Anthropicは2月11日、同社のデータセンターがもたらす電力価格上昇分を自社で負担する方針を発表した。電力コストの上昇を消費者に転嫁しない姿勢を見せた形だ。
同社によると、最先端の大規模AIモデル1件の学習には近くGW級の電力が必要となり、今後数年で米国のAI分野全体では少なくとも50GW級の電力が求められる見通しだという。国家安全保障や国際競争力の観点からもデータセンターの迅速な建設が不可欠だが、そのコストを電力利用者に負わせるべきではないと主張している。
同社では、データセンターが電気料金を押し上げる主な要因は2つあると説明する。1つは送電線や変電所など新設・増強が必要となる系統インフラ費用、もう1つは新たな需要増による電力市場の逼迫だ。Anthropicはまず、データセンター接続に必要な系統増強費用の100%を負担すると表明。これらは月々の電気料金への上乗せという形で同社が支払い、本来消費者に転嫁される分も引き受けるとしている。
さらに、データセンターの需要に見合う新規電源の導入を進め、発電所の新設が間に合わない場合には、需要増による価格上昇分を、電力会社や外部専門家と算定して補填する方針を示した。加えて、ピーク需要時に電力使用量をおさえるシステムや、系統最適化ツールへの投資を通じ、電力網への負荷軽減にも取り組むとする。
地域社会への還元も掲げている。現在進行中のデータセンター計画では数百人規模の恒久的雇用と数千人の建設関連雇用を創出するとしており、水効率の高い冷却技術の導入など環境負荷への配慮も進める。自社専用のデータセンターをパートナーと共同開発する場合はこれらの方針を直接適用し、既存施設を賃借する場合も電力価格への影響を抑える追加策を検討するという。
同社は企業単独の取り組みだけでは不十分だとも指摘し、エネルギー供給拡大を迅速かつ低コストで実現するための許認可改革や、送電網整備の加速といった連邦政策を支持する姿勢を示している。







