ASCII Power Review 第276回
背面LEDで懐かしゲームもプレイできる
爆速なうえAIアシストも最強化のゲーミングスマホ=「ROG Phone 9 Pro」実機レビュー
2025年03月26日 10時00分更新
ASUSはゲーミングスマホ「ROG Phone 9」シリーズ3月28日に発売する。
「ROG Phone 9」シリーズは今回で8世代目となる人気モデル(「4」は忌み数としてスキップ)。ASUSが発売するゲーミングスマホだけに、基本性能に優れるうえ、ゲーム向けの各種ツールも完全日本語化。また多くのアクセサリーが用意されているのも、ほかのゲーミングスマホに対する大きなアドバンテージだ。
今回の上位モデル(Proモデル)では背面LEDが高解像度化。また背面LEDでクラシックゲームがプレイ可能となっている。さらに生成AI、システム系AI、カメラ系AI、ゲーム系AIなど、オンデバイスAIが実装されている点も、昨今のAIスマホの潮流に乗った進化点だ。
今回ASUSより試用機を借用したので、主な進化点、ゲーミングスマホとしての使い勝手、最新プロセッサー搭載による圧倒的パワー、そして最後にカメラ画質にスポットを当ててレビューしていこう。
メモリーとストレージ、カメラ、背面LED
ボディーカラーで4モデルをラインナップ
eSIMも利用可能に
「ROG Phone 9」シリーズには下記の4モデルがラインナップされている。
☆「ROG Phone 9」
〇ROG9-BK12R256(直販価格15万9800円)
SD 8 Elite/12GB/256GB/3rdカメラ5MPマクロ/背面LED×85/ファントムブラック
〇ROG9-WH12R256(直販価格15万9800円)
SD 8 Elite/12GB/256GB/3rdカメラ5MPマクロ/背面LED×85/ストームホワイト
☆「ROG Phone 9 Pro」
〇ROG9PRO-BK16R512(直販価格18万9800円)
SD 8 Elite/16GB/512GB/3rdカメラ32MP望遠/背面LED×648/ファントムブラック
☆「ROG Phone 9 Pro Edition」
〇ROG9PRO-BK24R1T(直販価格23万9800円)
SD 8 Elite/24GB/1TB/3rdカメラ32MP望遠/背面LED×648/ファントムブラック
OSは「Android 15(ROG UI)」、プロセッサーは「Qualcomm Snapdragon 8 Elite」(オクタコア、4.3GHz)。容量は異なるが、メモリーはLPDDR5X、ストレージはUFS 4.0で共通。そして大きな違いとしては、3つ目のカメラは無印が5MPマクロ、ProとPro Editionが32MP望遠で、背面LEDは無印が85個、ProとPro Editionが648個構成となっている点が挙げられる。
ほかのスペックは共通。ディスプレーは6.78型フルHD+ LTPO AMOLEDで2400×1080ドット、最大リフレッシュレート185Hz、タッチサンプリングレート720Hz、ピーク輝度2500ニトだ。サウンド機能はデュアルスピーカー、トリプルマイクを内蔵している。
☆リアカメラ
〇50MP広角
フルサイズ換算23.8mm、F1.9、1/1.56インチ、SONY LYTIA 700、OIS/EIS
〇13MP超広角
フルサイズ換算12.7mm、F2.2、画角120度
〇5MPマクロ(ROG Phoe 9)
フルサイズ換算23.6mm、F 2.0
〇32MP望遠(ROG Phone 9 Pro)
フルサイズ換算65.3mm、F2.4、光学3倍、OIS
☆フロントカメラ
〇32MP広角
フルサイズ換算21.9mm、F2.0、1.4μm、画角90度
ProとPro Editionが搭載する32MP望遠では、最大30倍超解像ズームで撮影可能だ。
インターフェースは左側面にはUSB 3.1 Type-C、下面にUSB 2.0 Type-Cを装備。ワイヤレス通信はWi-Fi 7、Bluetooth 5.4に対応。もちろん5G対応で、nanoSIMスロットを2基搭載し、今モデルよりeSIMも使用できようになった。また前モデルと同様にFeliCaに対応しており、おサイフケータイを利用可能だ。
