台風上陸でダムマニアが祭り状態に
── ダムサイトのアクセス数を教えてください。
萩原 何も更新しない日は、1日200、300ですね。ただ、季節や天候に左右されます。ニュースでダムが露出するためだと思いますが、夏は多くて冬は少ない。雨が降ってもアクセス数が増えますね。台風が来たときは本当にガーンと上がります。
── 9月に台風9号が関東地方を襲ったときは、多摩川上流にある小河内ダムが脚光を浴びましたね。
萩原 あのときはアクセス数が増えましたが、それより僕らダムマニアが大変でした。今は、ダムの放流状況や川の水位はだいたいネットで分かるので、台風が上陸すると、ダムマニアは徹夜でその状況をチェックするんです。
台風9号のときは関東一円の全部のダムが洪水対策をしていたのが分かりました。僕やほかのダムマニアは、台風の間中、不謹慎で申し訳ないですけど、いわゆる祭り状態になっていましたね。「今△△川がヤバイよ」というメールが飛び交って、「○○ダムがすごく頑張っている。ということは●●さんが寝ずに操作しているんだ!」とか。
── 僕も家が多摩川下流なんですが、あのときは流量が異常でしたね。あとから小河内ダムが貯水池の水を放流したんだと知りました。
萩原 小河内ダムはもともと洪水を防ぐ用途はないので、例外的な措置だったと思います。台風が来る前から放流して、貯水池の水位を下げるという対処もしていたので、それを知って「小河内ダムが予定外の活躍で頑張っている!」と興奮していました。
── 膨大な知識があってこその興奮ですね(笑)。来年には貯水量が日本最大の徳山ダムが完成しますが、やはり注目されていますか?
萩原 僕まだ徳山ダムに行っていないので、必ず訪問したいですね。でも、行くなら稼働する直前です。
ダムは完成直後に一度貯水池を満水にして、ダム本体の安定性や設備の動作をチェックします。だから、徳山ダムも満水まで溜まったあとに、本体の一番上にある水門を開けて放流するはずなんです。それを絶対見たい。一番上にある水門は、どのダムでも100年や200年の洪水に備えた最終手段なんですよ。試験後はほとんど開くことがないので、そのシーンは必ず見に行きたいですよね。
── 最後に。最近は世界的にダムの建設が減っていますが、ダム愛好家として、この状況はどう感じますか?
萩原 必要な条件がそろったときに作るべきというのは分かっているので、減っていくのは仕方ないと思います。ただ、あちこちにダムが作られた昭和30、40年代に生まれたかったという思いはあります。現在、そのころにできたダムが見られるというのも幸せですけどね。
![]() |
|---|
| 取材中、多摩川の堰(せき)が気になって見に行く萩原氏。「ダムも含めて、水をためたり分けたりするような設備は全般的に好きですね」とのこと |
![]() |
|---|
筆者紹介──古田雄介
建設現場と葬儀業を経てデジタル&サブカルライターに転身。デジタルと言いつつ、“古田雄介の週末アキバPick UP!”(ITmedia)など、足で稼ぐ記事が多い。当連載では、大好きなサイトの管理人さんに直接会える喜びを堪能しています。自ブログは“古田雄介のブログ”。
*次回は11月26日掲載予定
この連載の記事
- 第92回 金髪ギャル語でニュートリノ、Shoさまが熱い!
- 第91回 「計画断水」知ってる? ネットで日本の昭和を振り返る
- 第90回 電子書籍を紙で売る! 「コトリコ」挑戦への道
- 第89回 ネットは「使う側」に立つのが面白い――IT戦士のスタンス
- 第88回 「林雄司さんっぽい面白さ」がキープできる理由
- 第87回 プロ編集者の本気を見た!投稿サイト「思い出のファミコン」
- 第86回 まるで不動産版ウィキリークス!「大島てる」の正体は?
- 第85回 人気サイト「ひろぶろ」が極めた、スゴい動画を探す技術
- 第84回 東大の心理学者、ネット版「いのちの電話」作りたい
- 第83回 趣味は軍歌です! 「西洋軍歌蒐集館」が深すぎる
- この連載の一覧へ
















