米Microsoftは、AI時代の働き方を定義する次世代「Microsoft Copilot」を発表した。従来のオフィスツールと連携しつつ、生成AIとの対話から自律的なタスク実行、ノーコードでのアプリ開発までを一体化させた新しいプラットフォームへと進化を遂げている。
Copilotは
「Home」、「Code」、「Autopilot」に
今回発表された新しいCopilotは、ユーザーの働き方や目的に応じて「Home」「Code」「Autopilot」という3つの核となる機能を提供する。PC時代のOfficeがパソコンにおける生産性を定義したように、新しいCopilotはAI時代における業務のあり方を再定義し、個人や組織の可能性を拡張することを目指している。
従来の対話型AI(Chat)に加え、エンドツーエンドで複雑な業務を委任できる機能(Cowork)、自然言語による自律的なソリューション構築(Code)、そしてユーザーが離れていてもバックグラウンドで自律動作するエージェント(Autopilot)が1つのエコシステムに統合されている点が最大の特徴である。
「Home」
対話と共同作業(Cowork)が融合する新しいスタート地点
Homeは、日々の業務におけるすべての起点となるポータル画面である。会話形式で即座に質問や下書き作成を行なう「Chat」と、複雑なタスクを丸ごと委任する「Cowork」が同じ場所で提供される。
Coworkでは、ユーザーがタスクを定義すると、提案書(RFP)の回答作成、ローンチキットの準備、顧客向けブリーフィング資料、財務の月次締めパッケージといった複雑な業務をエンドツーエンドで自動実行する。将来的にはモードを手動で選択する必要すらなくなり、やりたいことを伝えるだけでCopilotが自動的に適切な機能(Chat、Cowork、Codeなど)へ処理を振り分ける仕様となる予定だ。
さらに、「Office in Copilot」により、Word、Excel、PowerPointといったOfficeアプリとの密接な連携が実現する。Homeから指示を出すだけで、フォーマット崩れのない編集可能なドキュメントやプレゼン資料が生成され、チーム全体でリアルタイムに共同編集できる。Excelでは最適なグラフの提案や変更理由の可視化が行なわれ、各アプリにおいて財務や法務などの専門スキル(Skills)を活用することも可能である。
「Code」
自然言語で誰でも自作アプリやツールを構築
Codeは、プログラマー以外の非エンジニアでも業務に必要なソリューションを構築できるようにする機能である。自然言語でアプリ、トラッカー、インタラクティブなダッシュボード、自動化ワークフローなどの要件を入力するだけで、Copilotが最適なアプローチを選択して構築を行なう。
技術的スペックとしては、GitHub Copilotと同じ基盤技術が採用されており、企業テナント内の安全なサンドボックス環境で動作する。生成されたツールはデスクトップウィジェットやクラウドホスト型アプリとしてチーム内で共有できる。
インフラ面では「Microsoft Copilot Managed Runtime」が支えとなっており、IT部門によるガバナンスとデータセキュリティを維持しながら安全に運用できる仕組みが整えられている。
「Autopilot」
自律してタスクを実行し続けるデジタル同僚
旧称「Scout」として知られていたAutopilotは、名前、役割、目標を指定するだけで動作する永続的なデジタルチームメイトである。ユーザーからの都度の指示を待つことなく、チャネルの監視、スレッドのフォローアップ、定期業務の実行などを自律的にこなす。たとえば、サプライヤーの評価プロセス全体をスケジュール作成から会議の準備、関係者への進捗確認まで自動で管理することが可能だ。
Autopilotはクラウド上にホストされ、独自の識別情報(アイデンティティ)、メモリ、専用のコンピューティング環境を持つ。TeamsやOutlook、ドキュメント上に同僚として登場し、ユーザーは@メンションで指示を出したり権限を設定したりしながら、コントロールを維持したまま業務を委任できる。
企業データと連携する
「Microsoft IQ」基盤
Copilotの背景には、企業内のAIインテリジェンスを統合するプラットフォーム「Microsoft IQ」が存在する。これに加えて、データ基盤から信頼できる文脈を提供する「Fabric IQ」や、Dynamics 365およびPower Platformの業務データを連携させる「Work IQ」が提供される。
これにより、営業担当者が提案書を作成する際に、案件履歴やサポートチケットの情報を別のアプリを開くことなく直接ドキュメントに組み込むことが可能になる。
また、サードパーティ製や自作のプラグインを一元管理・承認できる新しい「プラグインレジストリ」も月末までに一般提供される予定である。
コスト管理と料金体系
(USLとUBB)
新しいCopilotでは、処理の種類に応じた2つの料金体系が用意されている。
日常的なAI利用(ChatやOfficeアプリでの作成・要約・分析など)に対しては、固定コストのユーザーサブスクリプションライセンス(USL)が適用される。USLには、リクエストごとに精度、速度、コストのバランスを評価して最適なモデルに自動割り振りする「Auto」機能が含まれる。
一方、Cowork、Code、Autopilotなどの高度なエージェント型処理や、AstraやFableといった最新のフロンティアモデル利用には、従量課金制(UBB: Usage-Based Billing)が採用される。管理者やユーザーがAIコストを視覚的に管理・調整できるFinOps管理機能もあわせて提供される。
今後の提供スケジュール
これらの機能は、早期アクセスプログラムである「Frontier」を通じて順次ロールアウトが開始されている。さらに、メールやカレンダー、タスクを横断して優先事項を自動提案するコマンドセンター機能「Today」が10月にプライベートプレビューとして登場するほか、Teams内でチーム全体の文脈を理解する「@Copilot」機能も月末に提供される予定である。
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