ユースケースで考える、NVIDIA DGX Sparkの可能性
では、どのようなユースケースにおいて、NVIDIA DGX Sparkは最大の価値を発揮するのだろうか。
「活躍できる場所」という意味では、企業の規模を問わないが、LLMの推論/学習やファインチューニング、カメラ映像などを対象としたマルチモーダルLLMの活用のほか、AI研究開発部門におけるプロトタイピング、外観検査、医療システム、ロボティクス分野での応用検証などで活用するのが、最も一般的な使い方になるだろう。
そのほか、教育機関で設備として導入するにも向いているだろうし、個人向けにも販売されるため、個人の研究/学習利用や、生成AIの活用、アプリ開発といった分野でも活躍できるはずだ。
すなわち、従来はクラウド前提だったAI処理を、ローカルで情報の秘匿性を保ったまま、かつ省スペースで実現したいと考えるユーザーや、プロトタイピングのPDCAを素早く回したいユーザーなら、NVIDIA DGX Sparkの価値を十分に発揮できるはずだ。
ほしければ“机に置けるAIスパコン”を持てる時代へ
イチ「知れば知るほど、会社が買ってくれたらうれしいなーと思えるマシンですね」
大塚「何より、ローカル環境に“本気のAIコンピューティング”が置けて、コスト面でもメリットが出せる点が、NVIDIA DGX Sparkのよさだよね。
昔……というか数年前まで、AI推論やデータサイエンスの本格的な処理なんて、クラウド前提だったんだよ。ローカルでここまでの負荷を扱えるマシンなんて、なかった。少し前なら研究機関や大企業にしか無理だったことが、この手軽さで実現できるのが、NVIDIA DGX Sparkのすごいところなんだ」
ほしい。というか、このレベルの処理を、この省スペースで実現できてしまう時代に乗り遅れたくない。そう思う編集部なのであった。
NVIDIA DGX Sparkのここがすごい!①
NVIDIA GB10 Grace Blackwell Superchip
NVIDIA DGX Sparkの処理性能を支えるのが、最新世代のNVIDIA GB10 Grace Blackwell Superchipだ。このチップはARMベースのCPUを二段構成で搭載し、Cortex-X925 ×10コアとCortex-A725 ×10コアによる効率的な並列処理を実現している。
Tensor演算性能は最大1000 AI TOPSに達し、FP16でも250TFLOPS、FP4ではなんと1PFLOPSという、まさに“机上のAIスパコン”にふさわしい演算力を誇る。
NVIDIA DGX Sparkのここがすごい!②
128GB Coherent Unified System Memory
CPUとGPUが同一のメモリー空間に直接アクセスできる。これによって、最大で2000億パラメーターモデルの推論と、最大700億パラーメーターモデルのファインチューニングに対応できる。
128GBという大容量のユニファイドメモリーは、一般的なGPUには見られない仕様だ。この大容量メモリーによって、パラメーター数の著しく多いモデルでの、ローカルでの動作に対応する。
NVIDIA DGX Sparkのここがすごい!③
NVIDIA ConnectX-7 ネットワーキング
NVIDIA DGX Sparkの高性能を支える重要な要素が、NVIDIA ConnectX-7 ネットワーキングだ。これは簡単に言えば、データを太く、速く運ぶ高速道路のような存在である。
AI処理では、GPUやCPUが計算した結果や大量の学習データを、別のGPUや外部ストレージ、場合によっては複数台のDGX間でやり取りする必要がある。ここで遅延があると、いくら計算能力が高くても処理は滞ってしまう。NVIDIA ConnectX-7は低遅延・高帯域幅でデータを運び、大規模AIモデルの分散学習やデータ処理をスムーズにしてくれる。
NVIDIA DGX Sparkのここがすごい!④
DGX OS & NVIDIA AI Software Stack
エンタープライズ向けのOS「DGX OS」を搭載。CUDA®、TensorRT™、cuDNN、NGC™などのAIソフトウェアをフルに活用できる。にもかかわらず、ネットワーク接続とアカウント作成さえ済ませれば、開封からおよそ30分程度でAI開発環境を使い始められる手軽さもある。
またJupyter、Ollama、Comfy UIなど、需要の多いツールを、迷いなく使い始められるように、公式のスタートガイドもオンラインで用意されている。













