アスキー格安SIM通信速度比較 第121回
通信速度は決して速いとは言えないのに人気な理由を考える
楽天モバイルとmineoが格安SIMで人気の理由 ワイモバイル、UQモバイルに並べるワケ
2018年07月14日 22時00分更新
この記事は2018年6月16日に掲載した記事を再編集したものです。
この連載でも先週の記事で紹介しましたが、auやドコモ、ソフトバンクの大手3キャリアユーザーが検討している格安SIMサービスTOP3は、1位「Y!mobile」、2位「楽天モバイル」、3位「UQ mobile」でした(MMD研究所調べ)。詳細のデータはMMD研究所の調査でご覧ください。
ワイモバイルとUQモバイルの実店舗によるプロモーション
Y!mobileとUQ mobileが人気なのはかなり明確だと思われます。
それはサブブランドであるという点でしょう。Y!mobileはソフトバンクの、UQ mobileはauのサブブランドとしてサービスをしています(UQ mobileはこの連載ではサブブランドとして扱っています)。サブブランドであるがゆえに、格安SIMサービスではまだ多いとは言えない「実店舗」が全国に多数展開しているということ。さらには、通信速度もほかの格安SIMよりも圧倒的に速いなどのメリットがあります。
実店舗が多ければ、それだけで認知度を向上させられますし、サービスやサポートなども手厚く受けられると想像できます。実際、格安SIMの大半はいまでも「インターネット上でのやり取り」が基本です。そのため、申し込みから開通作業まで自分でやる必要があるのはもちろん、SIMカードのトラブルや端末の故障といった場合でも、何から何まで自分で対応しなければいけません。裏を返せば、こうしたサポート面が無いぶん安く提供しているのですが。
通信速度も非常に大きなメリットです。「格安SIMは通信速度がキャリアと比べると遅い」ということを理解して使ったとしても、通信速度が速いことに越したことはありません。データは後述しますが、ASCII倶楽部でも格安SIM12回線の通信速度を計測していて、Y!mobileとUQ mobileがとてつもなく速いことははっきりと出ています。
こうしたサブブランドのメリットがある一方で、冒頭に紹介したMMD研究所の調査では「楽天モバイル」が肩を並べるほどの順位に入り込んでいるのです。楽天モバイルはサブブランドとは異なり、ごくごく普通の格安SIMです。また、楽天モバイルのように格安SIMだと「mineo(マイネオ)」も非常に人気とされています。冒頭に紹介したMMD研究所のレポートでも、mineoは4位に入っていたり、mineoを運営するケイオプティコムは今年4月に「契約100万回線を突破した」というプレスリリースを発表したりしています。
今回は、楽天モバイルとmineoの2サービスに焦点をあて、ほかの格安SIMと比べて「何が人気なのか」「通信速度を比較するとどうなのか」などを踏まえつつ、Y!mobileとUQ mobileと肩を並べられる理由などから人気とされている理由を追っていきます。
格安SIMサービスごとに大きな月額料金の差はない
格安SIMに乗り換える最も大きい理由が「スマホの月額料金を安くしたいから」というもの。キャリアで契約している人は、月額7000~8000円という人が多いのではないでしょうか。一方で、格安SIMに乗り換えるとプランによって変動するものの、月額2000円前後の人が多いと思われます。半額以下というより、毎月5000円ほど安くできるのであれば、格安SIMにしたくなる気持ちも大いにわかります。
そこで気になるのが「一番安い格安SIMはどこなのか」ということ。結論から言えば「どこも料金に大きな差はない」です。楽天モバイルとmineoを含めた4つの格安SIMの月額料金を見てみましょう。
比較するのは「データ通信専用SIM 3GB」の部分(楽天モバイルのみ3.1GB)。OCNモバイルONEは月額1100円。mineo、nuroモバイル、楽天モバイル(3.1GB)の3つは月額900円です。ほかのデータ通信容量で比較しても差は大きくなく、10GBの場合ではOCNモバイルONEとnuroモバイルが月額2300円、mineoが月額2520円、楽天モバイルが月額2260円です。
キャリアと同じように、格安SIMでも細かな差はあっても大きな差はありません。そうした背景があるなかでも、安さを求めるユーザーから楽天モバイルとmineoの2サービスは人気を勝ち取っています。
楽天モバイルはポイント付与、mineoは最低利用期間で差をつけた
料金面では格安SIMサービスごとに差はないものの、ほかの部分で独自のメリットを押し出しているのが現状です。たとえば、通話し放題がある、特定の日数間におけるデータ通信制限がない、スマホ端末とのセット価格が安い、動画サービスの視聴時に通信料をカウントしない、などなど。
つまり、これらのサービスやオプションなどの「差」によって、ユーザーは格安SIMを選ぶ判断基準にしています。裏を返せば、これらのサービスが楽天モバイルとmineoを人気にしている理由でもあります。
楽天モバイルとmineoが格安SIMで人気な理由を考える
ASCII倶楽部で計測した格安SIMの通信速度結果も公開
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ASCII倶楽部では格安SIM以外にもさまざまな連載を更新中。また、2013年4月以降に発行した「週刊アスキー 電子版」も最新号に至るまですべて読み放題です!
この記事の続きでは
●楽天モバイルとmineoがほかの格安SIMより優れている点
●通信速度を求めるならY!mobileとUQ mobileが圧倒的に速い
●Y!mobileとUQ mobileのデメリット
●サブブランドに楽天モバイルとmineoが肩を並べるほど人気の理由
を紹介しています。
この連載の記事
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