このページの本文へ

QADジャパンが製造業向けのERPを発表、「製造中心から全社レベルのアプリケーションへ」

2007年05月10日 19時21分更新

文● アスキービジネス編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

キュー・エー・ディー・ジャパン(QADジャパン)は、5月10日、製造業向けERPパッケージの新版を発表した。新版ではSFA、EAMなどの新機能を追加し、スイートとしての性格を強めた。また、北米ではホスティングやアプライアンスによる提供方法も用意する。


北米ではアプライアンスやホスティングモデルの提供も


米QAD社長兼会長のパメラ・ルプカー氏

米QAD社長兼会長のパメラ・ルプカー氏

 QADジャパンが発表したのは、製造業向けERPパッケージの新版「QADエンタープライズ・アプリケーション2007」(エンタープライズ2007)。自動車・自動車部品や電気・電子部品などの製造業をターゲットに、生産管理、財務会計、サプライチェーン管理、顧客管理などの機能からなるERPパッケージである。なお、同製品は従来からの主力製品「QAD MFG/PRO」の後継にあたり、今回から名称を変更している。

 新版の特徴は「従来は製造中心のアプリケーションとの性格が強かったが、新しい製品名が示すように、全社的な企業レベルのアプリケーションを提供する」(米QAD社長兼会長のパメラ・ルプカー氏)。新たに、EAM(資産管理)、需要管理、SFA(営業支援)、マーケティング・オートメーション、輸配送管理を追加し、ERPスイートとしての機能を充実させた。また、人間工学に基づくGUIを.NETベースで実装して操作性を高めたほか、多言語・複数通貨対応によるグローバル利用を実現している。

QADジャパン代表の柴田一朗氏

QADジャパン代表の柴田一朗氏

 提供形態を複線化させたのもエンタープライズ2007の特徴だ。従来型のライセンス提供に加えて、オンデマンド(ホスティング)、アプライアンスの2種類を用意。顧客の利用形態やニーズに応じて選択できるようにする。ただし、オンデマンド、アプライアンスの日本国内での提供については時期、具体的な方法ともに未定。「技術的には可能だが、ある程度の作りこみを求める日本の顧客のニーズに対しては時期尚早ではないか」(日本法人代表の柴田一朗氏)としている。

 導入費用は、10~20ユーザーが利用する小規模導入のケースで3000万~5000万円程度を想定。5月10日から英語版の出荷を開始、7月以降日本語版のリリースを予定する。

 QADジャパンでは、日本国内における知名度向上やパートナーとの協業関係を強化し、「直近1年で35社への導入、7億円の売上」「3年以内に自動車部品製造業で1位、電気・電子製造業で3位」(柴田氏)を目指す。

 QADジャパンは、米QADの日本事業子会社。米QADは1979年に設立され、製造業に特化した業務アプリケーションを開発・販売している。自動車・自動車部品、電気・電子部品、一般消費財などを扱うグローバル企業を中心に世界90カ国以上で5800社の顧客を抱える。日本では1994年から事業を開始し、日清食品、明治製菓、日本製紙などへの導入実績がある。

■関連サイト

カテゴリートップへ