アスキー格安SIM通信速度比較 第123回
新規契約は「ネット」で即時OK、でも解約するときは……
楽天モバイルやワイモバイルなど人気格安SIMには「解約時」に注意点がある
2018年07月28日 19時00分更新
この記事は2018年6月30日に公開した記事を再編集した内容です。
ASCII倶楽部では今年1月から格安SIMの通信速度を平日12時、15時、18時の3つの時間帯で計測しています。ASCII倶楽部で計測している格安SIMは12回線あるので、当然ながら12回線ぶん契約しました。
この「アスキー格安SIM通信速度比較」という連載では、平日はその日に計測した格安SIMの通信速度を公開し、週末(土曜日)は計測してわかったこと、おすすめの格安SIM、そして実際に使用していて気が付いたことなどをまとめた所感記事を公開しています。
これまでの週末の格安SIMの記事では、「実は割高な格安SIM」「Y!mobileやUQ mobileの格安SIMの通信速度が速い」「楽天モバイルがものすごく人気な理由」などについて触れてきました。要するに、これから格安SIMを契約するならどこがオススメなのかということに重きを置いて更新していました。
さて。本日の記事では、これから格安SIMを契約する人向けというテーマは変わらないものの、過去の記事とは異なる切り口をテーマにして紹介していきます。今回のテーマは「解約」です。
契約する前の人に対して「解約」について紹介するのは「意味がわからない」と思うかもしれませんが、いざ自分が解約手続きをしようとするときに知っておいたほうがいいと感じました。というのも、ASCII倶楽部で契約している格安SIM12回線を実際に解約手続きしてみたしたからです。なぜ解約したのかというと、「気になったから」という一言に尽きるのですが……。すべての格安SIMを解約した理由は、ほかの事情も多少あるものの、契約したのであれば解約することも考えなければいけないと、この連載を担当している以上感じてしまったわけです。 ※この度、ASCII倶楽部で契約しているすべての格安SIMを解約しましたが、契約していた格安SIMをすべて再契約したのでこの連載はまだまだ続きます。平日の計測も今後も変わらず更新していきます。
ASCII倶楽部で契約していた格安SIMは以下の12回線です。UQ mobileとY!mobileのみ「音声通話SIM」で、そのほかの格安SIMはデータ通信専用SIMです。UQ mobileとY!mobileのみ音声通話SIMを契約している理由は、音声通話SIMにしないと毎月のデータ容量を大量に確保できないため。通信速度を毎日のように計測していると、データ容量が大量に必要になるためこれら2つの格安SIMのみ音声通話SIMとして契約しています。
・IIJmio(ドコモ回線)
・BIGLOBEモバイル(ドコモ回線)
・OCNモバイルONE(ドコモ回線)
・LINEモバイル(ドコモ回線)
・mineo(ドコモ回線)
・mineo(au回線)
・DMMモバイル(ドコモ回線)
・nuroモバイル(ドコモ回線)
・UQ mobile(au回線)
・Y! mobile(ソフトバンク回線)
・b-mobile(ドコモ回線)
・楽天モバイル(ドコモ回線)
格安SIMは「縛り期間が短い」「自動更新がない」というのがメリット
auやドコモ、ソフトバンクの3大キャリアに比べて、格安SIMのメリットは「月額料金を安くできる」「自分好みのプランを組める」などが主に挙がりますが、縛り期間(=最低利用期間)がなかったり、自動更新システムがなかったりするのもポイントです。
キャリアでは基本的に、契約してから24ヵ月周期で自動的に契約が更新され、契約更新月となるわずかな期間中に転出しなければ、違約金として1万円弱発生します。違約金の負担や引き留め要素などによって、「料金を安くできる格安SIMに乗り換えたいけど、なかなかできない」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
本題とはズレますが、私としては「月額料金を安くすることを主目的にしているのであれば、違約金を払ってでも格安SIMに乗り換えたほうがいい」と考えています。たしかに違約金として1万円弱の支払いが発生するのは痛手ですが、格安SIMの月額料金と、キャリア契約時の料金を比較すると割とすぐにペイできるのかなと思います。
契約している人によって異なりますが、キャリア契約時は毎月7000円前後だったとしても、格安SIMに乗り換えることで毎月のスマホ代を2000円前後まで落とすことも可能です。差し引きで言えば、キャリアで契約していたときに比べて格安SIMに乗り換えることで「毎月5000円も減らせる」計算になります。もちろん、これは机上論なので契約プランによって格安SIMに乗り換えたことによる減額具合は変わるものの、基本的には格安SIMのほうが大幅に安くできます。
上記の例でいえば、毎月5000円もキャリア契約時に比べてスマホ代を節約できるため、違約金が1万円発生したとしても、実質2ヵ月でペイできる計算になります。とはいえ、キャリアでの契約更新月に転出するのがベストであることは変わりません。ただ、タイミングを逃してしまって、また2年後を待ちわびているのであれば、さっさと格安SIMに乗り換えたほうが得策です。
話が脱線してしまったので本題に戻します。格安SIMはキャリアと異なり、「自動更新」というシステムを採用しているサービスのほうが少ないです。最低利用期間を設けている格安SIMはほとんどですが、その利用期間さえ超えてしまえばいつでも解約できます。
最低利用期間は格安SIMごとに異なりますが、6ヵ月もしくは12ヵ月というのがほとんど。最低利用期間内に解約しようとすると、キャリアと同じく違約金などとして1万円弱発生します。無論、契約時に最低利用期間なども確認できるので、格安SIMを使おうと思っている人は必ずチェックしておくべきです。
