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マイクロソフト、Office 2000製品の企業向け新機能を発表、個人向けの機能は来年明らかに

1998年12月11日 00時00分更新

文● 報道局 桑本美鈴

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 マイクロソフト(株)は、Office 2000日本語版の概要を説明する“Microsoft Office 2000 Reviewer's Workshop Stage 1”を開催した。Office 2000の3つのキーワード“操作性と作業効率の向上”、“効果的な情報利用と共有”、“TCOの大幅な削減”と共に、企業向けにフォーカスした新機能が発表された。主な機能は以下の通り。

<“操作性と作業効率の向上”に関する機能>

●SDI採用
 Office 2000の各アプリケーションは、MDI(Multiple Document Interface)から変更され、タスクバーを切り替えて複数ドキュメントを扱えるSDI(Single Document Interface)を採用している。

●ユーザーの使用頻度の高いコマンドからメニュー表示
新たに、ユーザーが使用するメニューコマンドを学習、頻度の高いコマンドからメニュー表示し、あまり使われないものはメニューバーから隠す機能が追加されている。

●Officeクリップボード
クリップボードに最大12個までデータを貼り込める機能。例えば、WordにExcelの表を挿入する際、このOfficeクリップボードに複数の表をドラッグして次々に貼り付けた後、Word画面に戻ってクリップボードから表をまとめて取り込むといった操作が行なえる。

<“効果的な情報利用と共有”に関する機能>

●HTML対応の強化
Office文書からHTML文書へ、またHTML文書からOffice文書へスムーズに変換可能

●Office Server Extensions
IIS用の追加モジュール。これを入れると、ローカルのHDDに文書を保存するのと同様の操作で、IIS 4.0に文書を発行でき、Webサーバー上で公開可能。また、公開された文書をブラウザーで見ている側が、文書に“コメント”を付けることが可能で、発行した側もそのコメントを確認できるなど、発行された文書でダイレクトにコミュニケーションが行なえる。

<“TCOの大幅な削減”に関する機能>

●Windowsインストーラ
新しく追加されたインストール技術。各アプリケーションの機能ごとに、“ローカルのHDDにインストール”、“サーバーまたはCD-ROMから直接実行”、“最初に利用する際に初めてインストール”といったインストールオプションを設定可能。アプリケーションの起動に必要なファイルを起動時にチェックし、ファイルがない場合は自動的にインストールする自動修復機能も搭載する。「このWindowsインストーラは、Windows2000にも採用されるが、Office 2000が先に出す」(同社アプリケーション製品統括部主任、横井伸好氏)。

●“OfficeCustomInstallationWizard”および“OfficeProfileWizard”
社内の部門ごとにインストールする機能のカスタマイズ設定が行なえる機能。Officeリソースキットに収録される予定。

●既存バージョンとの互換性を維持
Office 97とOffice 2000のファイルフォーマットは同一形式で、どちらからでも読み書き可能。Office 95/4.xについては、Office 2000で旧バージョンのファイル形式で保存でき、WordとPowerPointは専用のコンバーターにより2000の文書を読み込める。Wordの罫線の中に罫線を入れるといった2000で新たに追加される機能は、97では表示できないが、そのような場合旧バージョンでの表示をオフにする機能を搭載するという。なお、Access 2000のみ、Unicode対応のためファイル形式を変更している。

 なお、一部報道で話題となった多国語対応のOffice Language Packについては、「Office 2000英語版に追加して使う機能で、英語版をメインに使用するインターナショナル企業が対象。日本語版のOffice Language Packについては現在検討段階」(横井氏)としている。

 また、今回発表された製品ラインナップは以下の通り。

●Standard版
<製品構成>
Word 2000、Excel 2000、Outlook 2000、PowerPoint 2000

●Professional版
<製品構成>
Standard版+Access 2000、Publisher 2000、Office Small Business Tool

●Premium版
<製品構成>
Professional版+FrontPage 2000、PhotoDraw 2000

●Developer版
<製品構成>
Premium版+開発者向けツール、各種ドキュメント

 米国で発表されたSmall Business版は、日本では発売されない。

 Office 2000日本語版は'99年第2四半期以降出荷予定で、「5月か6月くらい、6月までには出す」(同社アプリケーション製品統括部統括部長、眞柄泰利氏)。また、Office 2000のパッケージ製品出荷後、アプリケーション単体での発売も予定しているという。

 同社は、IMEをはじめとする日本独自の機能強化や個人向け機能、製品ラインナップなどを紹介するWorkshop Stage2を'99年2月に実施する。

Workshop Stage 1で配布されたβ版
Workshop Stage 1で配布されたβ版



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 http://www.ascii.co.jp/ascii24/call.cgi?file=issue/
 981210/soft03.html

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