グーグル、アップル、アマゾンなどのプラットフォーマーが、どのような形でビジネスをしているのか、公正取引委員会が実態調査を始めた。
調査の対象は主に、アマゾン、ヤフー、楽天が運営するオンラインモールと、アップル、グーグルが運営するアプリストアだ。
プラットフォーマー側に、独占禁止法の「優越的地位の濫用」に該当する行為があったかなどを調べるのが調査の目的とされる。
すでに2019年2月27日から公取委のウェブサイトでアンケート形式の調査を始めている。この調査、アンケートをして集まった回答を統計処理して、というのがゴールではない。
公取委が過去に実施してきた実態調査でも、回答者から寄せられた情報の中に「これは独禁法違反の疑いがありそうだ」という事案をピックアップして、本格的な調査に乗り出すことがある。
社内外に有能な「弁護士軍団」を抱えるプラットフォーマーに対して、公取委はどこまで踏み込めるだろうか。
●公取委トップ「一般論として濫用の可能性ある」
アマゾンが5月から全商品について1%以上のポイント還元を実施する方針だが、還元分は出品者の負担となる。この施策について、出品企業から「優越的地位の濫用」に当たるのでは、という不満の声が出ている。
公取委の山田昭典事務総長は2月27日に開いた記者会見で、アマゾンのポイント還元を巡る施策について、こう述べている。
「一般論として申し上げれば、自己の取引上の地位が、相手方に対して優越しているオンラインモールの運営事業者が、オンラインモールの利用の拡大を図るために、出店者に対して、不当な不利益を与えるようなやり方で取引条件を変更をするということは、優越的地位の濫用に該当する可能性があると考えている」
事務総長は公取委の事務方トップだ。独立性の高い委員会で強い調査権限があるため、通常は「個別の事案にはコメントを差し控える」と何も言わないことが多い。「一般論」と断った上でも、オンレコで違法の「可能性」を言及することは、ほとんどないと言っていい。
政府がプラットフォーマーに対する規制を検討する中で、公取委としても、対外的に「本気度」を示す意図があったのではないか。
●優越的地位とは何か
優越的地位とはなんだろうか。
このところ話題になっているのはアマゾンのポイント還元だが、スマホアプリを開発する会社とアップルの関係はよりシンプルなので、アプリストアのケースで考えてみたい。
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