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【COMDEX/Fall'98】非Wintel陣営のCPU、OSメーカーの動向を探る

1998年11月20日 00時00分更新

文● 報道局 佐藤和彦

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 米ネバダ州ラスベガスで開催中の“COMDEX/Fall'98”。非Wintel陣営のCPU、OSメーカーの動向について、ブースやデモンストレーションの情報などを中心にレポートする。

米AMD社、次期K6とK7のデモンストレーションを実施

 米AMD社は、同社のK6-2の後継CPUとなるコードネーム“Sharptooth(シャープトゥース)”と、次世代CPUとなるK7のデモンストレーションを行なった。

 “Sharptooth”のデモでは、400MHzの製品とPentium II-450MHzを比較。CPU以外は、まったく同じ条件でWinBenchを動作させた。同時にスタートさせたベンチマークの終了時間は、Pentium IIが約15秒遅れ、約5~8パーセント“Sharptooth”のほうが処理能力が高い、と同社では説明している。発売は'99年第1四半期を予定。

K6-2の弱点だった浮動小数点演算処理の能力を向上。3DCGの描画もスムーズに
K6-2の弱点だった浮動小数点演算処理の能力を向上。3DCGの描画もスムーズに



 また、K7のデモでは、500MHzの製品が登場。WinBenchのほか、ゲームソフト『Viper Racing』や、DVDソフトの再生を行なった。WinBenchは途中でやめてしまったため、時間などの測定はできないが、処理速度は“Sharptooth”のそれをかなり上回っていたようだ。マザーボードは、台湾のVIA Technologies社の製品を使用していた。

同社独自の規格SlotAを採用している
同社独自の規格SlotAを採用している



台湾のVIA Technologies社製マザーボード
台湾のVIA Technologies社製マザーボード



 なお、同社の広報担当者によると、「インテル互換CPUは使用しない」と公言している米デルコンピュータ社のマイケル・デル社長兼CEOも、K7のデモを見にきていたという。

米Rise technology社、x86互換CPU『mP6』を展示

mP6-266MHz
mP6-266MHz



 米Rise Technology社が、同社初のx86互換CPU『mP6』を展示していた。『mP6』には、266MHz、233MHz、166MHzの3つの製品がある。MMX命令を同時に3つまで処理できるため、266MHz版でもソフトDVDの再生が可能という。同社のブースは、ラスベガス・ヒルトン・ホテル内の小さなスペースだったが、日本のメディアも含め多くのプレス関係者がひっきりなしに出入りしていた。

ソフトDVDの再生が可能
ソフトDVDの再生が可能



米サイリックス、携帯型Web用端末『WebPAD』を展示

Webの閲覧のほか、電子メールの送受信も行なえるWebの閲覧のほか、電子メールの送受信も行なえる



 米サイリックス社は、コンシューマー向けの、携帯型Web用端末『WebPAD』を展示していた。CPUはMediaGXを搭載。V.90、ISDN、xDSL、ケーブルモデムのいずれにも対応している。サイズは、幅215×奥行き278×高さ44mm、重さ約1.36kg。OEM供給を予定しており、予想店頭価格は575ドル(約6万9000円)で、'99年のクリスマスには299ドル(約3万6000円)まで下がるとの見通しを示している。

操作はタッチペンで行なう
操作はタッチペンで行なう



 このほか、同社は、CPU関連では特に目新しいものはなかったが、ノートパソコンの展示や、体感型のゲームマシンの展示を行なっていた。

MediaGXを搭載した台湾のPalmax Technology社のLibrettoに似たノートPC。タッチパネルを採用している
MediaGXを搭載した台湾のPalmax Technology社のLibrettoに似たノートPC。タッチパネルを採用している



ゲームの展開にあわせて椅子が前後左右に移動する体感型ゲームマシン
ゲームの展開にあわせて椅子が前後左右に移動する体感型ゲームマシン



WinChipの米IDT社は?

 米Integrated Device Technology(IDT)社は、商談ルームを設置していただけ。こっそりのぞいてみたが、2~3台のパソコンが置かれていただけで誰もいなかった。

米Integrated Device Technology社の商談ルーム
米Integrated Device Technology社の商談ルーム



Linuxパビリオンでは各社が展示

 メイン会場であるラスベガス・コンベンションセンターから少し離れた場所にある“Sands Expo & Convention Center”では、Linuxメーカー各社が集結し、“Linuxパビリオン”を開設していた。

おなじみのペンギン
おなじみのペンギン



“We replace NT with Reliability!”“We replace NT with Reliability!”



ご存じレッドハット
ご存じレッドハット



Be社は、プレスカンファレンスを開催

Be社のブースも注目のまと
Be社のブースも注目のまと



 Be社のブースもSands Expo & Convention Center内に設置されていた。日立製作所(株)が先ごろ発表した『FLORA Prius 330J BeOS搭載モデル』も展示され、大いに注目を集めていた。また同社は、18日(現地時間)午後、メイン会場のプレスルームでプレスカンファレンスを開催した。

Be社会長兼CEOのJean-Louis Gassee氏
Be社会長兼CEOのJean-Louis Gassee氏



 Jean-Louis Gassee(ジャン・ルイ・ガセー)同社会長兼CEOは、日立の『FLORA Prius 330J BeOS搭載モデル』が、好評を博したことに非常に機嫌をよくしていた。そして、日立や、BeOS対応アプリケーションを開発するソフトメーカーなどの関係者の名前を次々に呼んで、感謝の意を表明した。

Pat Gelsinger米インテル社デスクトップ・プロダクツ・グループ上級副社長
Pat Gelsinger米インテル社デスクトップ・プロダクツ・グループ上級副社長



 続いて、Pat Gelsinger(パット・ゲルシンガー)米インテル社デスクトップ・プロダクツ・グループ上級副社長が演壇に立ち、「Beとインテルは今後も強力な友好関係を築いていく」とコメントした。なお、米インテル社がBe社に出資をすることについては、すでに先週、一部米紙が報道しているが、米インテルの側から公式な見解が発表されたのは、今回が初めてのことという。

 また、日立以外のBeOS搭載パソコンを発売するメーカーに関しては、現時点では未定としている。

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