サイボウズとCDataが語るMCPフル活用までの道【前編】
kintoneデータを最強のAIコンテキストに MCP活用で変わるAIエージェント開発とデータアクセスレイヤーの重要性
提供: CData Software Japan
誰でも安心な「kintone AI」と、高度な連携を実現する「MCP」の役割分担
大谷:日常の業務プロセスそのものが、AIを賢く動かすためのいわば「最高級の燃料」になっているわけですね。サイボウズさん自身も、kintoneの中にAI機能を積極的に実装されていますよね。
佐藤:はい。私たちは今年6月から「kintone AI」として、いくつかの機能を正式に提供し始めました。大きく分けて2つの軸があります。
1つは「アプリ作成・運用支援」。自然言語からアプリを自動作成するアプリ作成AI、複雑なプロセス管理設定を自動化するAI、そしてガイドラインに沿ってアプリ設定を自動レビューしてくれるAIです。もう1つは「データ活用支援」。kintoneアプリ内のレコード一覧に対して質問を投げるとデータを分析して答えてくれるレコード分析AI、アプリを横断して情報をピックアップする検索AI、そして掲示板の長いスレッドを自動要約するAIです。
大谷:かなりかゆいところに手が届くラインナップですね。では、今回メインテーマとなるMCPと、この標準のkintone AIとの違いや役割分担はどこにあるのでしょうか?
佐藤:私たちのkintone AIは、誰でも簡単、かつ安心・安全に使えるAIの第一歩という位置づけです。これだけでも強力ですが、一方で「もっと自分の好きな外部のLLM、たとえば最新のClaudeやChatGPTを使いたい」「社内の他のSaaSやデータベースとつなげて、自分専用の業務自動化エージェントを動かしたい」という、より高度で深いニーズには応えられません。
そこで私たちは、自社製品を外部の高度なAIエージェントと直接つなぐための窓口として、kintoneやGaroonのMCPサーバーを提供しています。簡単に安全に使いたいユーザーは標準のkintone AIを、より深い他社ツールとの連携や高度な自動化はCDataさんのような強力なパートナーのエコシステムを通じて実現する。この明確な両輪の戦略をとっています。
営業活動の準備時間が劇的に短縮
大谷:標準機能とエコシステムによる高度連携ですね。実際に、サイボウズの社内でそのMCPサーバーを使ってドッグフーディングを行なったところ、かなりの効果が出ていると伺いました。
佐藤:はい。私を含め、いくつかの部門のメンバーで検証したのですが、現在すでに20近い実業務でのユースケースが生まれています。私たちは日々、データを集めて回るような無駄な作業、いわゆる「ブルシットジョブ」に多くの時間を奪われていますが、MCPを導入したことで、これらが文字通り一撃で消え去るという体験をしています。特に効果的だった3つの事例を紹介させてください。
杉本:ぜひ聞かせてください。
佐藤:1つ目は、営業部門における「デモアプリ作成と提案準備」の超高速化です。サイボウズの営業担当者は、お客様の要件を聞き、それに合わせたkintoneのデモ用アプリを自ら作成し、提案活動を行なっています。
これまでは、要件をヒアリングした後に、過去の類似事例を社内のデータベースから探し、自分でデモ用のkintoneアプリを作成し、さらに本物らしいテストデータを手動でポチポチと打ち込んでデモ環境を整え、提案用のプレゼン資料を作るという一連の作業を、すべて手作業で行なっていました。これが、LLMとkintone MCPサーバーを組み合わせることで、最初から最後までほぼ一瞬で自動化できるようになりました。
大谷:具体的にどうやるんですか?
佐藤:シンプルです。営業担当者はClaudeなどのLLMに対して、「今日のお客様からこういうヒアリング結果を得た。まずは要件を構造化して」と話しかけます。Claudeが綺麗に要件を分解・整理してくれたら、チャット上で「じゃあ、この要件に最適なkintoneのデモアプリを直接私の環境に作成して」と指示します。
大谷:チャット上から直接kintoneにアプリを作るんですか?
佐藤:はい。ClaudeはMCPを経由して、kintoneに直接そのアプリを出力します。さらに、「このアプリに、それらしいテストデータを15件投入しておいて」と言えば、一瞬でリアリティのあるダミーデータがkintone側に書き込まれます。あとは、並行してLLMに類似事例を検索させ、提案用資料の構成案を作らせるだけです。
大谷:デモアプリの作成からデータの投入、提案資料の作成まで、すべてLLMのチャット画面からの指示だけで完結してしまうわけですね。
佐藤:その通りです。従来なら半日~1日以上かかっていた提案準備が、ものの数十分、対話をしているだけで終わってしまいます。
そしてこの恩恵は、時間削減だけではありません。実は、ノウハウの標準化、つまりベテランの行動のトレースという大きな副次効果があります。これまでは、ベテラン営業にしかできなかったような高度なデモシナリオの設計や、適切なデータのマッピングが、入社して数ヶ月の若手でも、LLMと対話しながらベテランと同等のクオリティを保ちつつ、一瞬で実現できてしまうのです。
杉本:これはデータ連携の観点からも本当に素晴らしい事例です。SFAやkintoneに蓄積された顧客データ、これまでのやり取りというコンテキストをMCP経由でLLMに引き渡し、仮説を立てさせた上で、アウトプットとして直接kintoneアプリや提案資料を作成する。まさに業務プロセスそのものをAIとMCPが橋渡ししている形ですね。
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