分離感が向上し、ややドライな表現に
デノン試聴室でSONIKの音を体験することができました。再生されたのは、3曲で、前者は左にベース、右にギター、中央にピアノを配置したスイングジャズ(ピアノトリオ)。ヴィヴァルディの調和の幻想(オーケストラ演奏)、歌手・金子由香利によるシャンソンです。
DALIはマニュアルなどで平行配置を推奨していますが、実際はスピーカーとリスナーを正三角形の頂点(左右60度)の位置に置き、左右のスピーカーは若干内振りに(60度よりはかなり広く)したほうが良いとのこと。
その上で指向性の高いブックシェルフ型はやや内側に向け、逆に指向性の広い上位モデルは外側に広げたほうがいいそうで、試聴もその方針に沿った形でセッティングがなされていました。
OBERON 1とSONIK 1との違い
ウォームで肉厚な響きが感じられるOBERON 1に対して、SONIK 1は全体に軽く繊細な響きで、高域がワイドレンジに伸びる印象です。ボーカルの美しさはOBERONの特徴でしたが、SONIK 1はややドライな音作りというか、音離れや解像感が高く、現代的な響きと言えます。音の印象はかなり変わったというのが正直なところです。
低域も十分に鳴っていますが、小型のブックシェルフということもあり、少し窮屈さも感じます。ボーカル中心であったり、ニアフィールドのリスニングであれば、特に気にならないと思いますが、スケール感や低域の音程感、解像感を重視するのであれば、そこが上位機との差になります。
音場の広さという観点では、OBERON 1はピアノトリオの再生時に、左のスピーカー、右のスピーカーのどちらからなっている音が比較的わかりやすかったのですが、SONIC 1はこれらの音が自然に混じり、一体となった音場が形成されていました。空間再現性についてはかなりの進化があると言えそうです。
ウーファーがダブルになったSONIK 5
SONIK 5は、SONIK 1と同じ、29mmのツィーターと130mmのウーファーを組み合わせた2Wayてすが、低域のユニットが一つ増え、ダブルウーファーになった製品です。フロアスタンディング型ですが、高さは80cmと1m以下で非常にコンパクトなのも特徴です。
ピアノトリオでは低域のボリューム感が上がる一方で、たまにブーミーな印象もありますが、低域に余裕が出る分、中高域の解像感がより自然に向上する感覚もありました。オーケストラ演奏では、低域が補われたほうがより自然なバランスとなり、チェンバロやギター的な弦を弾く音がより際立つ印象がありました。シャンソンについても、声が近くなり、抱擁感が向上、声の柔らかな質感や、かすれ具合、口の動きなどが明瞭になりました。ただし、ブックシェルフよりは音像が大きくなる面もあります。
プレナー型を追加したSONIK 7
最後にSONIK 7。プレナー型のユニットを無理してつけた理由がわかる音の変化を感じられました。大きな違いとしてはシャンソンの再生で、音の安さがなくなる点があります。情報量が上がったうえで、声にニュアンスが乗ってきます。アコーディオンのダイナミクスであったり、ピアノの張り出し感だったり、細部の表現も感情に訴えかけるものとなります。
また、オーケストラ演奏やピアノトリオの演奏では、音に熱気が加わる印象です。低音の量感が大きな理由だと思いますが、同時にウッドベースの音を聞くと、アタックの鋭さや、立ち上がりの良さも感じられます。
このように、SONICシリーズではウーファーの上がスムースに伸びて帯域が広がること、ウーファーとクロスするツィーターの下の部分もレスポンスよく軽く動くことによって、結果、レスポンス良く音が立ち上がり、付帯音が少なく、より繊細で細かな表現が可能になることを確認できました。
しっとりとしつつ抜けもいい独特な音の個性は感じにくくなった面もありますが、パフォーマンスは確実に上がった印象です。
DALIのSONIKシリーズは、今後も同社のHi-Fiスピーカーにおいて中核的なシリーズになると予想できます。人気のOBERONシリーズをアップグレードしたのはもちろん、KOREから降りてきた最先端技術と、スカンジナビアの豊かな感性が融合した、次世代のスタンダードスピーカーと言えます。
技術的な進化により、従来の「暖かい音」に「圧倒的なスピード感」が加わったSONIK。音楽に没頭する時間はもちろん、映画の迫力、日常のBGMに至るまで、あなたのライフスタイルを上質な音で彩ってくれるはずです。













