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行動監視で従業員の不正も防ぐ!?

映像・文書・操作履歴をまとめて記録、フォーバルが情報漏えい抑止システム

2007年02月23日 16時12分更新

文● アスキービジネス編集部

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フォーバルと岩崎通信機、村田機械の3社は、2月19日、ファクスや電話機の操作履歴とカメラ映像をまとめて記録する「個人情報漏洩抑止ソリューション・システム」を発表した。22日には都内で記者説明会を開き、製品の概要を説明。ファクスとカメラを使ったデモンストレーションを披露した。


携帯電話販売店や保険代理店などへの導入目指す


 ファクスの送信履歴を表示すると、送信先と送信した文書、それに操作時の映像まで表示される――。フォーバルが発表した「個人情報漏洩抑止ソリューションシステム」は、従来、操作履歴の管理が難しかったファクスや電話などによる情報漏えいを防ぐソリューションだ。

 「インターネット経由の情報漏えいが世間を騒がせているが、実際の漏えい経路は紙媒体によるものが圧倒的に多い」。フォーバル広報・IR部の岸 敏弘氏はこのように話す。日本ネットワークセキュリティ協会の調べでは、情報漏えい事故のうち49%が紙媒体経由での漏えいとなっており、比較的対策が取りやすいPCに比べて、紙文書の対策は遅れているという。こうした背景から、中小企業向けに通信機器などを販売するフォーバルは、個人情報を含む紙文書を取り扱うことが多い携帯電話ショップや保険代理店などに着目。今回のソリューションの提供に漕ぎ着けた。

村田機械のファクス複合機の操作とカメラ映像を右側のサテライトサーバに同時に記録する

村田機械のファクス複合機の操作とカメラ映像を右側のサテライトサーバに同時に記録する

 個人情報漏洩抑止ソリューションの中核に位置するのは、ディーグラットとフォーバルテレコムが共同開発した管理サーバ「サテライトサーバ」。これに、村田機械のファクス複合機、岩崎通信機の多機能電話機、ネットワークカメラをイーサネット経由で連携させ、各機器からのデータをサーバに集約するようにした。サテライトサーバにはあらかじめ専用ソフトがセットアップされており、各機器の操作をひもづけた上で時系列に沿って記録。管理者は、クライアント用のビューアソフトからサテライトサーバにアクセスし、指定した時間帯のさまざまな機器の記録を一括して確認できる仕組みとなっている。

 これにより、たとえば「ファクスの送信履歴」「実際に送信した文書(画像データ)」「ファクス複合機の付近に設置したカメラの映像」をまとめて閲覧するといった使い方が実現できる。電話機の場合は、発着信の履歴と音声の記録が可能だ。

専用ログビューアの画面。ファクスの送受信日時、送信した文書(画像データ)、カメラの映像をまとめて閲覧できる

専用ログビューアの画面。ファクスの送受信日時、送信した文書(画像データ)、カメラの映像をまとめて閲覧できる

 なお、サテライトサーバには標準で250GBのHDDを搭載しており、オプションで1TBまで拡張可能。映像のみであれば250GBで約45日間の録画が可能で、容量を超過した時点で古いデータは自動的に上書きされるとのこと。

フォーバルテレコム 商品開発室マネージャー 高野昌樹氏

フォーバルテレコム 商品開発室マネージャー 高野昌樹氏

 商品企画を担当したフォーバルテレコムの商品開発室マネージャーの高野昌樹氏は「枯れた技術を組み合わせて、ユーザー目線で分かりやすく、導入しやすい商品を目指した」とコンセプトを説明。すでにいくつかの携帯電話販売店などに試験導入済みとのことで、「『個人情報に対する従業員の意識改革にもつながった』などの好感触を得ている」と手ごたえを話した。

 価格は、サテライトサーバとキヤノン製のカメラのセットが71万4000円から。連携する村田機械製のファクス複合機「V-980IsAcモデル」が83万5800円から、岩崎通信機の電話機「NR-416」は58万9500円(INS1回線と電話機5台の場合)からとなる。

 フォーバルでは、現在対応している機器に加えて、他のメーカーとの連携も視野に順次対応機器を増やしていく計画だ。また、今後、Felicaを使った入退室管理システムや複合機へのFelica認証機能の組み合わせも検討しているとのこと。

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