ASCII Power Review 第292回
デルのフラッグシップモデルはバッテリーも長持ちでした
次世代のXPSは未来デザインでやはり爆速だった=「Dell 14 Premium」実機レビュー
2025年08月01日 00時01分更新
デル・テクノロジーズは、14型モバイルノートPC「Dell 14 Premium」を発売した。ブランディング再構築に伴い、従来のフラッグシップモデル「XPS」のコンセプトを継承した「Dell Premium」のニューモデルである。
ハイエンドにふさわしくCNCアルミニウムやGorilla Glass 3などの高品質素材を使用し、高い質感と堅牢性を実現。またパームレストとタッチパッドが一体化した「シームレスグラスタッチパッド」、Fnキーで表示が切り替わる「タッチファンクションキー」により、近未来的なデザインを実現している。
16型の「Dell 16 Premium」も同時に発売されているが、まずは14型モデルでスペック、外観、使い勝手、パフォーマンスをチェックしていこう。16型についても近日中に実機レビューをお届けする予定だ。
「CoreUltra 7 255H」搭載で
「GeForce RTX4050」も内蔵可能
「Dell 14 Premium」はOSにWindows 11 Home/Pro、プロセッサーは2種類で、「CoreUltra 7 255H」は16コア[6P+8E+2LPE]、最大5.1GHz、28W、「CoreUltra 7 265H」は16コア[6P+8E+2LPE]、最大5.3GHz、28Wだ。
メインメモリーは16GB/32GB/64GB(LPDDR5X)、ストレージは512GB/1TB/2TB/4TB(PCIe Gen4 x4接続SSD)を搭載している。基本構成のGPUはプロセッサー内蔵の「インテルArcグラフィックス」だが、「NVIDIA GeForce RTX 4050」搭載モデルも用意されている。
ディスプレーも選択可能で、
・14.5インチ2K IPS液晶
1920×1200ドット、500ニト、sRGBカバー率100%、コントラスト比2,000:1、リフレッシュレート30~120Hz、応答速度24ms、タッチ非対応、非光沢
・14.5インチ3.2K OLED
3200×2000ドット、400ニト、DCI-P3カバー率100%、コントラスト比1,000,000:1、リフレッシュレート48~120Hz、応答速度1ms、タッチ対応、反射防止
から選択可能だ。
オーディオ機能としてはDolby Atmos対応のクアッドスピーカー、デュアルアレイマイクが内蔵されている。
インターフェースは、Thunderbolt4(USB4、DisplayPort 2.1、Power Delivery対応)×3、microSDメモリーカードスロット、3.5mmコンボジャックを用意。ワイヤレス通信はWi-Fi 7、Bluetooth 5.4をサポートしている。
本体サイズは320×215.97×6.70~18.02mm、重量は2K IPS液晶搭載モデルが1.63~1.78kg、3.2K OLED搭載モデルが1.72~1.83kg。
70Whのリチウムイオンポリマーバッテリー(6セル)を内蔵している。バッテリー駆動時間は2K IPS液晶搭載モデルで最大20時間、3.2K OLED搭載モデルで最大10時間と謳われている。
キー同士の間隔を極限まで狭めた
独自キーボードを採用
「Dell 14 Premium」には「コンフォータブルキーボード」と名付けた独自キーボードが採用されている。一般的なモバイルノートPCのキーボードは、アイソレーション、チクレット、アイランドなどと呼称されているキー同士が離れた仕様となっていることがほとんどだ。
しかし、本機はキー同士の間隔を狭めている。キートップの面積が大きいというメリットがあるが、キーが密接しているため、ある程度慣れないとふたつのキーを同時押ししてしまうことがある。
とは言え、キーピッチは横19.05mm、縦18.05mm、キーストロークは実測1.2mm前後と余裕がある。集中的に練習すれば数時間ぐらいでフルスピードで入力できるようになる。
本製品のキーボードでもうひとつ留意しておきたいのが、Esc、Prt Sc、Home、End、Insert、Deleteキーがタッチ式であることだ。
正確に位置を把握するのが難しいので、よっぽど習熟しないかぎりは一瞬キーボードに目を向ける必要がある。筆者自身はEscキーを使う機会が多いので、この点はマイナスポイントだ。
「Dell 14 Premium」のシンプルデザインに大きく寄与しているのが、パームレストとタッチパッドにつなぎ目のない「感圧機能付きPrecisionタッチパッド」だ。
こちらも少し慣れが必要だが、タッチパッドの範囲外を押した場合には振動フィードバックがないので、意外に不便を感じることはない。
また、149×74mmとスペースが非常に広いので、そもそも範囲外を操作してしまうこともない。境界がわからないと落ち着かないという方は、なんらかのシールでも貼っておけばよいだろう。
ディスプレー上部には、赤外線エミッター、赤外線カメラ、RGBカメラ、カメラステータスライト、環境照明センサーが内蔵されている。
写真、動画ともに最大解像度は1920×1080ドットで、動画撮影時のフレームレートは30fps。実際に画質を確認してみたが、やや赤みが強いが、明るく、綺麗に撮影できた。ノイズもあまり目立たない。解像度自体は決して高くないが、ビデオ会議用途であれば十二分な画質を備えている。
プロセッサーの性能を最大限に引き出し
バッテリーベンチは18時間越え!!
最後は恒例のベンチマークテストだ。今回の試用機は、Core Ultra 7 255H/メモリー32GB/ストレージ512GB/14.5インチ2K IPS液晶という構成である。
比較対象機種としては、同じプロセッサーを搭載する「ASUS Zenbook 14 OLED (UX3405)」、「Core Ultra 7 268V」搭載の「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」、「Core Ultra 7 258V」搭載「Swift 14 AI」を使用した。
まずCPU性能については、「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は18684pts、CPU(Single Core)は1994pts、「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は884pts、CPU(Single Core)は121ptsとなった。
Zenbook 14 OLEDは同じプロセッサーを搭載するノートPCのなかでは、上位のスコアを記録している。多少の誤差はあるがDell 14 Premiumも同等のスコアに到達していることから、プロセッサーの性能を最大限に引き出せている。
「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は18684pts、CPU(Single Core)は1994pts、「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は884pts、CPU(Single Core)は121pts
3Dグラフィックス性能については、「3DMark」のPort Royalは2049、Time Spyは4258、Fire Strikeは8416、Wild Lifeは26412だった。
また、「ファイナルファンタシーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは12220(とても快適)、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは3672(普通)を記録した。

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