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富士写真フイルム、レンズ交換式一眼レフデジタルカメラ『FinePix S1 Pro』発表――記録画素数は600万、ニコンFマウント採用

2000年05月18日 00時00分更新

文● 編集部 小林伸也

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富士写真フイルム(株)は18日、レンズ交換式の一眼レフデジタルカメラ『FinePix S1 Pro』を発表した。ほぼAPSフイルムサイズの340万画素『スーパーCCDハニカム』を搭載し、記録画素は最大613万画素を実現。レンズマウントは『ニコンFマウント』を採用し、(株)ニコンの一眼レフカメラ用レンズを交換レンズとして使用できる点が特徴となっている。発売は7月8日、価格は37万5000円。キヤノン(株)がEOSマウント搭載の一眼レフデジタルカメラを同じ価格帯で発表したばかり。“普及価格”の2機種が登場したことでレンズ交換式デジタルカメラ市場が一気に熱くなりそうだ。

『FinePix S1 Pro』
『FinePix S1 Pro』



FinePix S1 Proは、フォーカルプレーンシャッター式一眼レフデジタルカメラ。ボディーはニコンの35mm一眼レフカメラ『ニコンF60D PANORAMA』をベースにした。ニコンの一眼レフカメラ『ニコンD1』がプロ用一眼レフ『ニコンF5』をベースにしたのに対し、「プロだけでなく、アマチュアも含む幅広いユーザーが使えるような低価格のカメラ」(富士写真フイルム)を目指したため、初心者向け機種のF60を選んだという。

撮像素子は同社独自のCCDであるスーパーCCDハニカムを『FinePix 4700Z』に続いて採用した。サイズは23.3×15.6mmとほぼAPSフイルムのCサイズ。原色フィルターを採用している。実画素数は340万画素だが、同社独自の“ハニカム信号処理”により、記録画素数は最大3040×2016ピクセルと613万画素に達しているという。アスペクト比はフイルムと同じ3:2。感度も向上しており、標準でISO320相当、最高でISO1600相当まで設定できる。

レンズマウントはニコンFマウントを採用し、ニッコールレンズを始めとした同マウント用交換レンズが利用できる。ただしニコンの超音波モーター内蔵型AFレンズ『AF-Sニッコール』と旧タイプのモーター内蔵AFレンズ『AF-Iニッコール』シリーズを装着した場合はオートフォーカス機構が作動しない。ファインダー内の合焦表示を利用したフォーカスエイドは利用でき、マニュアルでピント合わせをすることになる。

もともとF60D自体がAF-Sに対応していないためだが、S1がターゲットとするプロやハイアマチュアにはAF-Sのオーナーも多いため、使用には注意が必要。さらに『Ai-Sニッコール』などのマニュアルレンズは、フォーカスエイドは利用できるものの露出計が作動しない。またCCDがAPSサイズのため、焦点距離はレンズ表記から約1.5倍ほどテレ側になる。

適度な重さ(バッテリーなど込みで約1kg)のため、大きめのレンズを付けてもバランスは良さそうだ
適度な重さ(バッテリーなど込みで約1kg)のため、大きめのレンズを付けてもバランスは良さそうだ



オートフォーカスはTTL位相差検出方式(AF補助光投射モジュール内蔵)で、視野中央の1点測距。測光は距離エンコーダー内蔵の『DタイプAFニッコール』では被写体までの距離を加味した“3D-6分割マルチパターン測光”が行なえる。それ以外のAFレンズでは6分割マルチパターン測光、露出モードがマニュアルの際は中央部重点測光のみとなる。

シャッタースピードは30秒から1/2000秒で、シンクロ速度は1/125秒。デジタルカメラとしては珍しい多重露光も可能になっている。露出モードはプログラム/シャッター優先/絞り優先の各AEとマニュアル、さらに“ポートレート”“夜景”など被写体に合わせて自動設定を行なう“イメージプログラム”を搭載している。これらのモードはファインダー左のダイヤルで選択できる。露出補正は1/3ステップで+/-3EVまで。デジタルカメラならではの機能として、色の濃さや階調特性、シャープネスをそれぞれ設定することも可能となっている。

画像ファイル形式はJPEGとTIFF-RGB/YC。記録画素数は3040×2016ピクセルのほか、2304×1536ピクセル、1440×960ピクセルの計3種類から選択する。撮影間隔は約0.7秒としており、連写は毎秒1.5コマ。

ボディーにはスマートメディアスロットとコンパクトフラッシュType II対応スロットの2スロットを装備。2スロットを同時に使用でき、日本アイ・ビー・エム(株)のマイクロドライブにも対応した。64MBのスマートメディア、3040×2016ピクセル時の記録枚数は、TIFF-RGBで約3枚、TIFF-YCで約5枚、JPEGの“Fine”が約26枚、“Normal”で約55枚、“Basic”で約159枚としている。

S1 Proの背面。液晶ディスプレー上のドットマトリクス液晶ディスプレーはオレンジ色のバックライト付き
S1 Proの背面。液晶ディスプレー上のドットマトリクス液晶ディスプレーはオレンジ色のバックライト付き



ディスプレーは2インチ低温ポリシリコンTFT液晶ディスプレーで、撮影画像の再生時にヒストグラムやカラー/グレースケールを表示できる。また液晶ディスプレーの上部にドットマトリクス液晶ディスプレーを設け、各種設定状態を表示する。

内蔵ストロボはポップアップ式でガイドナンバーは15、28mmレンズの画角をカバーする。ホットシューにはニコン製の外部ストロボを装着して使用できる。インターフェースはビデオ出力端子(NTSC)とUSB端子を装備。オプションのUSBインターフェースセット(2万円)に同梱の専用ケーブルでパソコンと接続できる上、同セットに付属するソフトを利用し、パソコンから撮影を制御することもできる。

電源は単3型電池4本か、CR123A型のリチウム電池を使用できる。アルカリ乾電池を利用した際の記録枚数は最大約600枚、CR123A使用時は最大約1500枚としている。

サイズは幅148.5×高さ125×奥行き79.5mm、重さ約800g(本体のみ)。

「ユーザーに分かりやすい画素表記方法を考えたい」

都内で開かれた新製品発表会では、富士写真フイルム執行役員の飯島正三氏が、「スーパーCCDハニカムの画素表記をめぐり、ユーザーに誤解を与えた部分もあった」などと語り、今後はデジタルカメラ全体の画素表記について、新しい表記基準を策定するよう日本写真機工業会の専門委員会に提案したという。

富士写真フイルム執行役員の飯島正三氏 富士写真フイルム執行役員の飯島正三氏



これには同CCDの画素数表記をめぐる一連の騒ぎが背景にある。FinePix 4700Z発表時、同社は同機種の画素数について“432万画素”と表記していた。ところがこれに対し“画素を補間した結果であり、CCDの本当の画素数を示すべきだ”などと競合メーカーから疑問の声が相次いだ。2月中旬にはドイツでオリンパス光学工業(株)の現地法人が、富士の現地法人を現地裁判所に訴えるに至った。富士はその直後、自社のウェブなどで実際のCCDの画素数を“240万画素”と表記するようになった。

パソコンが搭載CPUの動作クロック次第で売れ行きが変わるのと同様、デジタルカメラでも画素数が大きな訴求要因になっている。CCDの画素数アップに加え、さまざまな画素補間技術が出現している以上、ユーザーに対し分かりやすい表記方法の統一が必要になるだろう。

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