ASCII Power Review 第283回
カメラキットで片手でAFやズーミングが可能になります
AIが補完する超絶ズームカメラが凄かった!!=「Xiaomi 15 Ultra」実機レビュー
2025年05月01日 00時01分更新
シャオミは同社のフラッグシップスマホ「Xiaomi 15 Ultra」を発売した。本製品は「カメラ」に全振りしたAndroidスマホで、ライカと協業して開発したクアッドカメラを背面に搭載する。また、前機種同様、コンデジと同じ操作感を実現する「Photography Kit」をオプションで用意しており、実はIT系ライターの多くも愛用しているカメラ特化型スマホだ。
今回のレビューではカメラ性能をチェックしつつ、スマホとしても総合性能についてもじっくりと検証していこう。
ライカカメラはリアに4台搭載
スペックとしては512GB版と1TB版の2モデルを用意
「Xiaomi 15 Ultra」はOSにAndroid 15をベースにした「Xiaomi HyperOS 2」、プロセッサーは「Snapdragon 8 Elite Mobile Platform」を採用。メモリーは16GB(LPDDR5X-8533)、ストレージは512GB/1TB(UFS 4.1)を搭載している。
本製品にはストレージ容量の異なる512GB版(17万9800円)と1TB版(19万9800円)がある。またカラーはホワイト、ブラック、シルバークロームの3色がラインナップされている。
ストレージ以外のスペックは基本的に共通で、ディスプレーは6.73インチWQHD+の有機ELで、3200×1440ドット、522ppi、リフレッシュレート1~120Hz、タッチサンプリングレート最大300Hz、色域DCI-P3、ピーク輝度3200ニト、HDR10+、Dolby Vision、Xiaomiシールドガラス2.0を採用。オーディオ機能はステレオスピーカー、4アレイマイクを内蔵している。
最大の売りであるカメラは、リアに「VARIO-SUMMILUX 1:1.63-2.6/14-100 ASPH」と名付けられたクアッドカメラシステム、フロントに「3200万画素インディスプレイセルフィーカメラ」を搭載している。
「VARIO-SUMMILUX 1:1.63-2.6/14-100 ASPH」の4台のカメラのスペック
・ライカ23mmメインカメラ
ソニー製「LYT-900」、5000万画素、センサーサイズ1インチ、3.2μm 4-in-1スーパーピクセル、F1.63、OIS、23mm相当
・2億画素ウルトラ望遠カメラ
2億画素、2.24μmスーパーピクセル、F2.6、OIS、100mm相当
・ライカ70mmフローティング望遠カメラ
5000万画素、1.4μm 4-in-1ピクセルサイズ、F1.8、OIS、70mm相当
・ライカ超広角カメラ
5000万画素、1.28μm 4-in-1ピクセルサイズ、F2.2、14mm相当、115度
フロントの3200万画素インディスプレイセルフィーカメラはOmniVision製「OV32B」、3200万画素、F2.0、21mm相当、90度だ。
ちなみにセルフィーカメラにはライカブランドは冠されていない。ライカの透かしが入れられるのはリアのクアッドカメラだけだ。
通信機能は、5G対応デュアルSIMでnanoSIM+nanoSIM、nanoSIM+eSIM、eSIM+eSIM、Wi-Fi 7、Bluetooth 6.0、NFC。オーディオコーデックはSBC/ AAC/ AptX/ AptX HD/ AptX Adaptive/ LDAC/ LHDC 5.0/ LC3をサポート。有線端子はUSB Type-Cを搭載している。
サイズ/重量はブラックとホワイトが161.3×75.3×9.35mm/226g、シルバークロームが161.3×75.3×9.48mm/229gだ。
5410mAhのバッテリーを内蔵しており、急速充電規格はQC3+/ QC3.0/ QC2.0/ PD3.0/ PD2.0/ MI FC 2.0に対応する。またワイヤレス充電にも対応している。
前モデル「Xiaomi 14 Ultra」との主な差分をまとめると下記のようになる。カメラが最大の売りである「Xiaomi 15 Ultra」だが、ハードウェアとしては「ライカテレスコープ望遠カメラ」の画素数が50MPから200MPに向上している以外に大きな変化はない。
カメラ目的だが、望遠性能をそれほど求めていない方なら、市場価格で15万円を切っている「Xiaomi 14 Ultra」も狙い目だ。
・プロセッサー
Snapdragon 8 Gen 3 → Snapdragon 8 Elite
・ライカテレスコープ望遠カメラ
50MP → 200MP
・画像処理エンジン
Xiaomi AISP → Xiaomi AISP 2.0
・ディスプレーのピーク輝度
3000ニト → 3200ニト
・指紋認証
静電容量式 → 超音波式
・バッテリー
5000mAh → 5410mAh
・SIM
nanoSIM+nanoSIM → nanoSIM+nanoSIM、nanoSIM+eSIM、eSIM+eSIM
