松本典子の「はじめよう！Azure Logic Apps／Power Automateでノーコード／ローコード」 第56回

Outlookの「日本の祝日」カレンダーを参照して、祝日の実行をスキップさせる方法

Power Automateで“祝日を除く”平日だけフローを自動処理させるには？

3. フローの作成

　祝日を取得する準備ができましたので、Power Automateでフローを作成していきます。Power Automateのポータル（make.powerautomate.com）にサインインします。

　「1. 祝日の取得方法」で説明したとおり、今回はスケジュール済みクラウドフローで作成します。ポータル画面の左メニュー「＋作成」を選択して、一覧から「スケジュール済みクラウドフロー」をクリックします。

スケジュール済みクラウドフロー

　新規作成のウィンドウが開くので、トリガーの内容（フローをいつ実行するか）を設定します。今回は「平日のみ起動する」設定を行います。次の内容を参考に設定してください。

　（1）フロー名：わかりやすい名前を入力
　（2）開始日：今回は「25/11/1」を選択
　（3）時間：自動実行させる時刻を選択（今回は「09:00AM」を選択）
　（4）繰り返し間隔：毎週繰り返すので「1週間」と設定。なお「週間」を選択すると、（5）の「設定曜日」が指定できるようになります
　（5）設定曜日：クリックして「日」「土」の選択を解除し、平日たけ（月曜から金曜まで）を選択

　以上の設定で、「月曜日から金曜日の午前9時に自動実行するトリガー」が準備できました。最後に「作成」ボタンをクリックすると、次のフローのデザイナー画面に移動します。

3-2. トリガーの設定

　トリガーが設定済みの状態でフローのデザイナー画面が表示されます（なお、今回は「モダンデザイナー」画面で解説します）。

　今回のフローでは「今日が祝日かどうか」の判定を行うため、今日（実行日）の日付が重要です。ただし、先ほど作成したトリガーは「協定世界時（UTC）」ベースで設定されており、そのままだと日付を誤って処理する可能性があります。

　そこで、トリガーの設定内容を、日本のタイムゾーンに変更しておきます。

トリガーの設定

　デザイナー画面の中央に「Recurrence」トリガーが表示されているので、これをクリックすると、左ペインに現在の設定内容が表示されます。変更する内容は次のとおりです。

　（1）タイムゾーン：「(UTC +09:00)大阪、札幌、東京」を選択
　（2）開始時間：入力済み文字列の末尾にある「Z」を削除
　（3）これらの時間に：「9」を入力
　（4）これらの分に：「0」を入力

3-3. アクションの設定：作成

　続いて、「データ操作」コネクタを利用して、フロー内で「今日が祝日かどうか」の判定に利用する「日時」の情報を取得します。

　先ほどの「Recurrence」トリガーの下に表示された「＋」をクリックすると、アクションを追加する左ペインが開くので、検索窓に「作成」と入力し、「データ操作」コネクタカテゴリにある「作成」アクションをクリックします。

アクションの設定：作成アクション

　「作成」アクションの「パラメーター」タブで「入力」欄をクリックし、「/」キーを押すとプルダウンメニューが表示されます。ここから「式を挿入する」を選択したうえで、右にポップアップする入力欄に以下の式をそのままコピー＆ペーストし、「追加」ボタンをクリックします。

formatDateTime(convertTimeZone(utcNow(), 'UTC', 'Tokyo Standard Time'),'yyyy-MM-ddT00:00:00')

　この式では、フローが実行された日時（UTC）を日本時間に変換し、それを「yyyy-MM-ddT00:00:00」のフォーマットに整形しています。