このページの本文へ

PC制御とEtherCATが拓く、金属積層造形の次世代プラットフォーム

ベッコフオートメーション株式会社
2026年01月14日

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ベッコフオートメーション株式会社
スイス・IRPD社による高品質な金属部品の造形事例

ベッコフオートメーション(本社:ドイツ・フェアル)の製品および技術は、世界各国のさまざまな産業分野で幅広く活用されています。今回は、スイスの積層造形機メーカーIRPDによるアディティブマニュファクチャリング分野での導入事例をご紹介します。

近年、産業分野における金属積層造形は、試作にとどまらず、量産対応や高付加価値部品の製造へと用途を拡大しています。その一方で、生産性の向上や品質の再現性、工程全体の効率化といった課題も依然として多く存在します。こうした課題に対し、スイス・ザンクトガレンに拠点を置くIRPDは、ベッコフのPC制御技術とEtherCATを採用することで、産業用途で求められる性能と信頼性を兼ね備えた金属積層造形システムを実現しました。


IMPACT 4530積層造形機の造形エリアと完成品の金属部品。(写真提供:ベッコフオートメーション)


コンテナ方式を採用したLPBF積層造形機 「IMPACT 4530」
IRPDは、25年以上にわたり積層造形分野に携わってきたアディティブマニュファクチャリング専業の機械メーカーです。UNITED MACHINING SOLUTIONSグループの一員であるIRPDは、主に自動車、航空宇宙関、切削工具メーカー向けに設計から後加工まで一貫したエンドツーエンドの生産ソリューションを提供しています。
同社が開発した金属積層造形機「IMPACT 4530」は、レーザー粉末床溶融法(LPBF)※1 を採用し、広い造形エリアと4基の1,000Wファイバーレーザーを組み合わせることで、多種多様な金属粉末から高品質な部品を柔軟に製造します。

IMPACT 4530の大きな特長は、コンテナ方式による自動化コンセプトです。造形用のコンテナと金属粉末供給用コンテナを自動で挿入・ドッキングすることで、セットアップ作業を標準化し、ダウンタイムを最小限にします。さらに、造形用コンテナに残った金属粉末を取り出し、不活性環境下でふるいにかけ、次回の粉末供給用コンテナに搬送する再利用システムや、造形板の搬送ステーション、コンテナのハンドリングモジュールなど、各種のモジュールを組み合わせることで、生産工程全体の効率化を図っています。
IMPACT 4530では、密閉状態の造形コンテナが機械にドッキングされると、即座に造形に適した環境が形成され、水平軸が造形板上に金属粉末の層を積み重ねていきます。これらの粉末層は複数のレーザーによって溶融され、目的の形状に積層されます。その後、造形板を数百分の1ミリ程度下げた後、新たに金属粉末を付け、造形が完了するまで同じ工程を繰り返します。ここで重要な要素はレーザーとガルバノスキャナー※2 です。これらを高速かつ高精度に制御することで、レーザービームをマイクロメートル精度で移動させることができます。このシステムは、ADSインターフェースを通じて、ベッコフのTwinCAT制御システムと通信します。

※1:3Dプリンターの主要な方式の一つ。金属などの粉末材料を薄く敷き詰め、高出力レーザーを照射して溶融・結合させ、一層ずつ積み重ねて立体部品を造形する技術。
※2:ガルバノメーターの原理を応用し、ミラーを高速・高精度に動かしてレーザー光を任意の方向へ精密に照射(走査)させる制御装置。


▶︎ IMPACT 4530 参考動画: