3月27~29日に「2026 FIA F1世界選手権シリーズ Aramco 日本グランプリレース」が開催された鈴鹿サーキットにおいて、ソフトバンクとエリクソンは共同でイベントサポーターに就任。「5G SA(Stand Alone)」と「ミリ波」を駆使したネットワークの取り組みを実施しました。
今年は3日間で約31万人が集まったという過酷な通信環境下で、通信の混雑を防ぐだけでなく、新たな視聴体験やスムーズなイベント運営を裏から支える施策が多数展開されました。現地での様子を交えながら紹介します。
基地局の大幅強化と異例の短期間での構築
大容量のデータ通信を処理するため、ソフトバンクとエリクソンはアンテナ技術であるMassive MIMOを大幅に強化しました。特に注目されるのは、3.4GHz、3.5GHz、3.9GHzという3つの周波数帯を1つの装置に集約した「3バンドMassive MIMO」の導入です。これにより、装置の体積と重量を約40%削減し、効率的な設置が可能となりました。
通常であれば交渉から電波発射まで半年から1年かかる基地局の工事ですが、大阪万博で使われた機材を流用するなどの工夫を凝らし、わずか2ヵ月半という短期間で完了させています。現場の担当者は「天候などの要因による遅延が許されない中、さまざまなバックアッププランを考えながら短期間での搭載を実現できた」と説明しました。
また、続けて「重要なのは箱の数ではなく、中に入っているアンテナエレメントとそれを制御するソフトウェアをいかに上手く調整できるかによって性能が決まる」と強調しています。
複数の用途を同時に叶えるネットワークスライシング
今回の目玉として、5G登場時の特徴的な機能とされてきた、1つのネットワークを仮想的に分割し、用途ごとに最適な品質を提供する「ネットワークスライシング」が導入されました。会場内では、一般向けの高品質SA通信、XRコンテンツ向け、キャッシュレス決済向け、ミリ波とWi-Fiの連携向け、ミリ波を活用した映像伝送向けという、要求される品質が異なる5つのスライスが同時に提供されました。
これに加え、1分間隔でネットワークの状況を取得し、自動で無線パラメーターを最適化するリアルタイム制御も組み合わされています。5Gの需要に対応し、コアネットワークを含めて4Gに依存しない5GオンリーのネットワークとなるSA方式への移行を進めることで、真の5G体感を提供できると、担当者は話します。
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