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AMD、基板面積を60%削減し帯域幅を拡大した「Versal Premium Gen 2 MoP」を発表、LPDDR5Xをパッケージ内に統合

2026年07月01日 15時00分更新

文● ドリル北村

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 AMDは6月30日(現地時間)、LPDDR5Xメモリを単一パッケージ内に統合したアダプティブSoCの新製品「AMD Versal™ Premium Gen 2 Memory on Package(MoP)」を発表した。本製品は、最大32GBのメモリー容量と最大288GB/sの広帯域幅を提供しながら、従来のディスクリート(個別配置)構成と比較して実装基板面積を最大60%削減。設計の複雑さを大幅に軽減し、開発期間の短縮に貢献する。

 物理AIやネットワーキング、航空宇宙・防衛などの分野では、限られたスペースと限られた電力枠の中で処理するデータ量が急増している。こうした課題に対し、新製品のMoPアーキテクチャーは、テスト・計測機器、プロ向けビデオ編集、防衛用のセキュアな通信/アクセラレーションに使われるVPXシステムなど、特に省スペース性と高帯域が求められる用途をターゲットにしている。

省スペース化と高帯域の両立

 新デバイスは、LPDDR5Xメモリーをパッケージ内に直接統合(オンパッケージ化)することで、高速なデータ転送と低遅延、さらに低消費電力を実現する。これにより、従来の外部メモリー構成では困難、あるいは実用的でなかった「EDSFF(Enterprise and Datacenter Standard Form Factor)」や「3U VPXシステム」といった小型フォームファクターへの採用を可能にした。

 さらに、データセンター向けCPU「AMD EPYC™」と組み合わせることでデータ集約型アプリケーションを加速できるよう、最大64Gb/sのPCIe® 6.0およびCXL® 3.1をハードIPとして統合。最大9000Mb/sのLPDDR5X対応や、CXLメモリープーリング/拡張モジュールへの接続により、柔軟なメモリーリソースの拡張をサポートする。

過酷な環境と長期ライフサイクルに対応

 要求の厳しい物理AIや産業環境を想定し、動作温度範囲は「-40度から110度」のインダストリアルグレード(工業用仕様)をサポート。常時稼働が求められるシステムに適している。

 また、15年以上の長期ライフサイクルサポートが提供される点も大きな特徴だ。データセンター主導で更新サイクルの短いHBM(高帯域幅メモリー)とは一線を画し、メモリーの販売終了(EOL)や供給制限に伴う「強制的な基板の再設計リスク」を低減し、製品ロードマップの安定性を保護する。

 堅牢なセキュリティ機能も備えており、PCIe 6.0で導入された「PCIe IDE(Integrity and Data Encryption)」による通信データの保護、内蔵コントローラーによるDDRメモリー暗号化、さらにハードウェア処理の「400G高速暗号化エンジン」を搭載。プログラマブルロジック(PL)のリソースを消費することなく、高スループットを維持したまま強固なセキュリティを実現する。

市場投入までの期間(Time-to-Market)を短縮

 パッケージ内で事前に検証済みのLPDDR5Xインターフェースを採用しているため、プリント基板上での高速メモリールーティング設計が不要となる。これにより、基板レベルでのシミュレーションや検証作業の手間が省け、開発サイクルの短縮や再設計(リスピン)に伴うコスト削減が可能だ。

 開発者は、すでに出荷が開始されている標準的な「AMD Versal Premium Series Gen 2」デバイスを用いて、今すぐ開発に着手できる。既存のAMD Vivado™やVitis™といったツールワークフロー、対応IP、リファレンスデザインがそのまま利用できるため、過去の資産を無駄にすることなく新しいMoPデバイスへ移行できるとしている。

 「AMD Versal Premium Gen 2 MoP」は、2026年末までにサンプル出荷を開始し、製品の量産出荷は2027年後半(Next year's second half)に開始される予定だ。

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