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ASCII倶楽部 2017倶楽部レポート オブ ザ イヤー 第12回

カメラ最強のスマホがわかった! iPhone vs Xperia vs Mate 9 (1/5)

2018年01月03日 18時00分更新

文● 小山安博 編集●ASCII.jp編集部

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ASCII倶楽部では2017年におよそ1000本の記事を公開しました。その中から、会員のみなさまから好評だった記事、編集部としてもう一度読んで欲しい記事をセレクトし、2017年12月29日から2018年1月5日にかけて、毎日2本ずつ再掲載します!

今手に入る、カメラ性能最強のスマホは?

 スマートフォンのカメラ性能の進化が止まらない。新端末登場のたびにさまざまな機能が追加されているが、画質面での進化も見逃せない。画質面が向上した結果、使い方が似ているコンパクトデジカメを市場から駆逐する勢いだ。

 今回のスマホカメラ画質比較には、アップルの「iPhone 7 Plus」、ソニーモバイルの「Xperia XZ」、ファーウェイ・ジャパンの「HUAWEI Mate 9」の3端末をピックアップした。なお、本特集のタイミング的には各メーカーが一斉に新端末を発表するMWC 2017が終わり、新製品が登場しつつある時期ではある。

iPhone 7 Plus

iPhone 7とは異なり、デュアルカメラを搭載する

ポートレートカメラモードでは2つのカメラを利用する

 iPhoneシリーズはSEの128GB版が登場したとはいえアーキテクチャー的には7 Plusが最新、Xperia XZは新モデルの「Xperia XZ Premium」が登場したものの、3月末時点で発売時期が明らかになっていない。最近は十分な処理性能をもつスマホの価格が下がってきた時期に買い換えるというユーザーも多いため、今回はすぐに購入できるXperia XZをチョイスした。

Xperia XZ

約2300万画素カメラはRGBC-IR(Red Green Blue Clear – Infrared)センサーとレーザーAFセンサーを搭載

 HUAWEI Mate 9は爆発的な人気を集めた超定番のSIMフリースマホだ。同シリーズでは最新版で、カメラ性能は新発表の「HUAWEI P10」と同等。まだ市場にP10が出回っていないこと、型落ちと言えるほど時間が経っていないこと、そしてスマートフォンのカメラとして定評のあることから、今回はこの3端末をチョイスしている。

HUAWEI Mate 9は1200万画素のカラーセンサーと2000万画素のモノクロセンサーを搭載

ワイドアパーチャ撮影は、撮影後にフォーカス位置や絞りの度合いを変更することが可能

 さて、スマートフォンカメラの性能としてはいくつかの指標がある。スペック表にある「画素数」は、カメラのフィルムにあたるセンサーの精細さを表わす指標だ。光に反応する素子がいくつあるかを示し、この数値が多ければ多いほどより細かい部分まで描写でき、より大きなサイズの用紙にプリントできる。

 画素数にはセンサー全体の画素数である“総画素数”と、その中で画像記録に使われる“有効画素数”の2つがあり、基本的には有効画素数が使われている。iPhone 7 Plusは1200万画素で、Xperia XZは2300万画素。HUAWEI Mate 9は少し特殊で、1200万画素のカラーセンサーと2000万画素のモノクロセンサーの2つを搭載する。

 基本的には画素数は多ければ多いほど画質は向上するが、センサー自体のサイズが変わらずに画素数がある程度多くなると光を取り込むための機能が低下し、逆に画質が低下することがある。スマホで撮影した画像をA4版、A0版といった大判で印刷する機会はあまり多くないためか、最近は画素数競争は抑えぎみになっている。スマホやPCで確認したり、L判印刷したりする場合は1200万画素もあれば十分ではある。

 レンズ性能の評価に使われるのが「F値」だ。これはレンズの明るさを示し、どれだけ光を多く取り込めるかの指標となる。F値が小さいほど明るいレンズになり、光が多く取り込めるようになる。通常のカメラのレンズだとF値の違いで被写界深度が変わる、レンズの大きさだけでなく、レンズの価格が変わるといった影響もあるが、スマホのカメラではあまりこの辺りはあまり関係がない。基本的にはF値が小さい方が明るいレンズで、暗いレンズより暗所で明るく撮影できると考えるといいだろう。

 これは画質とは直接関係はないが、レンズスペックとして重要なのが「画角」だ。これはレンズが撮影できる範囲を示し、数値が大きければ大きいほど、より広い範囲を撮影できる。広大な風景を撮影したいとき、狭い屋内で複数の人物を撮りたいときなどに威力を発揮する。反面、余計なものが写り込みやすいという欠点もあり、一概にどちらがいいとは言えない。

 画角はスマホのカメラでは度数で表示されることも多いが、カメラでは一般的に「35mm判換算で●●mm」という表現をする。これは“焦点距離”と呼ばれる。この数字が小さいほど広角で、より広い範囲を映すことができる。iPhone 7 Plusは2つのカメラのうちの一方が広角で、もう一方は望遠レンズという扱いになっており、いわゆる「光学ズーム」ではないが、2つのカメラを使うことで疑似的に光学ズームを実現している。通常デジタルズームは画質が劣化するので、その点はiPhoneが有利だ。

  iPhone 7 Plus Xperia XZ HUAWEI Mate 9
メーカー アップル ソニーモバイル ファーウェイ・ジャパン
取り扱い ドコモ、au、ソフトバンク
SIMフリー
ドコモ、au、ソフトバンク SIMフリー
有効画素数
(リアカメラ)
1200万画素×2 2300万画素 1200万画素
+2000万画素
レンズF値 F1.8 F2.2
画角 28mm+57mm 24mm 27mm
記録画素数 4032×3024ドット 5520×4140ドット 5120×3840ドット
マニュアル撮影 ×
HDR
ズーム レンズ切り替え(光学) デジタル

【注意】特集内のスマホ撮影画像は、クリック・タップすると4MB以上の大きいサイズで表示します。LTEや3Gのモバイル回線で閲覧されている方はご注意ください。

左からiPhone 7 Plus、Xperia XZ、HUAWEI Mate 9の作例。写る範囲が明らかに異なり、Xperia XZが特に広い範囲が写せている。青空の色、影になっている部分の明るさも3機種でそれぞれ特徴があり、各社の画像処理のポリシーが感じられる

MWC 2017で発表! カメラ性能で選ぶ今年登場のスマホ

 MWC 2017で発表された新スマートフォンでは、たとえばXperia XZ Premiumは新センサーと独自の機能を搭載したほか、画質の改善も図られたとのこと。HUAWEI P10 Plusはライカとの協業で新たなレンズを搭載した点が特徴。新レンズの写りに注目だ。LGエレクトロニクスの「LG G6」は広角と超広角の2つのカメラを搭載しており、18対9比率の縦長ディスプレーで新たな撮影方法をアピールしている。さらに3月29日にはサムスン電子の「Galaxy S8」シリーズが発表され、今後は次期iPhoneも登場する見込みだ。

Xperia XZ Premium

1900万画素のMotion Eyeカメラを搭載

HUAWEI P10 Plus

ライカとの協業によるデュアルカメラ「2.0 Pro Edition」を搭載

LG G6

1300万画素×2のカメラは標準レンズ+ワイドレンズで画角はそれぞれ71度と125度

Galaxy S8とGalaxy S8+

1200万画素のデュアルピクセルレンズを搭載

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