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ソフトバンクのIoT 活用事例

1日1回送信だからこそ妥協できない「通信の確実さ」。マルチキャリア対応SIMで課題を解消

電池交換なしで4年稼働! YEデジタルのタンク残量見える化サービス「みるタンク」を支える1NCE

文●大塚昭彦/TECH.ASCII.jp 写真● 曽根田元

提供: ソフトバンク

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IoT SIMの選定で最も重要だった要件は「接続の確実さ/安定性」

 みるタンクでは、9月に提供を開始したモデルから、新たに1NCEを採用している。それにより、これまでのモデルで生じていた、通信にまつわるいくつもの課題が解決できたという。

 まずは、1NCEの「マルチキャリア対応」が解決した課題だ。

 従来採用していたSIMは、単一のキャリア回線にしか接続できなかった。そのため、YEデジタルでは2種類のSIMを用意し、設置場所でつながりやすいと思われるキャリアのSIMを組み込んでデバイスを出荷していた。だが、実際に現地で設置してみるとつながらないこともしばしばあったという。

 「その場合は、デバイスを一度センドバックして(返送して)いただき、SIMを付け替えてもう一度出荷する作業が発生していました。これが、新モデルの1NCEの場合は、SIMを差し替えることなく、遠隔設定で別のキャリアに切り替えられます。面倒なセンドバック作業が不要になります」(朴氏)

 高井氏は、新たなSIMを選定するうえでは「通信の確実さ」を重視したと語る。特に、みるタンクのデータ送信は低頻度であるため、通信の安定性はとても重要だと強調した。

 「たとえば、数秒に1回、数分に1回といった高頻度でデータを送信するものであれば、通信が不安定で一部のデータを取りこぼしても、全体への影響は少ないでしょう。しかし、みるタンクのように1日1回しかデータを送信しない場合は、1回ぶんのデータが抜け落ちただけで大きな影響が出ます。データ送信の頻度が低いからといって、データの価値が低いわけではないのです。そのため、確実な通信が行えるかどうかには神経をとがらせています」(高井氏)

 もちろん、そうしたデータの取りこぼしが起きないように、みるタンクでは送信失敗時の自動リトライ(再送信)処理を組み込んでいる。しかし、頻繁にリトライ処理が行われれば、それだけ電力を無駄に消費してバッテリーの保ちが悪くなる。長期間バッテリー駆動させるうえでも、やはり通信の安定性は重要な要件なのだ。

長期利用でふくれ上がる通信コストの課題もプリペイド型の1NCEが解決

 もうひとつは、1NCEの「プリペイド型の通信料金」が解決した課題だ。

 従来モデルのSIMは、月額基本料金を支払えば一定容量のデータ通信ができるという、一般的な料金プランを採用していた。毎月の料金は低額でも、みるタンクのように長期間利用するものの場合、累計の通信料金はかなり高くなってしまう。

 一方、プリペイド型の1NCEの場合、購入時に支払う料金(1回線あたり税別2000円+SIMカード代+送料)だけで、最大10年間合計500MBまでのデータ通信とソフトウェア機能の利用でき、デバイスのライフサイクルを通じた運用が可能となる。みるタンクのような、長期間/低頻度/低容量のIoTデータ通信を行うソリューションには、非常に適していると言えるだろう。

 「特に数百台、数千台という大規模導入のお客さまの場合、1NCEによる通信コストの削減効果は非常に大きいですね。みるタンクというサービスやデバイスの特徴と、プリペイド型という1NCEの特徴はうまくマッチしていると思います」(高井氏)

 ちなみに、みるタンクのゲートウェイデバイスの耐用年数は4~5年程度だという。そのため、デバイスを交換する際も1NCEのSIMは引き続き利用できる計算になる。そのように使うことができれば、通信コストの削減効果はさらに大きなものになるだろうと高井氏は語った。

数年間の長期検証を行い、他のIoTソリューションへの展開も検討へ

 1NCEを搭載したみるタンクの新モデルは、まだ顧客への提供がスタートしたばかりだ。これから数年間、顧客環境における実際の稼働状況も見ながら、何か問題が発生しないかを慎重に評価していきたいと話す。

 みるタンクでの長期検証で特に問題が出なければ、そのほかのIoTソリューションでも1NCEの採用を検討していく方針だ。YEデジタルでは、ほかにも畜産事業者向けの飼料タンク残量管理ソリューション「Milfee(ミルフィー)」をはじめ、自治体や交通事業者向けにもIoTソリューションを提供している。いずれも1NCEとの親和性は高そうだ。

 高井氏はもうひとつ、1NCEが世界170カ国/地域以上で使えることもメリットだと語った。将来的にIoTソリューションを海外展開していく際、各国のキャリアと個別に通信契約を行ったり、国ごとに異なるSIMをキッティングしてデバイスを出荷したりする必要がないからだ。

 「みるタンクやMilfeeは農業/畜産市場向けですが、別の市場でも『電源のないところでのデータ収集』をキーワードに、1NCEも活用しながら新たなIoTソリューションが展開できるのではないかと考えています。具体的なアイデアはあるのですが、今はまだ企業秘密です(笑)」(高井氏)

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