絶対に欲しいカメラキット
「Xiaomi 15 Ultra Photography Kit Legend Edition」
「Xiaomi 15 Ultra Photography Kit Legend Edition」は、現在は直販価格1万9980円で販売されている。
Photography Kit最大の売りは操作性の向上。グリップにはシャッターボタン、カスタムダイヤル、ズームレバー、録画ボタンを用意。操作しやすい位置に物理コントローラーがあるので、直感的に操作が可能だ。
また、ズームレバーではシームレスなズーム操作だけでなく、左右に弾けば0.6倍、1倍、2倍、3倍、4.3倍、8.6倍、17.2倍、30倍、60倍、120倍と焦点距離を素早く切り替えられる。お気に入りの焦点距離をすぐに呼び出せるのは非常に便利だ。
このほかにも67mmフィルターアダプターリングを装着すれば、レンズふたやフィルターを使用可能。またグリップ内には2000mAhのバッテリーが内蔵されているので、より長時間撮影可能となる。発売当初と異なり無料で入手できないが、「Xiaomi 15 Ultra」のカメラとしての実力を最大限に引き出す必須アイテムだ。
Photography Kitは、グリップ、ケース、着脱式レリーズシャッターボタン、着脱式サムサポート、レッドデコレーションリング(装着済み)、リング、67mmフィルターアダプターリング、ストラップが同梱
Snapdragon 8 Elite Mobile Platformで
ゲーミングスマホに迫る速度を記録
「Xiaomi 15 Ultra」はプロセッサーに「Snapdragon 8 Elite Mobile Platform」を採用している。定番ベンチマークを実行したところ、総合ベンチマーク「AnTuTu Benchmark V10」の総合スコアは2695128、CPUは566100,GPUは1153023、MEMは550306、UXは425699だった。
また、CPUベンチマーク「Geekbench 6.4.0」のMulti-Core Scoreは8933、Single-Core Scoreは2928、3Dグラフィックスベンチマーク「3DMark」のWild Life Extremeは6083、AIベンチマーク「Geekbench AI 1.2.0」のSingle Precision Scoreは506、Half Precision Scoreは500、Quantized Scoreは1115となった。
AnTuTu Benchmarkのランキングページに、「Snapdragon 8 Gen 3」を搭載する「Mi 14」の総合スコアは1912969と掲載されている。つまり「Xiaomi 15 Ultra」は「Mi 14」の約141%相当のスコアを記録したことになる。
直近でAndroidスマホ最高スコアを記録したのは「ROG Phone 9 Pro」で、「AnTuTu Benchmark V10」の総合スコアは2930441。「Xiaomi 15 Ultra」は最新ゲーミングスマホに迫るパフォーマンスを備えていることは間違いない。
「AnTuTu Benchmark V10」の総合スコアは2695128、CPUは566100,GPUは1153023、MEMは550306、UXは425699。「Geekbench 6.4.0」のMulti-Core Scoreは8933、Single-Core Scoreは2928。
「3DMark」のWild Life Extremeは6083。「Geekbench AI 1.2.0」のSingle Precision Scoreは506、Half Precision Scoreは500、Quantized Scoreは1115。
120倍でも細かなディテールを描くが
実際の被写体のままではない
「Xiaomi 15 Ultra」は、「VARIO-SUMMILUX 1:1.63-2.6/14-100 ASPH」と名付けられたクアッドカメラにより、14mm~200mmの焦点距離をカバーしている。数年前のスマホの100倍越えの写真はかなり塗り絵感が否めなかった。ところが本製品は「Xiaomi AISP 2.0」のAIコンピュテーショナルフォトグラフィ機能によって、細かなディテールまで描き出している。
ただし、生成AIによりディテールを補完しているので、実際の被写体と変わっている可能性が高い点には注意してほしい。たとえば、下の作例では60倍と120倍で看板を撮影しているが、「新鮮野菜」などの画数が多い文字のディテールはかなり変化している。筆者の用途であれば、発表会や展示会の取材などで使う場合には、注意が必要だと考えている。
とは言えプライベートの写真であれば、見栄えがよければいいという方も多いはず。筆者自身もそうだ。今後、AIコンピュテーショナルフォトグラフィ機能がどれくらい進化していくのか楽しみだ。
「カメラ」をスマホ購入で最重要視するなら
真っ先に本製品を検討しよう

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