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これは売れそう、ペア10万円以下から買えるDALIの本格スピーカー「SONIK」発表

2026年02月25日 11時00分更新

文● ASCII

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OBERONに近い構成だが、KOREの技術でユニットを進化

 SONIKの特徴は、KORE以降にリリースされたほかのDALIスピーカー同様、「有機素材を活用した、DALIらしいウォームなサウンド」「緻密で広大な空間表現」を高い水準で両立した点にあります。

 DALIは伝統的にシルク素材を活用したソフトドームツィーターやウッドファイバーコーンなど、音の温かみを感じさせる「有機素材」を大切にしてきました。しかし、これらはクッション性が高く、反応が緩やかになるため、微細な情報を失いやすいという弱点も持っています。

 これを打破したのが、KOREで確立された最新のドライバー技術です。もちろんSONIKは、こられをすべてそのまま採用したわけではないですが、OBERONの構成を踏襲しながら、コストに配慮し、要所要所で必要な技術を取り入れることで、全体の水準を上げることに取り組んでいます。

OBERON 1

SONIK 1

1. 29mm大口径ツィーターの「脱・磁性流体」

 まずは高域を担当するツィーターから。SONIKに搭載された29mmのソフトドームツィーターは一般的なスピーカーと比べてかなり大口径です。

 ツィーターは高域を担当するユニットであるため、どの周波数まで高音が伸びるかに関心が行きがちですが、実際には子音など耳が敏感に反応する中音域も担当することになります。つまり、低い帯域も歪みなく再現し、ウーファーとうまくつながることが重要となりますが、ユニットが大口径になれば、そのぶん低い周波数帯の再生時に余裕が出てきます。

 このコンセプトはOBERONから継承されており、29mmという口径も変わりません。ただし、この大型の振動板を、レスポンスよく動かすためにKOREで培ったノウハウを投入しているのがポイントです。

口径の大きな29mmのソフトドームツィーター

 通常のスピーカーでは、ボイスコイルの隙間に磁性流体を流しています。これがあることでユニットが駆動した際の放熱や、ぐらつきの悪影響を減らすことができます。また、安定した品質のユニットを低コストで製造できるという利点もあり、市場に出回っているスピーカーの大半がこの磁性流体を採用しています。しかし、DALIのフラッグシップであるKOREは、高音質化のためにあえてこれを使わないことにしました。

 磁性流体を排除するとちょっとした振動の乱れがノイズの原因になってしまうため、ドライバーの精度が求められます。生産上のリスクは高いものの、コストをかけてその課題に取り組んだ点に、音の純度とスピード感を優先するDALIの執念を感じ取れます。

 このコンセプトはSONIKも踏襲していますが、さすがに磁性流体そのものをなくすことはできませんでした。代わりに、ひと足先にリリースされた「KUPID」と同様、極めて低粘度の磁性流体を採用し、ボイスコイルの動きを妨げる「粘り」を可能な限り排除して、飛躍的に高いレスポンスを得ることに取り組みました。これがLow Loss ソフトドーム・トゥイーターです。

 これは特に低域側の反応に有効で、ウーファーとのつながりも極めてスムーズになっています。

2. 進化した「クラリティ・コーン・テクノロジー」

 ウーファー部分で目を引くのが、コーン表面に刻まれた「馬蹄形の模様」です。これは「クラリティ・コーン・テクノロジー」と呼ばれ、コーンのたわみ方を意図的にコントロールする役割を果たします。

ウーファーユニットの解説図

クラリティコーンがない場合と比較すると、高域の山が緩やかでピークを抑えているのがわかる。ピークができるとそれよりも上の音が感じにくくなるため、 ツィーターとのつながりが悪くなる面もある。

 この馬蹄形の凹凸を配置することで、たわみ方が平均化し、1kHz以上の高音域をスムーズに伸ばすことに成功しました。この模様(折り目)がある場合とない場合を比べた場合、ともに700Hz程度までは同じ特性で、正確なピストンモーションができています。しかし、それより上の帯域では、コーンが不規則にたわみ、共振が生じることによる悪影響が確認できます。折り目がないと、1kHzを超えた高い周波数に、不自然な音の盛り上がり(ピーク)が発生し、それより上の音をマスクする(結果、ツィーターとのつながりが悪くなる)ことになります。

3. SMCテクノロジーの継承

 DALIの特許技術である「SMC(ソフト・マグネティック・コンパウンド)」も、もちろん全モデルに採用されています。SMCは特殊なコーティングを施して電気を通さないようにした鉄の粒で、これを磁気回路に活用しています。渦電流などの影響で発生し、音の濁りの原因となる「三次高調波歪み」を徹底的に排除。クリアで透明感のある中音域の実現に貢献しています。

SMCがある場合とない場合での歪みの比較

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