エミライは、12月13〜14日に秋葉原で開催される「ポタフェス 2025冬 秋葉原」で展示予定の製品を集めたメディア体験会を開催した。Chord Electronics、iFi audio、FIIOなど同社が取り扱う製品の実機がデモされ、国内初披露の製品も紹介された。
その中から、気になる製品をいくつかピックアップして紹介する。これらの製品はすべてポタフェス 2025冬 秋葉原で体験可能だ。
Chord Electronics「Mojo2(4.4mm端子搭載モデル)」
本邦初公開モデル。小型の本体でありながら、多機能かつ高音質なChord Electronicsの「Mojo 2」に4.4mm端子を搭載したモデル。Mojo 2は、USB DAC内蔵のポータブルヘッドホンアンプだ。従来製品は3.5mmの出力を2系統装備していたが、その一方が4.4mm端子となる。
注意点は4.4mm端子はバランス駆動対応ではなく、4極のシングルエンド方式となっている点。出力は3.5mmと4.4mmが独立した仕様で、4.4mm端子のヘッドホン接続が検出されると、自動的に4.4mm用の音量・DSP・クロスフェード設定が適用されるという。機器ごとに異なる設定を適用したい場合などにも便利だ。
端子以外の基本機能はMojo 2を踏襲している。PCM768kHz/32bit、DSD256のネイティブ再生に対応。音質劣化のないトーンコントロールをうたった、フルトランスペアラント型ロスレスDSP「UHD DSP」も搭載している。
USB-C端子はデータ転送と充電の両方に対応。これに光デジタル、同軸デジタル(3.5mm)、Micro USB端子を加えた4系統のデジタル入力を備えている。外観はほぼ同じだが、ロゴの色が濃くなるといった細かな変更点もある。別売のPolyと組み合わせることで、ワイヤレス再生や最大2TBのmicroSDカードの使用が可能だ。
海外では発表済みで、予定価格は395ポンドとのこと(本国価格は従来と据え置き)。国内でも12月中にリリースされる見込み。最近のイヤホンでは4.4mm端子が標準になっているケースも多いので、助かるというユーザーも多いだろう。
iFi audio iDSDのUSB DAC製品
iFi audioの「iDSD Valkyrie Black」、「xDSD Gryphone Black」は本邦初公開。すでに国内で展示もされている「hip dac 3 Black」など同様、ブラックのカラーバリエーションを追加したものだ。なお、hip dac 3 Blackは電源部に新たなコンデンサーを採用するなど、一部の仕様が異なる。電源部が強力となったことで、S/N感が向上したり、ノイズ低減効果が期待できたりするという。
iDSD Valkyrie BlackとxDSD Gryphone Blackはともに2026年春の発売で、価格は未定。こちらは製品としては過去の記事などでも紹介しているが、仕様変更がない。iDSD ValkyrieはカスタムFPGAによるDSD1024リマスタリング機能を持ち、JVCケンウッドのK2HDテクノロジーに対応、6種類のオーバーサンプリングフィルターも持つ高級機種だ。xDSD Gryphoneはコンパクトだが、バーブラウン製のDACを搭載し、32Ωで1000mW/最大6.7Vと高出力を誇る。Bluetoothのハイレゾ伝送(aptX AdaptiveやLDAC)を含む、豊富なデジタル入力を持つ点も魅力だ。
サイズ感・質感・音質のバランスという面で個人的に注目したいのは、hip dac 3 Blackだ。価格的にも実売3万円台後半と手に取りやすいので、有線イヤホンのユーザーで、スマホの高音質化を検討している人はぜひ試聴してもらいたい。透明感があって、力強い音質を体験できるだろう。
FIIO DM15 R2R
新製品が増加傾向にあるポータブルCDプレーヤーの新機種。FIIOの製品では、「DM13 BT」というものがあったが、これを自社開発したR2R DACに変えている。1150mWの高出力なアンプやaptX Adaptive対応のBluetooth接続機能なども魅力だ。4色の本体カラー(Black、Silver、Red、White)と3色の専用ケース(Black、Brown、Orange)があり、演奏中のCDが見えるクリア天板もレトロフューチャーな感覚で楽しい。4.4mmのバランス駆動用端子なども装備する。発売は今冬で、海外での販売価格は249.99ドル(税抜)になる。
FIIO JH13
数千円クラスの低価格モデルながら3基のドライバーを内蔵した、本格的な有線ハイブリッド型イヤホン。天然ゼブラウッドのフェイス部など質感にもこだわっている。ドライバーは10mmのダイナミック型、2基のBA型ドライバーとなっており、10Hz〜40kHzとワイドレンジの再生が可能だ。内部的には、非対称磁気回路+CCAWボイスコイルの組み合わせで音の立ち上がりが鋭く、明瞭感のあるサウンドが楽しめる。ケーブルは着脱式(IEM 2pin)。
110dB/mW、24Ωと感度が高く、スマホなどのイヤホンジャックに直挿しても楽しめるが、hip dac 3 Blackと組み合わせたところ、価格からは信じられないぐらいいい音を体験できた。ハイコスパイヤホンを探している人には絶対おすすめだ。発売は今冬で、海外での販売価格は29.99ドル(税抜)になる。
ポタフェス 2025冬 秋葉原のエミライブースでは、これ以外にもFIIOのフラッグシッププレーヤーである「M27」やフラッグシップイヤモニの「FX17」、iFi audioの完全ワイヤレスBluetoothアダプター「Go pod Max」「Go pod Air」、Bluetooth DACのiFi audio「Go blu Air」、FIIO「QX13」、コンパクトなUSB DACのFIIO「Snowsky MELODY」、「Snowsky TINY A/B」、60mmの大口径ドライバーを採用したヘッドホンのFIIO「FT13」、エントリークラスの平面磁界型ヘッドホンFIIO「JT7」、開放型ヘッドホンのFIIO「JT3」、据え置き型DAC製品のFIIO「K13R2R」、FIIO「K15」、ガルバニック絶縁とアクティブノイズキャンセレーション機能を搭載したUSBケーブル「Silent Power Pulser USB」など多くの製品が展示される予定とのこと。


















