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コードを理解し、レビューする時代は終わる 元GitHub CEOが衝撃宣言

2026年02月12日 09時15分更新

文● G.Raymond 編集●ASCII

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 GitHub元CEOであるThomas Dohmke氏が2月11日、Xに投稿した「The concept of understanding and reviewing code is a dying paradigm.(コードを理解しレビューするという概念は死につつあるパラダイムだ)」という発言が、開発者コミュニティに波紋を広げている。

 同氏が新会社Entireの設立を発表する投稿の中で示されたもの。背景にあるのはもちろん、ここ数ヵ月で加速している生成AIの進化だ。Anthropic、Google、OpenAIといった企業によるコーディングエージェントの性能向上により、多くの場面で人間が直接コードを書くよりも、自然言語で指示を出す方が効率的になってきたという認識が一般的だ。

 従来のソフトウェア開発は、ファイルやフォルダに保存されたコードを中心に回ってきた。リポジトリに変更を加え、プルリクエストを通じて他者がコードを読み、差分を確認し、品質や安全性を担保する。コードを「理解する」こと、そして人間が「レビューする」ことが品質保証の要だった。

 しかしドームケ氏は、その前提自体が崩れつつあるとみている。エージェントが大量のコードを生成し、複数のAIが並列に作業する時代において、人間が一行一行を読み解くモデルはスケールしないという問題意識だ。開発プロセスは、コードの中身よりも「意図」「制約」「成果」に重心を移すべきだと主張する。正しさは人間の読解ではなく、テスト、アサーション、プロダクト指標、自然言語による仕様表現などで検証される世界を想定している。

 もっとも、この発言は「人間が品質管理から完全に退く」という意味ではない。むしろ、人間の役割はコードの細部確認から、目的設定、成果の評価、エージェントの監督へと移るという再定義に近い。レビューの対象はコードそのものではなく、エージェントの振る舞い、意図との整合性、ビジネス成果になるという見方だ。新会社Entireでは、エージェントと人間が協調し、学び、共にプロダクトを出荷するための次世代開発プラットフォームを目指す。

 生成AIが開発現場に深く入り込む中で、コードを読む力は本当に不要になるのか。それとも形を変えて残るのか。ドームケ氏の発言は、単なる挑発ではなく、開発という営みの本質を問い直す宣言でもある。

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