Stable Diffusion入門 from Thailand 第37回
画像生成AIで比較!ChatGPT、Gemini、Grokどれを選ぶ?得意分野と使い分け【作例大量・2025年最新版】
2025年12月26日 17時00分更新
画像生成AIが日常のツールになった2025年、Gemini、Grok、ChatGPTの3大サービスは、いずれも無料で高品質な画像生成機能を提供している。だが、実際に使い比べてみると、同じプロンプトでも仕上がりは驚くほど異なる。それぞれに明確な「個性」があるのだ。もはや「どれが最強か」ではなく「どう使い分けるか」が問われる時代である。本記事では実際の生成結果をもとに、3つのAIの個性と実用的な使い分け例を解説する。
同じプロンプト、3つの個性
①風景写真『東京タワーと桜の夜景』
まず、3つのAIに同じプロンプトで風景写真を生成させた。題材は「東京タワーと満開の桜が夜景の中に映る写真」だ。
プロンプト:東京タワーと満開の桜が夜景の中に映る写真。夜の東京タワーがライトアップされ、手前には満開の桜の木が数本。桜の花びらが柔らかくライトに照らされている。空は夕暮れから夜に変わる深い青色。写真は一眼レフカメラで撮影したようなフォトリアリスティックなスタイル。横長。
Gemini:フォトグラファー
色温度が自然で、桜のピンクと夜空の青のバランスが絶妙だ。構図も安定しており、NHKスペシャルで使われそうな正統派の仕上がりになっている。露出も適切で、「これ本物の写真では?」と疑うレベルのフォトリアリスティックさだ。
評価:★★★★★(自然さと完成度)
向いてる人:プレゼン資料、公式サイト、説得力が必要な場面
Grok:インスタグラマー
白く輝く桜が印象的で、空には雲が漂い、背景には都会的なビル群も映り込む。ドラマチックな演出が効いており、「映える」ことに全振りした仕上がりだ。現実よりも美しい、非現実的な魅力がある。
評価:★★★★☆(インパクトと派手さ)
向いてる人:SNS投稿、目立ちたい人、インパクト重視
ChatGPT:デザイナー
左右の桜が額縁のように東京タワーを囲み、舞い散る花びらが画面に動きを与える。構図のバランスが良く、ポスターやチラシに使えそうな洗練された雰囲気だ。商業的に「無難に良い」仕上がりといえる。
評価:★★★★☆(バランスと洗練)
向いてる人:広告、商用デザイン、バランス重視
②人物画『カフェで働く店員さん』
次に人物画像を生成した。「カフェで働く20代の店員さん」というプロンプトだ。
プロンプト:カフェで働く20代の店員さんの写真。エプロンを着けて、カウンターの前に立っている。自然な笑顔で、明るく親しみやすい雰囲気。背景はカフェの店内で、コーヒーマシンや棚がぼんやり見える。自然光が窓から差し込んでいる。写真は自然でリアルなスタイル。
Gemini:リアリズム追求
表情が自然で、服装も現代的だ。窓から差し込む自然光の描写が美しく、実在の人物のような説得力がある。背景の他の客やコーヒーマシンの描写も細かく、「この人に会えそう」と思わせるリアルさだ。
評価:★★★★★(自然さ抜群)
Grok:美化傾向
肌の質感が整いすぎており、やや美形に寄せた仕上がりだ。構図は安定しているが、「実在の店員」というより「カフェの広告モデル」のような雰囲気になっている。ビジュアル重視の用途には向いている。
評価:★★★☆☆(用途を選ぶ)
ChatGPT:親しみやすさ
満面の笑顔で、親しみやすい雰囲気だ。肌の質感は滑らかで、モデルのような仕上がりだが、過度に美化されすぎず、企業サイトの挿絵に最適なバランス感がある。商業利用を意識した万能型といえる。
評価:★★★★☆(万能型)
結論:実在感ならGemini、ビジュアル重視ならGrok、商業利用ならChatGPT
③文字入り『ネオンサイン「ASCII.jp」』
最後に、文字を含む画像の生成精度を検証した。「ASCII.jp」というネオンサインの看板を生成させる。
プロンプト:ネオンサインで「ASCII.jp」と書かれた看板の写真。夜の街中、ビルの壁面に設置されたネオンサイン。文字は明るく光り、周囲は暗い夜の雰囲気。ネオンの色は青とピンクのグラデーション。都会的でモダンな雰囲気。写真はリアルなスタイル。
Gemini:完璧な文字認識
「ASCII.jp」を誤字なく完璧に再現した。青とピンクのグラデーション、日本の路地裏の雰囲気、雨に濡れた路面まで細かく描写されている。文字入り画像の生成において、最も信頼できる結果だ。
評価:★★★★★(文字認識完璧)
向いてる人:看板、ロゴ、文字入り画像の作成
Grok:ほぼ成功、時々誤字
まれに「ASCll.jp」の綴りや大文字・小文字を間違えることがあった。ただし、複数枚生成したところ成功例も多く、実際の使用では複数回生成して選べば問題ない。雰囲気も良く、実用上は十分だ。
評価:★★★★☆(文字認識ほぼ良好)
向いてる人:複数生成して選べる環境、ビジュアル重視
ChatGPT:完璧かつモダン
「ASCII.jp」を完璧に再現し、枠付きのネオンサインとしてモダンなビル壁面に配置されている。構図もクリーンで、商業利用を意識した仕上がりだ。文字認識の精度と洗練されたデザインを両立している。
評価:★★★★★(文字認識完璧+洗練)
向いてる人:看板、ロゴ、広告素材
結論:文字入り画像は3つとも実用レベル。一発で完璧を求めるならGeminiかChatGPT、複数生成前提ならGrokも十分使える。
以上、3つのプロンプトで各AIの個性を検証した。風景写真ではGeminiのフォトリアリスティックさ、Grokの派手な演出、ChatGPTの洗練されたバランスが際立った。人物画ではGeminiの自然な実在感、Grokの美化傾向、ChatGPTの万能性が明確になった。文字入り画像では3つとも実用レベルだが、一発での精度はGeminiとChatGPTがやや優位だ。
重要なのは、どれも「失敗」ではないということだ。それぞれが異なる「正解」を提示している。この個性の違いを理解すれば、用途に応じて最適なAIを選べる。

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