11回目のSORACOM Discoveryで見えてきた圧倒的な強み

AI時代もIoTはやっぱりSORACOM! そう確信できた10のポイントとは?

大谷イビサ 編集●ASCII

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爆発的なセキュリティの脅威にデバイスからシステムレベルで対応

 今回のSORACOM Discoveryで特にアピールされたのがセキュリティだ。省リソースで、脆弱性を抱えたIoTデバイスは、攻撃のターゲットになることも多く、生成AIの悪用でそのリスクはますます高まっている。特にロボットやモビリティは乗っ取られると、施設や人への攻撃など物理的な影響が出てしまう。ソラコムの片山暁雄氏は、「従来よりもデバイスや接続先の信頼性をどのように担保するかが重要になっている」と語る。

セキュリティやSIMについて説明するソラコム Chief Engineering Officerの片山暁雄氏

 これに対して、ソラコムは通信の入り口であるSIMを「Root of Trust」と位置づけ、デバイス認証の中心に据える。そもそもSIMは「Subscriber Identity Module」の略称であり、認証のための鍵やユニークなID、安全な鍵生成の機能も有する。こうしたSIMの認証情報とSORACOM Kryptonを活用することで、ゼロタッチでの初期化が実現する。また、SIM自体が乗っ取りに対する高い耐タンパ性を持つが、万一の乗っ取られた場合でも、パケットキャプチャやトラフィック解析、遠隔からの通信の停止も可能だ。

 ネットワーク自体もセキュアだ。SORACOMのプラットフォームは、閉域ネットワークで構築されており、外部からのインバウンドアクセスは基本的に拒否し、一時的なアクセスはセキュアなSORACOM Napterを利用する形態になっている。また、アウトバウンドへのアクセスはIPアドレスでの制限のみならず、新たに提供されるVPGトラフィックフィルタリングを使えば、ドメイン単位で通信を制御できる。

あらゆるレベルのセキュリティリスクに対応するソラコム

 もちろん、SORACOMプラットフォーム自体への外部からの攻撃も多いが、同社のセキュリティ対策はSOC TypeⅡを受けており、外部からも評価されているとのこと。閉域網を前提としたソラコムはもともとセキュリティ面で強固だが、AIを用いた攻撃の激化に対しても、クラウドやデバイスを含めて対応していることが改めて理解できた。

たたき上げた通信コアをキャリアに提供する新ビジネス

 SORACOMの競争力の源泉は、クラウドを前提としたセルラーコアネットワークである。簡単に言えば、ハードウェア前提だった通信事業者のシステムを、クラウド上に実装してしまったインパクトだ。先日、NTTドコモがAWS上での5Gコアの商用化を発表したが、ソラコムは10年以上も前に少人数のエンジニアでセルラーコアネットワークを自前開発していたのである。

SORACOMのコネクティビティについて解説するソラコムCTOの安川健太氏

 ソラコムCTOの安川健太氏によると、SORACOMのセルラーコアネットワークは、セルラー標準のインターフェイスを実装した加入者管理システムやゲートウェイなどの分散システム「Polaris」と、Polarisおよびユーザー向けのAPIを提供するマイクロサービス群の「Dipper」、運用監視ステムの「Hubbie」で構成されている。通信の障害やトラフィック増、バージョンアップがあった場合は、自動的に代替の仮想サーバーやコンテナが立ち上がり、900万回線超の安定した通信を支えている。

 セルラーコアネットワークは今も進化を続けている。最近では創業当時からC言語とLinuxカーネルで実現していたパケット処理機構を数年かけてRustで書き直したという。AWSのGravitonプロセッサーへの対応も果たし、インスタンス数や電力容量も削減し、さらなるパフォーマンス強化も実現した。

 さらに今回はソラコムの虎の子とも言えるこのセルラーコアネットワークの外販が発表された。パートナーとなる通信事業者は、SORAOCMのセルラーコアネットワークの必要な機能を自社サービスに組み込むことが可能になる。実際、ソラコム傘下のミソラコネクトは加入者管理システムをSORACOMで実現しており、顧客ニーズに応じたスピーディなサービス展開に寄与している。キャリア向けビジネスという観点でも、今後は大きな成長が期待できそうだ。

セルラーコアネットワークのパートナーへの提供も開始

「AIのガソリン」であるデータへの知見 異色に見えた「Wisora」の存在価値

 これまでのIoTプロジェクトの課題の1つは、データを溜めることに焦点が当てられ、データから価値を創出するレベルまで行き着かないことだ。データ自体が大量で、多種多様という課題もあったが、分析するまでの手間の多さやスキルも問題だった。その点、ソラコムはデータの可視化に早くから取り組んできた。データの置き場所としてSORACOM Harvest Data、ダッシュボードを作成できるSORACOM Lagoonを用意し、ユーザーのデータ活用を支援してきた。

データパイプラインについて語るソラコム CTO of Japanの松井基勝氏

 その後、生成AIを活用したSORACOM Queryが登場。データ分析基盤としてSnowflakeを活用し、ソラコムが保有する通信データとユーザーのセンサーデータを掛け合わせ、データを価値に変えることが容易になっている。最新版では、レポート出力も可能になり、CSVファイルとQueryテーブルを組み合わせた分析も可能だ。分析のためのデータパイプラインがサービスに組み込まれているのがSORACOMの強みとなっている。

 ソラコムのサービスとしては異色に見られがちのチャットボットサービス「Wisora」もデータ活用の文脈で見ると、実に合理性がある。カスタマーサービス向けのチャットボットを構築する場合は、自ずと社内データが必要になるからだ。Wisoraは発表されたばかりのSORACOM Agentとの連携も可能になっており、カメラやセンサーなどのデータも取り込める。フィジカルとデジタルをつなぎ、サービスにつなげる架け橋として、Wisoraの存在感はますます高くなっていきそうだ。

SORACOM Agentを介して、物理空間ともつながれるWisoraでオフィス内の人数を調べる

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