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So-net、PostPet版ポケットボード『PocketPostPet』を発表

2000年04月04日 00時00分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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ソニーコミュニケーションネットワーク(株)(以下:So-net)は、同社の愛玩電子メールソフト『PostPet』を採用した携帯メール端末『PocketPostPet』を発表、4月4日に都内で記者発表会を行なった。

『PocketPostPet』本体概要

PocketPostPetは、メーラー機能にPostPetを採用し、液晶画面とキーボードを装備した携帯メール端末で、いわば『Pocketboard』のPostPet版。製造元はカシオ計算機(株)で、製品は(株)NTTドコモが4月12日に発売する。全国のドコモショップおよび大手家電店舗、(株)ソニー・クリエイティブプロダクツが直営する店舗“m.i.x.!”で販売する。価格は3万5800円(NTTドコモ支店/営業所販売価格)。また、同社ウェブサイト“ポストペットパーク”内のオンラインショッピングサイト“PostPet Products”でのオンライン販売も予定しているという。

『PocketPostPet』。閉じた際の正面。本体デザインは、PostPetの人気キャラクター“モモ”をモチーフにしたもの。マークも彫り込みで凝っている。他のペットバージョンについては、「今のところは考えていないが、発売後の販売状況によっては検討する」(後述のSo-net北村氏)とのこと『PocketPostPet』。閉じた際の正面。本体デザインは、PostPetの人気キャラクター“モモ”をモチーフにしたもの。マークも彫り込みで凝っている。他のペットバージョンについては、「今のところは考えていないが、発売後の販売状況によっては検討する」(後述のSo-net北村氏)とのこと



PocketPostPetは、本体に3.2インチのSTNカラー液晶ディスプレー(320×240ドット/4096色、バックライト付き)と日本語キーボードを装備している。内蔵メモリーは、ROMが16MB、RAMが8MB(ユーザー利用可能エリアは2MB)。通信回線は、NTTドコモのデジタル携帯/自動車電話回線(通信速度9600bps)にのみ対応する。インターフェースは、デジタル携帯電話用コネクター、赤外線通信(最大115kbps、通信距離5~30cm)、マルチメディアカードスロットを備えている。

開いた際の正面。全体的に丸みを帯びたデザインで、キーボード部分も曲線になっている。付属のペンを使って画面上のペットをなでなでできます開いた際の正面。全体的に丸みを帯びたデザインで、キーボード部分も曲線になっている。付属のペンを使って画面上のペットをなでなでできます



操作は、キーボード入力、または付属のペンを使ってタッチパネル入力で行なう。キーボードは、日本語入力キーのほか、“おやつボタン”などペットの世話用のキーを装備する。連続駆動時間は、非通信時で約5時間、通信時で約3時間。電源は内蔵型リチウムイオン充電池。本体サイズは幅153×奥行き94×高さ35mm、重量は315g。なお、OSは非公開という。

本体背面。携帯電話用コネクターは、この背面に収納できる本体背面。携帯電話用コネクターは、この背面に収納できる



ソフトウェア機能

PocketPostPetは、メール機能である“ポケットポストペット”のほか、ウェブブラウザー、カレンダー、電卓、ゲーム電卓、通信対戦ゲームといった機能を搭載する。

メール機能のポケットポストペットは、既存のパソコン用メールソフト『PostPet ver.2.0jp』とほぼ同じで、ペットの種類は8種類。パソコン版と同じく寿命があり、家でもする。ペットがいなくなってしまった場合は、新規ペット設定画面が表示される。画面左側に、ポストペット用アイコンとして“メールを書く”、“受信簿”、“送信簿”、“おともだち帳”が用意されており、ペンでアイコンにタッチすると、それぞれの画面に切り替わる。受信メール/メールとも最大200件まで保存できる。おともだち帳の登録も200件まで可能。プロトコルは、POP3/APOP、SMTPに対応する。

