exFATは内蔵HDDとして認識されるのか?
それでは実験開始だ。まずは内蔵HDDをUSB 2.0対応のSATA→USBアダプターに接続して、exFATでフォーマットする。もちろん、VistaはSP1でなければならない。
エクスプローラからアダプター経由で接続したHDDを右クリックして、「フォーマット」を選択。ファイルシステムのメニューに「exFAT」があるので、これを選択する。フォーマットの手順はFAT32やNTFSと変わらない。
ちなみに、250GBのHDDをexFATでフォーマットするのにかかった時間は140分と、USB接続でNTFSフォーマットをおこなった時間とほぼ同じ。SATA接続でNTFSフォーマットをした場合は120分だった。
exFATのフォーマットが完了したら、アダプターからHDDを外して、SATA接続でパソコンに接続してみる。BIOSでは普通にHDDを認識し、Vistaが起動する。エクスプローラを開いてみると……あっけなくドライブのアイコンが表示された。プロパティを開いてみても、正しくexFATと認識している。まずは問題なく利用できるようだ。
データ転送速度はほぼ互角
まずはNTFSでフォーマットした際と、プロパティ画面を比べてみた。確保されている容量は、ほぼ同じで232GB。厳密にはNTFSのほうが10MBほど多い。なおexFATのボリュームには、セキュリティー設定やクォータといった、NTFS固有の機能に関するタブはない。exFAT自体は機能の拡張性にも考慮して設計されているとのことなので、単純にVista SP1では、exFATでこれらの機能がサポートされていないだけだろう。
続いて、ストレージの速度を測定する「CrystalDiskMark」で、ベンチマークを取ってみた。結果はグラフ1のとおり。
結果を見ると、シーケンシャルライトと、512KBのランダムリード/ライトでは、exFATの結果がNTFSをやや上回っている。シーケンシャルライトと4KBのランダムリード/ライトでは、NTFSがやや優勢だ。
これは、アロケーションユニット(クラスタ)サイズが関係していると思われる。アロケーションユニットとは、データを書き込む際の最小単位のこと。このサイズ以下のデータを書き込んでも、実際の書き込みの際には最小単位の容量を使う。つまり、アロケーションユニットサイズが小さければ、ストレージ容量を有効に使えるが、アクセスが遅くなるデメリットがある。一方アロケーションユニットサイズを大きくすると、小さなファイルが大量にある場合、ストレージ容量を無駄に消費してしまうのだ。
250GBのHDDの場合、アロケーションユニットサイズの初期設定はNTFSが4KB、exFATは128KBとなっていた。そのため、exFATのほうがやや高速な結果になっているのだろう。反面、4KBのデータを扱う場合は、アロケーションユニットサイズが4KBのNTFSのほうが効率的にアクセスできるようだ。
とはいえ、テストの結果は誤差範囲と言ってもいいほどの差しかない。基本的には、exFATもNTFSと読み書き速度は同じと考えていいだろう。