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ASCII Power Review 第299回

バッテリーベンチがえらいことに・・・

1kg切りなのにバッテリーで30時間超えのAIノートPC「VersaPro UltraLite タイプVY」実機レビュー

2025年11月29日 00時01分更新

文● 写真 ジャイアン鈴木 + 編集● ASCII PowerReview軍団

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 NECパーソナルコンピュータは1kg切りで世界最長の駆動時間を実現した13型ノートPC「VersaPro UltraLite タイプVY」を発売した。

 本製品は法人ユーザーをターゲットにしたCopilot+ PCだ。プロセッサーは40~47TOPSのNPUを搭載した「インテルCore Ultraプロセッサー(シリーズ2)」を採用。天板にカーボン素材を採用するなどして1kg切りの軽量ボディーを実現しつつ、世界最長と謳う約20.1時間(動画再生時)、約40.2時間(アイドル時)の駆動時間を実現している。

 またバッテリーパックが交換可能となっており、バッテリーが経年劣化してもマシンを手元に残したまま、新品バッテリーを取り寄せられるというのも、仕事を止めるわけにはいかない法人向けPCとして大きなメリットだ。

 今回は「インテルCore Ultraプロセッサー(シリーズ2)」のなかでもお手頃価格の「Core Ultra 5 226V」を搭載したマシンをNECから借用したので、使い勝手や、どのぐらいのパフォーマンスを発揮するのか実機レビューをお届けしよう。

「VersaPro UltraLite タイプVY」実機レビュー

NECパーソナルコンピュータ「VersaPro UltraLite タイプVY」

1kg切りなのに動画再生20時間超え
最小構成なら25万5090円で購入可能
 

 「VersaPro UltraLite タイプVY」はOSに「Windows 11 Pro」、プロセッサーに「Core Ultra 5 226V」/「Core Ultra 5 228V」/「Core Ultra 7 256V」を採用。メモリーは16GB/32GB、ストレージは256GB/512GB/1TBが用意されている。

 ディスプレーは13.3インチのWUXGA液晶で1920×1200ドットを搭載。基本スペックは共通で、タッチ対応、非対応の2種類のパネルから選択できる。

 インターフェースはThunderbolt4(USB4、PowerDelivery、DP Alt Mode対応)×2、USB 3.2 Gen2 Type-A(内ひとつはパワーオフUSB充電機能付き)×2、HDMI、有線LAN(1000BASE-T)、microSDカードスロット、3.5mmコンボジャックを用意。ワイヤレス通信はWi-Fi 7、Bluetooth 5.4をサポート。WWAN(LTE)対応モデルも選択可能だ。

 本体サイズ/重量は、通常モデルが299×214×18.2mm/バッテリー(S)で921g、バッテリー(L)で1031g、軽量モデルが299×214×17.9mm/バッテリー(S)で885g、バッテリー(L)で995g。バッテリー駆動時間は下記のとおりだ。

【バッテリー(S) 】
タッチパネル非搭載モデル
 動画再生時:約8.2時間・アイドル時:約14.6時間
タッチパネル搭載モデル
 動画再生時:約8.8時間・アイドル時:約17.6時間

【バッテリー(L) 】
タッチパネル非搭載モデル
 動画再生時:約18.7時間・アイドル時:約33.2時間
タッチパネル搭載モデル
 動画再生時:約20.1時間・アイドル時:約40.2時間

 直販サイト「NEC Direct」から購入する際には、このほかにも指紋認証センサー、プライバシーフィルター、バッテリーパック(バッテリーパック(S)「PC-VP-BP163」、バッテリーパック(L)「PC-VP-BP164」などを選択できる。

 ちなみに、Core Ultra 5 226V/ RAM16GB/ SSD256GB/ タッチ非対応ディスプレー/ バッテリーパック(S)/指紋認証センサーなしという最小構成であれば25万5090円、Core Ultra 7 256V/ RAM16GB/ SSD1TB/ タッチ対応ディスプレー/ バッテリーパック(L)/ 指紋認証センサーありという構成では32万8570円となる。法人向けということでやや高めの価格設定だ。

「VersaPro UltraLite タイプVY」実機レビュー

天面には東レのカーボン素材を採用。ミリタリー規格(MIL-STD-810H)準拠の耐久性と軽さを両立している

「VersaPro UltraLite タイプVY」実機レビュー

詳しくは後述するがバッテリーパックはユーザーが交換可能。軽量ノートPCとしては珍しい

「VersaPro UltraLite タイプVY」実機レビュー

ディスプレーは13.3型WUXGA液晶(1920×1200ドット)。タッチ対応、非対応の2種類のパネルを用意

「VersaPro UltraLite タイプVY」実機レビュー

キーボードは85キーの日本語配列(JIS標準配列)

「VersaPro UltraLite タイプVY」実機レビュー

本体前面と本体背面

「VersaPro UltraLite タイプVY」実機レビュー

右側面にはmicroSDカードスロット、USB 3.2 Gen2 Type-A、HDMI、有線LAN

「VersaPro UltraLite タイプVY」実機レビュー

左側面にはケンジントンロック、Thunderbolt4×2、USB 3.2 Gen2 Type-A、3.5mmコンボジャック

「VersaPro UltraLite タイプVY」実機レビュー

パッケージには本体、ACアダプター、電源ケーブルが同梱。「USBレーザーマウス」(2310円)と「再セットアップ用DVD(Windows 11 Pro版)」(2310円)はオプション