また、ポケットポストペット独自機能として、“おえかきメール”機能を搭載する。ペンで描いたイラストや手書き文字をGIF形式で保存し、そのままメール送信できる。“家”や“街灯”などのおえかき用スタンプが用意されており、簡単な地図も作成できるようになっている。ただし、おえかきメールはペットでは送信できず、ペットを使わず通常のメール送信を行ないたい場合に利用するキャラクター“ポストマン”でのみ送信可能。

ウェブブラウザーは、HTML3.2準拠、フレーム表示、SSL2.0/3.0、JPEG/GIF/BMP画像表示、WAVEファイル再生、Cookieに対応しており、これらに準拠して作成されたホームページは表示可能。ブラウザーの操作は、画面上のファンクションボタンや、キーボード上の専用キーを利用して行なう。ホームページ呼び出し機能“ジャンプ”や、お気に入りのホームページ登録機能“しおり”などを搭載する。

カレンダーは、液晶画面の左側に装備されている方向キーを利用して、年や月を切り替え可能。さまざまな図柄のアイコンが14個用意されており、日付のマスに最大3個まで貼り付けられる。

電卓は、10桁までの四則演算が行なえるほか、割り勘計算ができる“わりかん機能”を搭載する。“わりかんボタン”を押して、合計金額と人数を入力すると、“偉い人は何人いるか”といったことも聞いてくる。偉い人(上司)の人数を入力すると、割り勘計算を行ない、ひとり当たりの金額(偉い人はその倍額)を画面に表示する。

ゲーム電卓は、カシオ計算機が'80年に発売したゲーム『カシオ・ゲーム電卓 MG-880』を再現したミニゲーム。画面右側から迫ってくる“数字”に、左端の“数字”を合わせて撃墜し、ハイスコアを競うゲームで、カシオ計算機から特別許可を得て実装したという。

通信対戦ゲームは、2台のPocketPostPetの赤外線端子を向かい合わせて行なう。ゲームは3種類用意されており、通信するごとにランダムで対戦ゲームが決定する。ゲームの勝敗はペットのパラメーターによって決まる。用意されているゲームは、飼い主の寵愛をどれくらい受けているかをペット同士が自慢しあうゲーム“かわいがられ自慢大会”、よりソウルフルなダンスを踊ったペットが勝者となる“ダンスエクスプレス”、算数のテスト“小テスト地獄変”の3種類。

発表会場で通信対戦ゲームのデモを行なう八谷氏(左:後述)と北村氏(右:後述)
発表会場で通信対戦ゲームのデモを行なう八谷氏(左:後述)と北村氏(右:後述)



So-netにPocketPostPetで新規加入すると特典が

プロバイダーは、どのプロバイダーでも利用可能だが、NTTドコモの“モペラ”かSo-netの“So-net”を利用する場合は、オンラインサインアップ機能を使って自動設定できる。他のプロバイダーを利用する場合は、ユーザー自身での設定が必要。

なお、PocketPostPetでSo-netへ入会したユーザーには、特典として、名前とメールアドレスを印刷したペットのイラスト入りオリジナル名刺、オリジナルシール、ポケットサイズのマニュアル、メンバーズカードをセットにした“ポケットポストペット・オーナーズセット”が提供される。また、アドレスに“pp”(ポケットポストペットの略)が入った専用メールアドレス(例:xxxxx@ppXX.so-net.ne.jp)を取得できるほか、So-net入会金および入会月の月額基本料が無料となる。

発表会場には、八谷氏、北村氏、モモが登場

都内で行なわれた発表会場で、PostPet開発者のひとりであるディレクターの八谷和彦氏(PetWORKs)は、「PocketPostPetは、開発コード“p-tan”として、昨年4月から開発を進めてきたもの。僕らが非常に作りたかった製品で、いろいろな人たちの熱意と愛情が詰まっている」と挨拶。

