業務を変えるkintoneユーザー事例 第325回
日本エイジェント・えひめレスQセンターが“業務改善のループ”を築くまで
平均年齢60歳の現場を変えたZ世代女子 kintoneで電話・紙・入力をなくしたら、仕事が楽しくなった
2026年08月14日 09時00分更新
X世代にアプリを使ってもらう“3つの施策”
ここまで輝かしい成果が披露されたが、ここに至るまでには様々な壁があったという。特に苦労したのは部署全体へのアプリの定着だ。
「現場のX世代の皆さんからは、『スマホには抵抗がある』『新しいものは覚えたくない』『電話で話した方が早い』などの厳しい言葉もいただきました。ただ、私は彼らの業務改善のために走り続け、3つの方法でkintoneを定着させました」(中川さん)
1つ目は「リーダーとの協力」だ。各チームのリーダーも日々の業務に追われていたが、「非効率な現状を変えたい」という想いは共通していた。そこで、各リーダーとそれぞれ現場に即した運用ルールや導入手順を考え、定着に至るまで二人三脚で進めていった。
2つ目は「環境整備」だ。「kintone便利だね」で終わらせないよう、社員携帯にkintoneを強制インストールし、すぐにアクセスできる環境を整えた。
3つ目は「マニュアル共有の徹底」だ。kintone導入時に一人ひとりへの説明を行ったのに加え、各業務内容に合わせたアプリのマニュアルも作成。共有スペースに格納して、いつでも誰でも見られるようにしたのがポイントだ。
こうした一連の定着策も実を結び、各アプリによる業務削減時間は年間で計921時間に達している。「換算すると100日分の勤務時間に匹敵し、代わりに注力できる業務が大幅に増えました。さらにペーパーレス化にもつながり、コピー枚数も年間約3万枚減らせています。現場の厳しい声も、今では感謝の声に変わっています」(中川さん)
加えて「業務改善のサイクル」も生まれた。現場スタッフから中川さんに改善案が寄せられ、それをkintoneで形にする。その結果、時間的・心理的なゆとりが生まれ、スタッフはそのゆとりでスキルアップする。そして、視野が広がったスタッフが新たな課題を見つけ出すという好循環だ。
業務改善の基盤を確立し、中川さん自身も変わった
最後に中川さんは、kintone導入による最大の成果は、業務の効率化ではないと語る。真の成果は、部署全体でコミュニケーションを重ね、継続的に改善を生み出し続ける基盤を構築できたことにあるという。
中川さん自身にも大きな変化が訪れた。配属当初は、パソコンもシステムにも苦手意識があり、新しい挑戦に後ろ向きだった。「それが今では、自ら課題を探すようになり、ITアレルギーも克服できました。性格も積極的になって、何より『仕事を心から楽しい』と思えるようになったのが一番の変化です」(中川さん)
そして一連の取り組みを通じて、業務改善は「本当の課題や辛さ、痛みを知る現場」から進めることこそが何より重要だと痛感したという。中川さんの今後の目標は、引き続き現場主導の業務改善を推し進めつつ、他部署や会社全体にまで広げていくことだ。
最後に中川さんは、「kintoneが大好きです。私の頼もしい業務改善の味方として、これからもよろしくお願いいたします」と締めくくった。
セッション終了後には、サイボウズ松山オフィスの村上優さんとのアフタートークが繰り広げられた。
村上さん:現場に寄り添った業務改善をされているのが伝わりましたが、3つの定着施策の中で、何が一番大変だったでしょうか。
中川さん:えひめレスQセンターは、人数が多い部署なので、誰をまず味方につけたらよいかにすごく悩みました。
村上さん:そこでリーダーの方とタッグを組めたのが成功の秘訣ですね。反対勢力も多かったと思いますが、他に工夫した点があれば教えてください。
中川さん:平均年齢が高めなので、まずは、スマホ自体の使い方から説明したのですが、今では皆さんkintoneまで使いこなせています。
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