ここ最近、マイクロソフトが力を入れているRIA(リッチ・インターネット・アプリケーション)技術「Silverlight」のLinux版ランタイムがいよいよ登場した。マルチプラットフォーム/クロスブラウザー対応を謳うSilverlightだが、マイクロソフト自身が提供しているのはWindowsとMac OSに対応するWebブラウザープラグイン。Linux版は、ノベルを中心とするオープンソースプロジェクト「Mono Project」によって互換プラグイン「Moonlight」の開発が進められてきた。
米国時間12月2日にリリースされた「Moonlight 1.0 Beta 1」はFirefox 2.xまたは3.x用のアドオンとして動作するもので、名称からも想像できるとおり「Silverlight 1.0」に相当する機能を持つ。現在の対応ディストリビューションは、SUSE Linux Enterprise Desktop 10、openSUSE 11.0、Ubuntu 8.04、Fedora Core 9で、64ビット版もサポートする。正式版のリリースは年明け・2009年1月20日の予定だ。
同じくRIAの分野では、アドビ システムズがLinux対応でも先行している。Flash Playerに加えて、今年9月には「Adobe AIR for Linux Beta」をリリースした。マイクロソフトとアドビが狙うターゲットや用途の違いを考えると(関連記事)、単純な比較はできないが、いずれにしてもRIAの開発側からすると、“対応OS”を意識する必要が減ることは素直にうれしいものだ。
もっとも、「本来の実力を発揮するのは『2』から」(関連記事)といわれるSilverlightだけに、気になるのはMoonlightの今後のスケジュールだ。「Silverlight 2」相当の機能を持つ「Moonlight 2.0」は3月にアルファ版が、4月にベータ版がリリースされる計画だ。正式版のリリースは来年9月の見込みという。