「VersaPro UltraLite タイプVY」実機レビュー

ACアダプターのコード長は実測180cm、電源ケーブルの長さは実測90cm

「VersaPro UltraLite タイプVY」実機レビュー

ACアダプターの型番は「ADLX65YCN2E」。仕様は入力100-240V~1.8A、出力20V 3.25A、15V 3A、9V 3A、5V 3A、容量65W

「VersaPro UltraLite タイプVY」実機レビュー

本体の重量は実測988g

「VersaPro UltraLite タイプVY」実機レビュー

ACアダプターと電源ケーブルの合計重量は実測259.7g

日常的にはSバッテリーで
出張時にはLバッテリーと使い分けるのもアリ
 

 法人向けノートPCとしてのイチオシポイントはバッテリーパックを交換できること。1kgを切る軽量モバイルノートPCでバッテリーパックを交換できる製品は少ないので、本製品の存在は貴重だ。また約150gのバッテリーパック(S)と、約259gのバッテリーパック(L)の2種類が用意されており、軽さと駆動時間のどちらを優先するかをユーザーが決められる。

 日常的に携帯するときにはS、出張などにはLなどと使い分けるのもアリだ。

「VersaPro UltraLite タイプVY」実機レビュー

底面の2本のプラスネジを緩めたのち、内部の2本のプラスネジを緩めれば、バッテリーパックを取り外し可能だ

「VersaPro UltraLite タイプVY」実機レビュー

「ECO」キーを押すと、動作モードを切り替え可能。バッテリー利用時間の目安も表示される

 本製品のディスプレーはタッチ対応、非対応の2種類から選べる。タッチ対応を選ぶとプラス1万4630円かかるが、個人的にはタッチ対応を強く推したい。

 というのもタッチ対応ディスプレーでは写真編集などで直感的な操作が可能だし、ドキュメントにイラストや注釈を入れる際にもタッチパッドやマウスよりも圧倒的にラクだ。

 手書きのラフイラストからイラストを生成する「コクリエイター」でも重宝する。タッチ対応、非対応はCopilot+ PCの使い勝手を大きく変えるので、慎重に決断してほしい。

「VersaPro UltraLite タイプVY」実機レビュー

タッチ対応ディスプレーでは写真編集などで直感的な操作が可能

「VersaPro UltraLite タイプVY」実機レビュー

ディスプレーは最大180度まで展開できる。対面で画面を見ながら操作するときや、イラストを描くときにも便利だ

 長年PCを作り続けてきたNECだけにキーボードの使い勝手は良好だ。キーピッチは19.0mm、キーストロークは1.5mmが確保されており、すべての文字キーが等幅に揃えられている。タッチパッドは実測約100×62.5mmと広めで、どちらのクリック感も良好だ。

 タッチパッドは全体が沈み込むダイビングボード構造だが、静音仕様なので図書室や喫茶店などで操作していてもクリック音は響かない。キーを底打ちすればそれなりの音が鳴るが、スタバ的な喫茶店であれば周囲の人が眉をひそめることはないはずだ。

「VersaPro UltraLite タイプVY」実機レビュー

キーピッチは19.0mm、キーストロークは1.5mmが確保

「VersaPro UltraLite タイプVY」実機レビュー

タッチパッドは実測約100×62.5mmが確保

 ウェブカメラは有効画素数200万画素で顔認証対応(IRカメラ)。プライバシーシャッターが標準装備されているのも、法人向けPCならではだ。

 ただ画質は正直そこそこである。というのもRGBカメラとIRカメラを統合したハイブリッドカメラが採用されているため、発色はともかくとして、ノイズが多めだ。室内灯下でも明るく撮れるので、ビデオ会議用であれば十分実用的だが、より高い画質を求めるのであれば外部カメラを接続したほうがいい。

「VersaPro UltraLite タイプVY」実機レビュー

有効画素数200万画素で顔認証対応(IRカメラ)。プライバシーシャッターを閉めると青い点が見えるので、状態がわかりやすい

「VersaPro UltraLite タイプVY」実機レビュー

Windows 11の「カメラ」アプリで撮影(HDRオフ)。特に背景の影などにノイズが目立つ

ベンチマークスコア
注目のバッテリーはオフィスベンチで30時間持続!!
しっかりCore Ultra 5 226Vをドライブ
 

 最後にパフォーマンスをチェックしよう。今回はCore Ultra 5 226V/ RAM16GB/ SSD512GB/ タッチ対応ディスプレー/ バッテリーパック(L)/ 指紋認証センサーありという構成のマシンを試用している。

 比較対象機種としては上位プロセッサー搭載機となるが、Core Ultra 7 258Vを採用する「Swift 14 AI」を使用した。

「VersaPro UltraLite タイプVY」実機レビュー

ベンチマークは「PC設定ツール」の「ロングバッテリー/ECO設定」で「標準」を選択し、さらにWindows 11の「電源モード」で「最適なパフォーマンス」を選択して実施している

 注目のバッテリー駆動時間は、ディスプレー輝度とボリューム40%で、「PCMark10」の「Modern Office Battery Test」を実行したところ30時間55分動作した。バッテリーパック(L)では軽々30時間越えを記録したわけだ。バッテリーパック(S)でも、十分モバイル用途に活用できるだけのスタミナ性能を確保できると思われる。

オフィース系のバッテリーベンチで30時間を超えました

 CPU性能だが、VersaPro UltraLiteはSwift 14 AIに対して、「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は85%相当、CPU(Single Core)は96%相当、「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は89%相当、CPU(Single Core)は94%相当のスコアを記録した。

 プロセッサーのコア数、スレッド数は同じだが、ターボブースト時の最大クロック周波数や、キャッシュメモリーの容量がその差となって表われた可能性が高い。

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