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胃腸薬「タケプロンs」ってどんな薬? アリナミン製薬に聞いてみました

2026年03月13日 15時00分更新

文● ASCII

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2025年8月発売の胃腸薬「タケプロンs」とは?

 起床時、会議やプレゼンの前、緊張する来客対応時……キリキリ、キューッ。大切なシーンで、胃が痛んで困った経験のある方も多いのではないだろうか?

 胃腸のトラブルに対して、処方箋が必要な医療用医薬品と同一の成分を含むとして2025年8月に発売されたのが、アリナミン製薬の「タケプロンs」という胃腸薬だ。

 タケプロンsは、市販薬としては新しいPPI(プロトンポンプ阻害薬)というタイプの薬で、これまで医師から処方を受けないと手に入れられなかった医療用医薬品と、同じ成分(ランソプラゾール)を含んでいる。

 医療用医薬品の有効成分を市販薬に転用する「スイッチOTC(※)」の制度に基づく製品で、2024年6月に閣議決定された「規制改革実施計画」においてスイッチOTC化の加速が施策の一つに位置づけられたこともあり、2025年に商品化に至ったのだという。

 配合されている成分「ランソプラゾール」は、胃の壁細胞に存在し、胃酸分泌を担う「プロトンポンプ」と呼ばれるタンパク質の働きを阻害し、胃酸分泌を抑制する効果を持っている。医療の現場でも長年、胃のトラブルに対する医師や患者たちの選択肢として使用されてきたという。

 薬の種類としては、割と多くの人にとって身近なところにあると言える胃腸薬。アリナミン製薬の担当者に話をきき、タケプロンsの特徴を紐解いた。

※もともと医療用医薬品として処方箋が必要だった医療用医薬品の有効成分を、市販向けに転用した医薬品。

胃腸が痛む、それってどういう状態?

 そもそも、「胃腸の調子がすぐれない」「胃が痛い」とは、どのような状態なのだろうか? そして、なぜ胃酸の分泌を抑制することが、その改善に有効になるケースがあるのだろうか?

 アリナミン製薬の川上亙氏は、「胃痛はストレスなどで胃酸が出過ぎる『胃酸過多』の状態により胃粘膜が攻撃され胃に潰瘍ができ、その傷が痛むというイメージがあるかもしれません。しかし、胃や十二指腸の潰瘍の原因のほとんどがピロリ菌や、ある種の解熱鎮痛剤であることがわかっています。胃酸は胃痛の原因のひとつですが、必ずしも『出過ぎた』状態とは限りません。最近では、胃痛はストレスなどで胃が知覚過敏になり、そこに胃酸が触れて痛みが出ることが主な原因といわれています」と話す。

 つまり、胃酸を一時的に抑えて、胃壁への刺激を減らすというのがPPIを使う際の基本的な考え方になるようだ。胃酸をアルカリ性の化合物で中和させる制酸系の胃腸薬とは根本的な設計が異なる。また、胃粘膜の受容体のひとつをブロックして胃酸の分泌を抑制するH2ブロッカーと呼ばれるの胃腸薬と比べても、PPIは胃酸分泌の最終段階、出口に関わる部分の働きを阻害するメカニズムである。

 アリナミン製薬の陳野重也氏は「胃腸薬を大きく分けると、昔から使われている制酸系の胃腸薬、そして1992年から市販されるようになったH2ブロッカー、そして今回のタケプロンsのようなPPIに分類できます。タケプロンsの元となった『タケプロン』自体は、1992年から、国内の医療の現場で使われていますが、市販され、薬局で購入できる薬としては最も新しい機序の製品だと言えます」と話す。

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