快適な買い物を支えるミリ波Wi-Fiと決済サポート
物販ブースがあるショップゾーンでは、来場者と出店者の双方に向けた対策が行なわれました。来場者向けには、ミリ波をバックホール回線として活用した公衆Wi-Fiが提供されています。これはモバイルのトラフィックをミリ波(Wi-Fi経由)に分散させることを目的としたもの。端末がミリ波に対応していなくても、Wi-Fiを介して高速大容量通信の恩恵を受けられるのが特徴です。圧倒的シェアを誇るiPhoneも日本モデルはミリ波には対応していませんが、これはすべての人が間接的にミリ波を利用できるのです。
また、このショップゾーンではネットワークスライシングを利用して、プライベート5Gエリアを構築しており、出店者にはプライベート5G用のルーターが貸し出されました。これまではお昼のピークタイムになると各店舗で通信エラーが頻発し、現金のみの販売に切り替えざるを得ない状況があったとのことでしたが、プライベート5Gを導入してからはエラーの報告がなくなり、店舗関係者からも「サクサクと処理が進んで、大変感謝している」との声が寄せられました。
テレビ中継の常識を変えるミリ波対応無線カメラ
グランドスタンド周辺では、ミリ波とプライベート5Gを活用した放送局向けの映像伝送が行なわれました。フジテレビの生中継プログラムなどで実際に使用され、テレビカメラに5G SA対応のトランスミッター(ソニーのPDT-FP1)を装着して通信し、専用のエンコーダーを用いることで高画質かつ低遅延な映像を届けることに成功しています。
フジテレビの技術担当者は「人が多い環境で従来の伝送装置を使用すると、画質が悪く遅延も多くなるが、今回の専用回線に近い仕組みでは画質が非常に良く遅延も少ないため、スタジオとの掛け合いなど、演出上も非常に助かった」と高く評価しています。実際、この取材した朝の番組でもその映像が使われたそうです。
さらに、普通のカメラならケーブルを引くのに大がかりな作業が必要ですが、無線カメラであれば現場に持っていき電源を入れるだけでわずか10~20分程度でセットアップが完了するという、運用面のメリットも実証されました。
XRコンテンツが拓く未来の観戦体験
特設のコンテンツゾーンでは、VRなどのXRコンテンツや4K映像の視聴体験が提供されました。大容量かつ低遅延が求められるこれらのコンテンツに対し、専用のスライスと通信遅延を抑える制御技術を適用することで、混雑環境下でも滑らかな没入体験を実現しています。
ソフトバンクの担当者は「自社のAI技術と今回の通信技術を組み合わせることで、将来的にF1ドライバーの姿をしたAIとリアルタイムで会話をしながら楽しむような、新しい世界が来るのではないか」と期待を寄せていました。
【まとめ】過酷な環境で証明された
ソフトバンク+エリクソンのネットワークの実力
F1日本グランプリという、数十万人規模の観客が密集する過酷な通信環境において、ソフトバンクとエリクソンが展開した「5G SA」と「ミリ波」の取り組みは、ネットワークの真価を証明するものでした。異例の短期間で構築された基地局や、ネットワークスライシングによる用途ごとの品質保証は、単なる「繋がる」通信から「用途に合わせて最適化される」通信へとネットワークが変わっていく未来が見えました。
キャッシュレス決済の安定化や放送品質の向上といった実用的なメリットにとどまらず、XRを活用した新しい観戦スタイルなど、エンターテインメントの可能性も証明されました。今後、AIとの融合がさらに進めば、F1にとどまらずあらゆるイベント体験がより快適で楽しいものになっていくでしょう。
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