データ通信専用SIMなら「違約金は発生しない」
格安SIMにも最低利用期間があると記載しましたが、これはあくまでも「音声通話SIM」を契約した場合のお話。音声通話SIMとは、080や090で始まる電話番号を使った通話ができる格安SIMのことを指しています。キャリアからMNP(現在の電話番号そのままで転出する方法)で格安SIMに乗り換える場合はもちろん、固定電話などに電話をする機会が多い人が音声通話SIMを選びます。
音声通話SIMを契約すれば、キャリアでの電話番号をそのまま使えるなどメリットは非常に大きいです。しかし最近は、スマホ同士での連絡はLINEやFacebookメッセンジャーなどを利用する人が多いため、スマホ本来の「通話機能」を使う人が減りつつあります。実際、私の場合も仕事での電話はスマホの通話機能を使いますが、プライベートの連絡は基本的にLINEなどのコミュニケーションアプリしか使っていません。
私のような人の場合、それこそ通話機能をほとんど使っていない人であれば、格安SIMを契約するときは「データ通信専用SIM」を契約するのがオススメです。データ通信専用SIMだと、先に書いたスマホの通話機能を利用することはできません。ただ、アプリなどは使えるので、LINEやFacebookメッセンジャーによる通話は可能です。
データ通信専用SIMは、音声通話SIMに比べて月額料金が安いのもポイントのひとつ。この安い幅も格安SIMサービスごとに異なりますが、おおむね700円程度安くなります。さらに、最大のポイントは「最低利用期間がない」という点です。
先ほど、「格安SIMにも最低利用期間はある」と書きましたが、これは音声通話SIMの場合です。データ通信専用SIMは、最低利用期間を設けている格安SIMは存在していないはずです。もっと厳密に書けば、「データ通信専用SIMに違約金は発生しない」です。なかには契約から2ヵ月程度は解約そのものができないデータ通信専用SIMもありますが、どれだけ短く使おうが基本的に違約金は発生しません。
たとえば、「アプリでの通話をメインにするからデータ通信専用SIMを契約したけど、いろいろな事情でスマホの通話機能を使うことになった」という場合、データ通信専用SIMを解約するなり、プランを変更するなりで、すぐに音声通話SIMに切り替えることも可能なのです。
最初から理由もなく音声通話SIMに契約するより、電話番号を使った通話を使う理由がないのであればデータ通信専用SIMを契約したほうが賢い選択になることもあります。月額料金を少しでも抑えたいのであれば検討するべきです。
なお、データ通信専用SIMには格安SIMサービスによって2種類ある場合があります。SMSがついているか否か、です。SMS付きのデータ通信専用SIMは、スマホの通話機能は使えないものの、電話番号を使ったSMSは使用可能です。アプリやウェブサービスによっては、SMS認証が必要なこともあるので、これらを利用することを想定しているのであればSMS付きを推奨します。というか、よくわからなければSMS付きにしておいたほうが何かと便利なことが多いです。
格安SIMは解約したら「SIMカード」を返送する必要アリ
ここからが本記事の本題です。
格安SIMを契約するときに、大半の人は「月額料金」や「オプションやサービス」だけに気を取られやすいと思います。実際、気になるのはどういった契約内容になるのか、ということなのでこれは当然のことです。
先に結論を書いてしまえば、基本的に「解約についてはあまり気にする必要はない」です。音声通話SIMを契約する場合は、最低利用期間も合わせて確認しておくべきですがね。ただ、データ通信専用SIMでも一部の格安SIMに限っては知らないと損をする可能性があるのです。
楽天モバイルとBIGLOBEモバイルに共通する指定される解約タイミング
サービスはいいのに解約しづらいY!mobileの最大の欠点
以降の内容は、ASCII倶楽部会員の方だけがお読みいただけます。ASCII倶楽部はアスキーの有料の会員サービスです。入会から3日間は無料でお試しできますので、気になる方はこの機会にどうぞ。
ASCII倶楽部では格安SIM以外にもさまざまな連載を更新中。また、2013年4月以降に発行した「週刊アスキー 電子版」も最新号に至るまですべて読み放題です!
この記事の続きでは
●格安SIMは解約すると「SIMカード」を返却する手間が発生する
●格安SIMを契約するときは「解約タイミング」も確認するべき理由
●手間でしかないY!mobileの解約手続きの方法
を紹介しています。
この連載の記事
- 第128回 通信速度では劣る格安SIM「楽天モバイル」「LINEモバイル」がワイモバイル、UQモバイルに勝っている点
- 第127回 「1ヵ月で1万円の請求」人気格安SIMに潜む落とし穴
- 第126回 格安SIMの通信速度はUQモバイルとワイモバイルだけが場所を変えても常時速い
- 第125回 格安SIM「楽天モバイル」「LINEモバイル」がワイモバイル、UQモバイルに通信速度以外で勝っている点
- 第124回 格安SIMのデメリットと注意点 速度はワイモバイル、UQモバイルの圧勝だが……
- 第122回 楽天モバイルやワイモバイル、UQモバイルなど人気格安SIMを比較してわかった「割高SIM」の存在
- 第121回 楽天モバイルとmineoが格安SIMで人気の理由 ワイモバイル、UQモバイルに並べるワケ
- 第120回 格安SIMの速度を比較するとUQモバイルとワイモバイルだけが圧倒的に速い
- 第119回 格安SIMの「解約」が面倒だったのは楽天モバイル、ワイモバイル、BIGLOBEモバイルの3回線
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