胸ポケットからPocketPostPetを取り出した八谷氏。PocketPostPetの開発経緯については、「以前、週刊アスキーの“デジタル業界の女たち”というコーナーに真鍋(PostPetのキャラクターデザインを担当した真鍋奈見江氏)が出た後、しばらくしてNTTドコモのPocketboard開発担当の増田智子さんが出たんです。そのとき掲載された増田さんのPocketboardにPostPetのストラップが付いていて、“この人PostPet使ってるよ!”と。それでPostPet版Pocketboardを作りたいねと言っていたら、増田さんとお会いする機会がありまして、交流を重ねた結果、今回形あるものになりました」とのこと。週刊アスキー、こんなところでもお役に立ってます胸ポケットからPocketPostPetを取り出した八谷氏。PocketPostPetの開発経緯については、「以前、週刊アスキーの“デジタル業界の女たち”というコーナーに真鍋(PostPetのキャラクターデザインを担当した真鍋奈見江氏)が出た後、しばらくしてNTTドコモのPocketboard開発担当の増田智子さんが出たんです。そのとき掲載された増田さんのPocketboardにPostPetのストラップが付いていて、“この人PostPet使ってるよ!”と。それでPostPet版Pocketboardを作りたいねと言っていたら、増田さんとお会いする機会がありまして、交流を重ねた結果、今回形あるものになりました」とのこと。週刊アスキー、こんなところでもお役に立ってます



機能概要を説明したSo-netのPostPetプロデューサーである北村道雄氏。「ターゲットは、既存のPostPetユーザーと、PCを持っていないPocketboardユーザーのような人たち。既存ユーザーはおでかけ用として利用できるでしょう。ただし、自分のPCからはペットをPocketPostPetに移動できないですが」とコメント機能概要を説明したSo-netのPostPetプロデューサーである北村道雄氏。「ターゲットは、既存のPostPetユーザーと、PCを持っていないPocketboardユーザーのような人たち。既存ユーザーはおでかけ用として利用できるでしょう。ただし、自分のPCからはペットをPocketPostPetに移動できないですが」とコメント



So-net取締役の小平恵洋氏。「PocketPostPetは、たくさんの人間の情熱が結集したもの。また、ユーザーの愛情、要望からできたものだ。現在“ポストペットパーク”の会員数は46万6000人。ユーザーからは、“いつでもどこでもPostPetを楽しみたい”という要望が強かったが、われわれだけで実現するのは難しかった。今回、NTTドコモさんとカシオ計算機さんとわれわれ3社の提携により、やっと要望に応える製品を発表することができた。われわれが目指すのは、ひとびとをコミュニケーションでつなぐ楽しみを提供すること。今後もいろいろな形のコミュニケーションコンテンツを、ユーザーの要望を取り入れながら開発していく」So-net取締役の小平恵洋氏。「PocketPostPetは、たくさんの人間の情熱が結集したもの。また、ユーザーの愛情、要望からできたものだ。現在“ポストペットパーク”の会員数は46万6000人。ユーザーからは、“いつでもどこでもPostPetを楽しみたい”という要望が強かったが、われわれだけで実現するのは難しかった。今回、NTTドコモさんとカシオ計算機さんとわれわれ3社の提携により、やっと要望に応える製品を発表することができた。われわれが目指すのは、ひとびとをコミュニケーションでつなぐ楽しみを提供すること。今後もいろいろな形のコミュニケーションコンテンツを、ユーザーの要望を取り入れながら開発していく」



ソニー・クリエイティブプロダクツが発売する予定のPocketPostPet専用アクセサリー。左から、PocketPostPet用と携帯電話用のポケットが付いたポシェット、持ち運び用の専用ストラップのロングとショートソニー・クリエイティブプロダクツが発売する予定のPocketPostPet専用アクセサリー。左から、PocketPostPet用と携帯電話用のポケットが付いたポシェット、持ち運び用の専用ストラップのロングとショート



製品パッケージ
製品パッケージ



ハンドヘルドPC『HP Jornada 680』と並べてみた。通常のPocketboardがやや横長なのに比べ、PocketPostPetは横幅が短め
ハンドヘルドPC『HP Jornada 680』と並べてみた。通常のPocketboardがやや横長なのに比べ、PocketPostPetは横幅が短め



発表会場に登場したモモ(本日デビューした“末っ子”とのこと)
発表会場に登場したモモ(本日デビューした“末っ子”とのこと)

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