つなぐ旅編集部が実際に東日本の市町村を訪れて、「ワクワクする」シーンを体験レポート。今回は岩手県盛岡市の旅の様子をお届けします!
盛岡三大麺「盛岡わんこそば」「盛岡冷麺」「盛岡じゃじゃ麺」を知ってますか?中でも地元の人が食べるのは冷麺。冬でも冷麺。そして盛岡のソウルフードで忘れてはならないのが「福田パン」。東京では食べられない福田パンを体験してきました!
(温泉編はこちらから)
最初に目指すは盛岡のソウルフード「福田パン」!
大宮駅から東北新幹線に乗り、生まれて初めての盛岡駅に到着! 心なしか空気が澄んでいる気がします。
まず向かったのは、地元民のソウルフードとして知られる「福田パン」です。盛岡出張の際は必ず福田パンを買うという友人の投稿を見たことがあり、いつか食べてみたいと夢見ていました。
Googleマップによると盛岡駅から徒歩12分。岩手県道293号本宮長田町線をてくてく北東へ歩きます。じきに見えてくるのが北上川。自分が渡る旭橋から、右を見ると開運橋、左を見ると岩手山が望めます。天気がいいので空も山も川もきれい!
ビルの向こうに山が見えるなんて東京では出会えない景色。いいなあとワクワクしながらまっすぐ歩いていくと、突然「福田パン」の看板が現れました。
盛岡駅から歩く間、ほとんど人通りがなかったのですが、福田パンの外にも中にも人、人、人。ここだけ人口密度が違う……。並んでいるのは地元の方と思しき大人の男女に混じって修学旅行中らしき中学生の姿も。
福田パンの創業は1948年。戦後まもない盛岡で生まれた老舗のパン屋さんで、いまでは“盛岡のソウルフード”として圧倒的な存在感を放っています。ふわふわのコッペパンに好きな具材を選んでその場で挟んでくれるスタイルは昔から変わらない名物。しかも、地域外への出店や大規模展開は一切せず、あくまで地元に根ざした店づくりを貫いてきたため、「ここでしか食べられない味」として長く愛され続けています。
どの具を注文しようかネットの書き込みを参考にシミュレーションしていたのですが、いざメニューを目にすると決められない。3代目社長の福田潔さんに聞いたところ、一番人気は「あん+バター」で、注文の3割を占めているそうです。50種類あるのに3割が「あん+バター」!
この大きさで185円は安すぎる。福田さんによると大手メーカーの菓子パンの約倍の生地量だそうです。福田パンの原点は、戦後の食糧難の中「学生たちに安価で満腹感を提供したいとの想いから」というのも頷けます。現在、絶賛ダイエット中の身ではありますが、公式サイトに書いてあった「1個でご飯2膳と牛乳1本分のカロリーを補える」という言葉は今日だけ忘れることにします(笑)。
福田パンは、生地の一部を事前に発酵させて作った中種を、残りの材料と混ぜて再度捏ねて発酵させる2段階製法の「中種法」で作っています。この中種を前日に練り、一晩かけて発酵させるという長時間発酵が、福田パンの美味しさの秘密。手間がかかってる!
ちなみに具に関しては内製ではなく、業務用の既製品。ただしあんこは塗りやすいよう、水分を多めに作ってもらう特別レシピで地元メーカーに作ってもらっているそう。バター、ジャムなどは塗りやすいよう、季節で硬さを変えてもらっているそうです。
福田パンは盛岡市を中心に直営店が4店舗あるほか、スーパーにも卸しています。ただしスーパーに卸すのは甘い系のパンのみ。惣菜系が食べられるのは直営店だけとのこと。また盛岡駅ビルにあるカフェが併設されたお土産物屋さん「GOZZO Iwate」にもパンのみを卸していて、オリジナルの具を挟んだパンが買えます。
あんバターの風味はありつつ甘ったるい感じではなく、コーンフレークのサクサクした食感がよかった
時間が経ってから食べても感動のおいしさ
せっかく来たのだから惣菜系も食べねば!ということで、社長おすすめの「オリジナル野菜サンド+チキンミート」もいただくことに。チキンミートとは、鶏のそぼろをからしマヨネーズで和えたものだそうです。
私はこれまでの人生でコッペパンが好きだと思ったことは一度もありませんでしたが、福田パンめちゃめちゃおいしかった! スケジュールの都合で持ち帰って夜ホテルで食べたのですが、2個続けてペロリでした。パンはふんわりと軽く、あんバターはくどくなくて口の中で溶ける感じ。野菜サンドは時間が経ったせいかキャベツのかさが減って食べやすく、野菜だらけで飽きるかなと思ったのですが、からしマヨがいいアクセントになってぜんぜん飽きなかった。BLTサンドっぽかった。また福田パンを食べるだけのためにでも盛岡に行きたい!
DATA
福田パン 長田町本店
住所:岩手県盛岡市長田町12-11
HP:https://www.fukudapan.com/
アクセス:JR盛岡駅より徒歩約13分
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