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Zoomビジネスアップデート

“商談の風向きが変わった”を素早く捉えるAI活用術、「Zoom Experience Day」対談レポート

「仕事の6割はAIが代替」 営業マネージャーがAI時代を生き残るには“VPレベルの思考”が必要

文●大塚昭彦/TECH.ASCII.jp 写真● 曽根田元

提供: ZVC JAPAN(Zoom)

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営業現場へのAI浸透を“脅威”から“チャンス”に変えるために

 営業の現場にいま、AIツールが急速に浸透しつつある。その対象は、個々人の仕事だけでなく、マネジメントの仕事にも及ぶ。最近の予測では「近い将来、営業マネージャーの業務の6割がAIによって代替される」とさえ言われている。

 こうした話は、人間の仕事がAIに奪われる“脅威”と捉えられがちだが、その反対に“チャンス”にもなりうる。AIで自動化できる仕事、AIが得意とする仕事はなるべくAIに任せ、人間の営業マネージャーが果たすべき本質的な役割に集中すれば、チームとしてより大きな成果を達成することもかなうはずだ。

 それでは、営業マネージャーにとっての「本質的な役割」とは何か。「レベニューオペレーション(RevOps)の教科書」(翔泳社)の著書を持つ川上エリカ氏は、多くの企業に欠けている「営業オペレーションモデル(戦術設計)の構築と実践」だと指摘する。

 ZVC JAPAN(Zoom Communications日本法人)が4月に開催した年次カンファレンス「Zoom Experience Day」では、川上氏をゲストに招き、現在の営業組織が抱える問題点から、AI時代の営業マネージャーのあるべき姿、そこに向けた変革を可能にするAIツール「Zoom Revenue Accelerator」の価値などが議論された。聞き手は、自らも営業マネージャーであるZVC JAPANの永井佐紀氏が務めた。

ZVC JAPAN グロースマーケット第四営業本部 部長の永井佐紀氏(左)、Xactly(エグザクトリー)日本GTM統括責任者の川上エリカ氏(右)

 本記事でご紹介しているセッションは、以下のページからオンデマンド配信がご視聴いただけます。合わせてご覧ください。
■Zoom Experience Day 2026:オンデマンド配信中

「戦略」と「実行」の間に「戦術設計」がない日本の営業組織

 川上氏は、複数の企業で法人営業や営業マネージャーの仕事を経験したのち、BtoB向けのRevOps専門家として、顧客企業の営業組織におけるデジタルシフトや生産性向上の支援を行ってきた。2024年に前述の「RevOpsの教科書」を出版し、現在はインテリジェントRevOpsプラットフォームを提供するXactly日本法人でGo to Marketの責任者を務める。

 同セッションは、Zoom 永井氏が川上氏に質問していく形で進んだ。最初の質問は「日本の営業組織が抱えるオペレーションの課題は?」というものだ。これに対し、川上氏は「オペレーションモデルが存在しない会社が多いこと」だと答える。

 「会社として、もちろん事業戦略や重点テーマなどはあるわけです。ただし、そのあとの『オペレーションモデル(戦術設計)』がなく、一足飛びに実行へと移ってしまう。そうした会社が本当に多いと思います」(川上氏)

 本来であれば、営業現場で「実行」に移る前に、レベニュープロセスの構築やマネジメント、リードの受け渡し、商談プロセスの進め方(セールスケイデンス)などを、営業組織として綿密に設計しておく必要がある。だが、多くの企業ではこのステップが抜け落ちている。加えて言うと、これは営業組織に限らず、マーケティング、カスタマーサクセスといったレベニュー組織全般に見られる課題だと、川上氏は指摘する。

 オペレーションモデルがないために、営業成果の向上を目指すテクノロジー、デジタルツールを導入しても、期待する成果に結びつかないことも多いという。

 川上氏がよくある例として挙げたのが、「CRM導入の失敗」だ。CRMを導入したものの「現場の営業が商談の情報を入力してくれない」、あるいは「目的が情報を入力することになってしまい、使えない“ゴミデータ”ばかりがたまっていく」という失敗は、よく見られる現象だという。

 「いきなりCRMが導入されて『必要だから情報を入力しろ』と言われても、現場の営業さんとしては、なぜ入力するのか分からない、本当に使われるのかどうかも分からないので、『ひとまず適当に入力しておこう』となってしまいます。その結果、CRMがあっても使い物になるデータが入力されておらず、マネージャーの判断もこれまでと同じ“勘に頼る”ものになります」(川上氏)

 この問題を解消するには、CRMへの入力が、営業自身のメリットにつながる仕組みを作る必要がある。たとえば、商談データを入力することでリスクが早期に把握できる、マネージャーから適切なフィードバックやコーチングが受けられる、そして最終的には自分の業績アップにつながる、そんな仕組みが必要だ。

 「CRMに限らず、最近ではAIツールの活用でも、とにかく実行、実行、実行と、日本の営業組織では『戦術なき施策実行』が横行しています。これが、いわゆる“DX疲れ”の原因にもなっていると思います」(川上氏)

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