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日本シスコシステムズ、黒澤新社長の就任記者会見を行なう

1998年11月18日 00時00分更新

文● 報道局 中山実

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 11月1日付けで日本シスコシステムズ(株)の代表取締役社長に就任した黒澤保樹氏が、新社長就任記者会見を行なった。

日本シスコシステムズの新社長に就任した黒澤保樹氏日本シスコシステムズの新社長に就任した黒澤保樹氏



 同氏は、'52年生まれ。'73年に横河・ヒューレット・パッカード(株)(現日本ヒューレット・パッカード(株))に入社。'82年からは米ヒューレット・パッカード社のネットワーク・コンサルタントとしてコンピューター・ネットワークの設計および技術サポート業務に従事。'84年に帰国後は日本ヒューレット・パッカードのコンピュータシステム事業本部 マーケティング本部長、同事業本部 テレコムシステム営業本部長、エンタープライズ事業統括本部長を歴任し、'97年から同社取締役を勤めていた。その後、'98年10月に日本シスコシステムズに入社し、11月1日付けで、同社代表取締役社長に就任した。

 黒澤氏はまず、日本での設備投資におけるIT(Information Technology)の割合が「22パーセントと米国の約半分」と語り、「インターネットでビジネスを行なうには、ベースになるインフラの整備が遅れている」とインフラ整備の遅れを指摘した。そして、「自分にできることがあればと思い(社長就任を)引き受けた」と就任の経緯を語った。

 日本シスコシステムズは今後、ルーターなどの製品販売に加え、さまざまなサービスを提供するという。それらには、各種のサポートなども含めたEnd-to-Endのソリューションの提供、IT投資の重要性について企業のトップに対する啓蒙活動、キャリアー相手のビジネス、社員による直接的なマーケティング活動、サポート体制の強化、技術者育成の支援などがあるという。なお、販売は従来通りビジネスパートナーによる間接販売の形をとるという。

 同氏は、「特に、データや音声などを送るIP(Internet Protocol)のインフラ整備に力をいれたい」を語るとともに、シスコシステムズのワールドワイドにおける売り上げのうち日本市場が占める割合を、現在の5パーセントから「数年後には10パーセントにしたい」と意気込みを語った。

米シスコシステムズ社ワールドワイド・オペレーション 執行副社長のゲリー・デイシェント氏 米シスコシステムズ社ワールドワイド・オペレーション 執行副社長のゲリー・デイシェント氏



 会見に同席した、米シスコシステムズ社のワールドワイド・オペレーション 執行副社長Gary Daichendt(ゲリー・デイシェント)氏は、金額こそ明らかにしなかったものの「今までは少なかったが、これからは、みなさんの目につく額の投資を日本に対して行なう」と、黒澤社長をバックアップしていく方針を語った。

日本シスコシステムズ代表取締役会長に就任した前社長の松本孝利氏 日本シスコシステムズ代表取締役会長に就任した前社長の松本孝利氏



 また、日本シスコシステムズ代表取締役会長に就任した前社長の松本孝利氏は、行動や決断には「スピードが重要」であり、黒澤氏について「私よりもアグレッシブ」と評価した。なお、社長交代については、自己の体力面の不安を理由に挙げた。今後は、日々の業務は黒澤社長に任し、自身は「シスコの戦略的な活動とITに対する投資の重要性を啓蒙していく」という。

 ITへの投資は、シスコシステムズの利益に結びつくわけだが、松本氏は「儲けたいという思いもあるが、インターネットは第3次産業革命であり、インフラが整備されるのを2~3年も待っていたら日本が危ない」と社会全体への影響を強調した。

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