本体サイズは163.8×77×8.9mm、重量は227g。5800mAhの大容量リチウムポリマーバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間はWi-Fi通信時で約15.7時間、5G通信時で約13.8時間、LTE通信時で約16.1時間と謳われている。防水防塵性能はIP65/IP68だ。
「ROG Phone 9 Pro」(ROG9PRO-BK16R512)のパッケージには、本体、クリアケース(透明マットブラック仕上げ)、USB ACアダプターセット、SIMイジェクトピン、ユーザーマニュアルが同梱
前面で最新スマホゲーム
背面でレトロゲームとリバーシブルプレイが楽しめる
今回試用して最も気に入ったのが合計648個(266×247ピクセル)のミニLEDで構成された「AniMe Vision」だ。
従来モデルよりも高解像度化されたことにより、漢字なども表示可能になったほか、「ブロック崩し(Blick Smasher)」、「スネークゲーム(Snake Venture)」、「エアロインベーダー(Aero Invaders)」、「疾走ランナー(Speedy Runner)」などのクラシックゲームをプレイ可能な「AniMe Play」が実装された。
つまり前面のメインディスプレーでは美麗な最新スマホゲーム、背面の「AniMe Vision」ではレトロゲームと、リバーシブルでゲームを堪能できるようになったわけだ。
冒頭でお伝えしたとおり8世代目となる「ROG Phone 9」シリーズは、ゲーム関連ユーティリティーが非常に充実しており、基本的にはゲーム統合管理アプリ「Armoury Crate」、ゲーム中にオーバーレイ表示する「Game Genie」などの機能が継承。もちろん、超音波ボタンを採用した「AirTrigger」も利用可能だ。
さらに新機能としては、「AI Grabber」が「2.0」へと進化し、ゲーム画面上のテキストをキャプチャーするだけでなく、翻訳にも対応。ゲームを最小化しても動作させ続けられる「バックグラウンドモード」ではカスタム設定により有効時間を指定できるようになった。
純正アクセサリーで注目してほしいのが、世界初と謳う液冷システム内蔵ケース「ROG Phone Chill Case」。このケースにはポリカーボネートとPMMC(ポリメタクリル酸メチル)の複合素材によるベイパーチャンバー内蔵されており、ケース装着時に冷却性能が17%向上すると謳われている。
純正ケースとしては直販価格3980円と比較的手頃な価格なので、ぜひ本体と一緒に購入したいアイテムだ。
10倍なら40型画面で鑑賞可能な画質
インカメラは暗い環境でも明るく撮れる
今回試用した「ROG Phone 9 Pro」と「ROG Phone 9 Pro Edition」は、リアに50MP広角、13MP超広角、32MP望遠カメラを搭載している。
「Zenfone」シリーズで培ってきたカメラ技術は、当然「ROG Phone 9」シリーズにも生かされている。イメージセンサーのサイズは大きいとは言えないため夜景モードで暗部にややノイズが目立ったが、強い光源の白飛びはしっかりと抑えられている。また光学3倍の望遠カメラを搭載しているおかげで、10倍であれば40インチ越えの大画面でも鑑賞に耐える画質を備えている。
なお今回は、週刊アスキー編集部のつばささんにインカメラを試してもらったが、発表会場の暗い環境でも、明るく自然な発色で撮影できた。「ROG Phone 9」シリーズのインカメラは画素配列をRGGBではなくRGBWを採用することで、集光性が約67%高くなり、ノイズも約50%低下していると謳われている。夜景や、カラオケルームなどで自撮りする際に、綺麗に撮影できるインカメラだ。
「ROG Phone 9 Pro/Edition」は、リアに50MP広角、13MP超広角、32MP望遠を搭載で、広角カメラには、6軸ジンバルモジュールが搭載されており、強い手ブレ補正効果を実現している
速度計測結果
「AnTuTu Benchmark V10」の総合スコアで2930441をマーク!!
「ROG Phone 9」シリーズには、クアルコム製最上位プロセッサー「Qualcomm Snapdragon 8 Elite」が採用されている。

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