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「YouTube×楽天」が始動、動画の熱量で即ポチれる検索不要の買い物革命

2026年02月19日 13時30分更新

文● サクラダ 編集●飯島恵里子/ASCII

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 グーグル、楽天グループは2月19日、都内で記者発表会を開催し「YouTube ショッピング アフィリエイト プログラム」の日本導入と、楽天グループとのパートナーシップ締結を発表した。これにより、YouTubeの動画内で紹介された商品を、視聴者が動画を見ながらシームレスに楽天市場で購入できる仕組みが本格稼働する。

左から右へグーグル日本法人 代表 奥山真司氏、YouTube Japan 代表 山川奈織美氏、Nous Inc. 代表取締役 /ヘア&メイクアップアーティスト 小田切ヒロ氏、楽天グループ 代表取締役会長兼社長 三木谷浩史氏、楽天グループ 専務執行役員 コマース&マーケティングカンパニー プレジデント 松村亮氏

動画の「熱量」を逃さず、楽天市場の商品をダイレクトに購入可能へ

 今回の提携は、YouTubeがグローバルで推進する「クリエイターエコノミー」と、国内最大級のECモールである「楽天市場」がタッグを組んだものだ。これまでもYouTubeにはショッピング機能が存在したが、今回のプログラム導入により、参加資格を満たすクリエイターは、自身の動画(長尺動画、ショート、ライブ配信)に、楽天市場で販売されている商品をタグ付けできるようになる。

 発表会に登壇したグーグル日本法人 代表の奥山真司氏は、「日本の視聴者の76%がYouTubeを最も信頼できる動画プラットフォームだと回答している」というデータを提示。クリエイターへの「信頼」と商品紹介動画での詳細なレビューによる「納得」が、新たな購買体験を生み出すと語った。YouTube Japan代表の山川奈織美氏も、「クリエイター、視聴者、そしてブランド(店舗)の『三方よし』のエコシステムを加速させる」と自信を見せる。

楽天グループ 代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏

 一方、楽天グループ 代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は、「1997年の創業時は、ネットでモノなんて売れないと言われていた」と振り返りつつ、「我々のコンセプトは『Shopping is Entertainment』。単にモノを並べるだけでなく、店舗とユーザーがコミュニケーションを取りながら買い物をするという点で、YouTubeとの親和性は極めて高い」と提携の意義を強調した。楽天グループ 専務執行役員 コマース&マーケティングカンパニー プレジデントの松村亮氏も、「5万を超える楽天の出店店舗にとっても、熱量の高い視聴者層へ商品を届ける大きなチャンスになる」と期待を寄せた。

 今回の仕組みの最大の特徴は、視聴者の購買フローが劇的に簡略化される点だ。従来、動画でお気に入りの商品を見つけた視聴者は、いったんYouTubeを離れブラウザーを開いて商品名を検索し、ECサイトへアクセスする必要があった。しかし新機能では、動画上に表示される商品タグをタップするだけで、そのまま楽天の購入ページへ遷移できる。さらに、楽天アフィリエイトの仕組みを活用することで、紹介したクリエイターには成果報酬が入る仕組みだ。

 この「体験の変化」について、実際に先行テストプログラムに参加したヘア&メイクアップアーティストで、YouTubeチャンネル「HIRO BEAUTY CHANNEL」を運営する小田切ヒロ氏がゲストとして登壇し、その衝撃を語った。

 小田切氏は、これまでの自身の動画での商品紹介を振り返り、「これまでは、視聴者の皆さんが動画を見て商品を『欲しい!』と思っても、一度検索するというワンクッションが入ることで、どうしても熱量が冷めてしまう瞬間があった」と指摘する。しかし、今回の機能を試用し、「動画を見て高まった『欲しい』という情熱のまま、検索でワンクッション置くことなく、熱量そのままにチェックアウトまでできる。これは本当に『革命を感じた』」と興奮気味に語った。

 小田切氏が強調したのは「動画から購入まで自然につながる購入体験」の心地よさだ。動画内で「これいいよ!」と紹介された瞬間に画面上に商品が表示され、タップすれば詳細が見られ、そのまま購入できる。この一連の流れがシームレスであることこそが、視聴者にとってもストレスフリーであり、クリエイターにとっても「本当に良いと思ったものを、熱量そのままに届けられる」という信頼につながるという。

 「買い物は義務的なものではなく、ワクワクするもの」と語る小田切氏の言葉通り、今回のYouTubeと楽天の連携は、単なる機能追加にとどまらず、エンターテインメントとしてのショッピングを次のステージへ引き上げる可能性を秘めている。

 なお、本プログラムは資格要件を満たす日本のクリエイターを対象に提供される。主な参加要件は以下の通りだ。

・チャンネルがYouTube パートナープログラムに登録されていること
・音楽チャンネル、公式アーティストチャンネルではない、または音楽パートナー(音楽レーベル、音楽配信会社、VEVOなど)に関連付けられていないこと
・チャンネルの対象視聴者が子ども向けに設定されておらず、子ども向けに設定された動画の数が多くないこと

 音楽系のチャンネルについてはアーティストグッズなどの販売システムがすでに用意されていること、楽曲に関する権利関係が複雑であるなどの理由から、本プログラムの対象外となるという。

 YouTubeでの商品紹介動画(ショッピング関連動画)の再生時間は、日本国内で前年比80%以上増加しているという。膨大な商品数を誇る楽天市場と、圧倒的な発信力を持つYouTubeクリエイターが直結することで、日本のEC市場にどのような化学反応が起きるのか。2026年、動画コマースが大きな変化を巻き起こしそうだ。

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