Gen5最速クラス&低発熱設計。ゲーミングノートPCやPS5にも最適なADATA「XPG MARS 980 BLADE」の実力

文● 飯島範久 編集/ASCII.jp編集部

提供: ADATA

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 PCIe Gen 5 x4(Gen5)対応のM.2搭載マザーボードも普及し始め、Gen5対応NVMe SSDも増えてきた。初期のGen5対応NVMe SSDは、読書速度はGen4対応NVMe SSDより圧倒的な速さを示していたものの、発熱が高く冷却をしっかりしないと性能を十分に引き出せないという課題を抱えていた。

 その問題点を改善した次世代モデルは、発熱を抑えつつ高速読み書きを実現しており、世界第2位のメモリ・SSD自社ブランドモジュールメーカーであるADATA Technology(ADATA)も「XPG MARS 980 BLADE」を発売。コントローラーに SMI 社製・TSMC 6nm プロセスを採用しており、高発熱を大きく軽減し、競合品と比べて優れた性能・消費電力比を実現している。従来のような大型ヒートシンクも不要でノートPCを含む幅広い機器への搭載が可能となった。

 そんな「XPG MARS 980 BLADE」をお借りしたので、早速レビューしよう。

SMI社の最新コントローラー採用で低発熱を実現

「XPG MARS 980 BLADE」は、ヒートシンクが付属しており、利用環境によって装着できる

 「XPG MARS 980 BLADE」は、ゲーミング向けストレージとしてデスクトップPCだけでなくノートPC環境でも快適に動作するよう設計されたGen5対応NVMe SSDだ。

 その秘密の1つが、SMI 社が TSMC 6nm プロセスを採用していることで発熱が抑えられているため、ノートPCで利用する際も、追加のヒートシンクがなくても利用できる。高速アクセスを実現するためにコントローラーの性能は重要で、なおかつ発熱量も多いため、高速性能を維持しつつ発熱量を抑えられた、このコントローラーを搭載したことで低発熱のNVMe SSDを実現している。

左側にあるチップが SMI社のコントローラー。真ん中のチップはキャッシュバッファ用のDRAMで、「ADATA」と書かれているチップが3DNANDだ

 このため、付属のヒートシンクも0.8mmと非常に薄いもので、ノートPCのストレージを換装したり、PS5の拡張ストレージでの活用も問題ない。シーケンシャルリードは最大14000MB/秒、シーケンシャルライトは最大13000MB/秒としており、Gen5対応NVMe SSDの中でも最速クラスの性能を持つ。

ヒートシンクを装着したところ。両面テープで貼り付けるタイプだ

 搭載するNANDは厳選した232層3DNANDで、容量は1TB/2TB/4TBの3モデルが用意されている。総書き込みバイト数(TBW)は、1TBあたり740TBで平均故障間隔も200万時間となっており、かなり信頼性が高い。

 また、システム起動やデータキャッシュのためのSLCキャッシング と DRAM キャッシュバッファを搭載。ランダム性能の向上に寄与しており、実利用時の快適性も考えられている。

XPG MARS 980 BLADEの主な仕様
容量 1TB/2TB/4TB
NANDフラッシュ TLC 3D NAND
コントローラー SMI SM2508
サイズ(W×D×H) 80×22×4.5mm(ヒートシンクあり)
80×22×3.2mm(ヒートシンクなし)
シーケンシャルリード(最大) 最大 14000MB/秒
シーケンシャルライト(最大) 最大 13000MB/秒
4Kランダムリード IOPS(最大) 2000K
4Kランダムライト IOPS(最大) 1650K
MTBF(平均故障間隔) 200万時間
TBW(総書き込み容量) 1TBにつき740TB

圧巻14000MB/秒オーバーの読み取り速度

 実際にどの程度の速度が出るのか、ベンチマークテストを実施した。計測にあたっては、下記スペックのマシンで行っている。Windowsの電源の設定は「最適なパフォーマンス」とした。また、前回Gen4対応NVMe SSDでの記事と同様、ロットによる違いはないのかについても検証している。なお、ヒートシンクはマザーボードのものを使用している。

テスト環境
CPU AMD「Ryzen 7 9800X3D」
マザーボード ASRock「B850 Steel Legend WiFi」
メモリー ADATA「DDR5-6000 AX5U6000C3016G」16GB×2
システムストレージ ADATA「GAMMIX S70 BLADE」2TB

 まずは、定番の「CrystalDiskMark 9.0.1」でアクセス速度を計測した。結果は、シーケンシャルリードは14000MB/秒オーバーと公称値以上の性能を発揮し、3つのロットで大きな違いは見られなかった。

3つのロット、それぞれでの「CrystalDiskMark 9.0.1」の結果

 一方、シーケンシャルライトは、11300MB秒と公称値から1700MB/秒ほど下回っている。3つのロットで同様の傾向が見られるため、計測した環境による可能性が大きい。これは、Gen5対応NVMe SSDの場合、搭載する環境(例えばCPUやチップセットなどの違い)によってアクセス速度が大きく左右されるためだ。

 そこで、総合的な評価として「PCMark 10 Full System Drive Benchmark」を実行した。結果はスコアが3553で「Overall bandwidth」が553.87MB/秒、「Overall access time」が46マイクロ秒となった。Gen4対応の「XPG GAMMIX S70 BLADE」と比較すると、スコアが2975、「Overall bandwidth」が472.96 MB/秒、「Overall access time」が56マイクロ秒だったことから、より快適なシステム環境であることがわかる。

「PCMark 10 Full System Drive Benchmark」の結果

 一方、ゲーミング向けということで「3DMark Storage Benchmark」も実行した。結果はスコアが2996で、Gen4対応の「XPG GAMMIX S70 BLADE」のスコアが1800だったことから、かなりのアドバンテージがあると言える。アクセス速度を見てもかなり差があり、ゲームプレイにおいては本製品を選ぶべきだ。

「3DMark Storage Benchmark」の結果

「3DMark Storage Benchmark」の詳細結果

 最後に、動作温度はどうなのかチェックした。「CrystalDiskMark 9.0.1」を実行させたときの温度変化を「HWiNFO64」を使ってリアルタイムに記録。それをグラフ化した。

「CrystalDiskMark 9.0.1」を実行させたときの「XPG MARS 980 BLADE」の温度変化

 結果は、最高でも62℃で、読み書き動作が終わるとすぐに温度は低下していった。これならサーマルスロットリングに入ることもなく、安定した動作が期待できる。

最高のゲーミング環境のために

 「XPG MARS 980 BLADE」は、Gen5の性能をフルに発揮して、ゲーミングにおいてもアドバンテージがあることがわかった。ロットによる性能差はなく、5年間の限定保証もついているので、安心して利用できるはずだ。

 ゲーミングPCはもちろん、PS5のような家庭用ゲーム機にもピッタリな本製品。Gen5対応NVMe SSDを求めているなら、ぜひ検討してほしい。

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