自社のGXノウハウに基づき、6ステップで進める「脱炭素STEP伴走サービス」を強化
顧客の「脱炭素経営」を伴走型で支援、リコージャパンのGXビジネス
2025年11月25日 13時00分更新
GXを取り巻く「カオス状況」に困惑する企業、伴走型支援で解決を
日本政府は、脱炭素と経済成長を同時に推進する国家戦略「GX2040ビジョン」を掲げており、「地球温暖化防止」「化石燃料輸入費削減」「GX新産業創出」の3点を柱として、、2兆円を超える基金をもとにGXを推進しているところだ。それと並行して「GX推進法」や「省エネ法」など、関連する法整備も一気に進んでいる。また、2026年度からは企業に対する「サステナビリティ情報開示の義務化」が、2027年度には企業におけるLED照明への転換促進(蛍光灯の製造/輸出入の禁止)が始まる。
ただし、こうして加速するGXの動きについて、花井氏は「カオスともいえる状況」と表現する。「新たな施策が次々と追加されるため、企業にとっては、何が最新の情報なのか、どこから手を着けていけばいいのかが分かりにくい」(花井氏)。具体的には、政府や自治体の補助金や支援策、地銀の融資制度、中小企業のGX認定制度などが分かりにくいことを指摘する。
そのため、大手企業では「削減目標は公表したが、具体的な計画に落とし込めず、脱炭素かが進まない」、中小企業では「取引先から削減目標の提示を求められているものの、何から手を着ければいいのか分からない」といった声が上がる。花井氏は「こうした課題についても、リコージャパンは解決策を提示できる」と述べ、2030年、2040年といった長期間にわたって伴走していくことができると説明した。
リコージャパンでは、企業の脱炭素経営を伴走支援できるプロフェッショナル人材として「シン・脱炭素コーディネーター」と呼ぶ社内認定制度を実施しており、専門知識に基づく提案活動を加速している。同制度では現在、119人を認定している。さらに、GX関連の外部資格や、施工に関する外部資格の取得も促進しており、「現場社員だけでなく本部長、支社長クラスも資格を取得している」(花井氏)という。リコージャパンとして、電気/電気通信に関する特定建設業許可を取得し、4500万円以上の大規模な太陽光発電システムの構築案件にも対応できる。
「各種資格を有するプロフェッショナル人材が増え、大型の案件にも対応でき、幅広い業種の顧客に対して伴走支援できる点が強みになる」(花井氏)
加えて、AIを活用したサービス強化にも乗り出している。具体的には、環境経営レポートなどの公開情報をAIに学習させてGXの推進方法の洗い出しを行うほか、AIを活用した簡易診断サービス、脱炭素化ロードマップ作成サービスなどを開始している。
花井氏は、AI(Dify)を活用することで、これまでは3~4時間かかっていた最適な施策立案が2~3分に短縮できること、GXソリューション記載の有無を整理して今後の提案余地を確認したり、顧客課題に合った提案を抽出できること、などのメリットを挙げた。また、AI簡易診断サービスは、顧客が選択した業種(全98業種)から設備ごとのCO2排出量の推計を面積表示し、「手の付けどころが視覚的に分かる」「1700種類の削減施策から設備ごとに適した施策を抽出できる」という。「さらには、簡易診断結果をもとに、CO2削減量と経済合理性を分析し、CO2削減目標値に向けたロードマップをAIが作成することも可能だ」(花井氏)。
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現在、リコージャパンのGX事業は、2025年度の営業利益見込みで、2022年度の3.8倍にまで拡大しているという。
「リコージャパンが蓄積したノウハウと社内実践をベースに、『脱炭素STEPに基づいたロードマップ提案』『再エネ提案と提供の拡大』『地域GXの展開』という3つのステップでGX事業を拡大していく。ソリューション強化と人材育成を両輪で進め、2030年には、オフィスプリンティング、オフィスサービスに続く、リコージャパンの新たな柱へと成長させる」(花井氏)




