Domino』は、ヨーロッパ市場でもっとも高い伸び率を示しているという



 キーノートセッションや会場の展示など、そのほとんどが『Notes R5』に関係するものであった。参加パートナー企業200社中、75社が『Notes R5 ready』の新製品を擁している。なお、『Notes R5』のリリースは'99年2月。日本ではその30日以内の予定だ。

『Notes R5』の機能を使ってAOLのサービスを

 本日1番大きな発表は、米アメリカオンライン(以下AOL)との提携話が出たことだろう。これは前述した『ノーツ』(クライアント)の新しいバージョンである『Notes R5』を使ってAOLにアクセスすると、AOLのウェブ検索機能、カスタマイズニュースサービス、インスタントメッセンジャー機能を、『Notes R5』の機能と統合した形で利用できるというもの。

 『Notes R5』はインターネットメール、ウェブブラウザー、ニュースリーダー、カレンダー、Todoといった、インターネットメッセージングとPIMを統合したような存在になる。そうした存在の象徴的な機能の1つとして“Headline”と呼ばれる機能を有している。これは、ユーザー個々にカスタマイズされたスタートページのようなもので、個人のその日の予定から、重要なメール、気になるインターネット上の情報などが集約して表示される。つまり、個人にカスタマイズされたポータルを作ってくれる機能というわけだ。

 このポータルとしての情報に、AOLのウェブコンテンツ、たとえばロイターやCNN、WallStreetJounal、CBS NEWSなどの中から、興味のある情報だけを“Headline”に表示したり、AOLのイエローページやホワイトページに『Notes R5』からアクセスすることができる。

 また、AOLのインスタントメッセンジャー機能も『Notes R5』から利用可能だ。この提携は世界規模であり、当然日本も含まれてはいるが、国内での具体的な動きはこれからとのこと。ロータスの日本法人がこれまで手がけていた、『ノーツ』の機能(4.xシリーズ)を使った個人ユーザー向けインターネットサービスもあったが、AOLなどの大手ISPが提携し、大々的に行なうのは初めて。

スポンサー企業の1つ、米サン・マイクロシステムズ社のブース。ウェブアプリケーションサーバーということで『Domino』にもJavaのテクノロジーが含まれているが、ロータスの擁するJavaアプレット群『eSuite』のデモもあった
スポンサー企業の1つ、米サン・マイクロシステムズ社のブース。ウェブアプリケーションサーバーということで『Domino』にもJavaのテクノロジーが含まれているが、ロータスの擁するJavaアプレット群『eSuite』のデモもあった



米BellSouth Wireless Data社の『Wireless Domino Access』。同社のインフラサービス“ページャー機能”と『Domino』を組み合わせたもの。“ページャー機能”には、『Lotus Wireless Domino Access』のHDML(Handheld Device Markup Language)により、情報が送り出される。ページャーにはマイクロブラウザが組み込まれ、情報を表示することが可能米BellSouth Wireless Data社の『Wireless Domino Access』。同社のインフラサービス“ページャー機能”と『Domino』を組み合わせたもの。“ページャー機能”には、『Lotus Wireless Domino Access』のHDML(Handheld Device Markup Language)により、情報が送り出される。ページャーにはマイクロブラウザが組み込まれ、情報を表示することが可能



 『Notes R5β2』発表時に、「ISPやイントラネットのクライアントとして使えば、ユーザーにカスタマイズしたポータルを提供できる」とロータスのNotes & Domino Product Management Vice PresidentであるCliff Reeves氏がコメントしたこともあり、それが実現した形となった。まだ数字は出ていないが、『ノーツパーソナル』(4.6)のパッケージは'98年Q3、Q4に急激な出荷伸び数を記録したとのことで、このAOLとの提携によるサービスが国内でも実施されれば、『Notes R5』の個人向けパッケージ出荷数に大きく影響しそうだ(『Notes R5』の個人向けパッケージ出荷時期は未定)。

 なお、このイベントの詳細は2月24日発売のアスキーNT4月号(定価1280円)に掲載される予定。

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