(株)ニコンの『COOLPIX S50c』は、無線LAN機能を標準搭載するコンパクトデジタルカメラだ。屈曲光学系+光学式手ぶれ補正という、最近のコンパクト機としては一般的になったスリムボディーに加え、ボディー側面に無線LANユニットが内蔵しているのが特徴だ。
同社の無線LAN内蔵デジタルカメラとしては『COOLPIX P1/P2』(2005年9月発表)(関連記事)があり、家庭内LANにワイヤレスで接続しての画像データ転送や、プリンターにアドホック接続してのダイレクト印刷が可能だった。本機はアドホック接続機能を持たず(ファイル転送やダイレクトプリントのための無線LAN接続機能ではなく)、自宅内での利用というよりも外出先から無線LANアクセスポイントに接続して撮った画像をその場ですぐサーバーにアップロードするという使い方がメインとなっている。
機能充実の画像サーバー&共有サービス
“COOLPIX CONNECT”
画像のアップロード先として同社では“COOLPIX CONNECT”(同社デジタルカメラユーザー専用のウェブサービス)を提供しており、最大2GBまでの画像保管スペース“ピクチャーバンク”と、画像のアップロードを友人らにメールで通知して公開・共有できるサービス“ピクチャーメール”が利用できる。さらに、無線LANアクセスポイントとしてソフトバンクテレコム(株)の“BBモバイルポイント”(1年間無料で利用できるサービス付き)と、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(株)(NTTコミュニケーションズ)の“ホットスポット”の設定が用意されている。
掲載当初、BBモバイルポイントとホットスポットの両方に1年間無料で利用できるサービスが付属するという趣旨の記載がありましたが、正しくはBBモバイルポイントのみ1年間無料で利用可能、となります。お詫びして訂正いたします。(2007年5月9日)
ピクチャーバンクの基本的な使い方としては、カメラを再生モードにしてメニューからCOOLPIX CONNECTを選択すれば、その場で接続可能な無線LANアクセスポイントが一覧で表示される。そこからアクセスポイントを選択して接続すれば、カメラ内に記録された画像をすべて転送/“選択画像のみ転送、フルサイズの画像を転送/リサイズ(最小で640×480ドット)後の転送をメニューから選べる。また、自宅に無線LAN環境があれば、自宅に帰ってACアダプターを繋ぐと同時に、自動的に指定された無線LANアクセスポイント(家庭内無線LAN環境)に接続して、画像をピクチャーバンクに転送させることも可能だ(ACアダプターの接続がトリガーとなって自動転送する)。アップロードする画像の重複や上書きをしないように一度登録した画像を再度送信しないための画像ファイルチェック機能があるほか、サーバー側に同じ画像が送られてきた場合に、“より大きなサイズの画像ファイルを残す”という設定も可能だ。アップロードされた画像の管理はカメラ単体ではできず、パソコンなどからCOOLPIX CONNECTサイトにアクセスしてフォルダー分けや削除などを行なう。
ピクチャーメールの場合、登録したメールアドレス(最大30件)に送るのだが、メールに画像をそのまま添付するのではなく、ピクチャーバンクと同様に画像はサーバーに登録され、送り先にはその画像がアップロードされたページのURLと、画像のサムネイル(2枚まで)が送られる(閲覧側はパソコンが必要で、携帯電話機からは参照できない)。